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『ふたりの5つの分かれ路』

配給:ギャガ・コミュニケーションズGシネマグループ
オフィシャルサイト:
http://www.gaga.ne.jp/futarino/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
ステファン・フレイス
ジェラルディン・ペラス
フランソワーズ・ファビアン
ミシェル・ロンダール
アントワーヌ・シャピー
監督、脚本:フランソワ・オゾン
製作:フィデリテ
    オリヴィア・デルボスク
    マルク・ミソニエ
脚本:エマニエル・ベルンエイム
撮影:ヨリック・ルソー
編集:モニカ・コールマン
衣装:パスカリーヌ・シャヴェンヌ
音楽:フィリップ・ロンビ

2004/フランス/カラー/
ヴィスタ・サイズ/SR,DIGITAL/
1時間30分


イントロダクション
「離婚により崩壊した夫婦の関係の時間軸を遡ることにより結婚の意味、重み、物語のスリリングさも演出したフランソワ・オゾン監督の待望の新作」
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  現在(2005/8)、『皇帝ペンギン』が大ヒットしているといっても(アメリカでも予想外の大ヒットとなっている)、全体的には低迷しているように感じられるフランス映画の世界。そんな状況のフランス映画の中で常に大きな注目を浴びる監督がフランソワ・オゾンである。今回紹介する作品はそんなオゾン監督の最新作『ふたりの5つの分かれ路』である。
 日本でも『ホームドラマ』、『焼け石に水』などミニ・シアター好きを中心に徐々にファンを広げていったフランソワ・オゾン監督の名がより大きく浸透したのは2002年に劇場公開された『8人の女たち』だった。フランスを代表する新旧8人の女優たちを主演に舞台仕立てのミュージカル・ミステリーに仕上げたこの作品は老若男女、新旧の映画ファンを魅了する大ヒットを記録した(以前からのオゾン監督のファンには決して評判がいいとはいえなかったが)。そして、昨年公開された『スイミング・プール』も大ヒット。世界中の映画祭などはもちろん、今、日本でも多くの映画ファンが新作を心待ちにしている監督のひとりが、このフランソワ・オゾンと断言することも出来るだろう(映画に対する作家主義志向がなくなっていきている傾向が強いからこそ、尚更貴重な存在だろう)。
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  今回の作品『ふたりの5つの分かれ路』でオゾン監督が描くのはひとつの夫婦(カップル)の愛の軌跡である。でも、その軌跡の描き方がちょっと変わっている。作品のオープニングは疲れ果てたカップルが離婚手続きをしているシーンから始まる。どこかに未練を感じさせるような夫婦の離婚。ここから時間は徐々にふたりの出会いのシーンまで遡って行く。『ふたりの5つの分かれ路』というタイトルにもあるように、最初の離婚シーンから出会いまで、ふたりの関係にとって重要と思われる5つのシーンによってこの作品は構成されている。それぞれのシーンは独立しているが、この独立したシーンが遡り、重なり合っていくことで、様々な人生の重みが加味されながら、謎解きにも満ちた感慨が味わえるそんな作品になっているのだ。
  この一見普通だが変わったラブ・ストーリーについて、オゾン監督は「愛というものをあれこれ説明することなしに、別の角度から捉えたかったのです。日常的なことが愛を失わせると語るのは、たやすいことのように思えますが、2人を別れさせる本当の理由は表面的なものよりももっとずっと深淵なものであり、そのことに注目しました。そこであるカップルの人生における5つの重要な瞬間を映画にしたいと考えました。ただ単にありきたりの指南書にはしたくなかったのです。」と語っている。また、時勢を遡るという手法は、ジェーン・カンピオン監督(『ピアノ・レッスン』)のテレビドラマ「TWO FRIENDS」にインスピレーションを与えられたという。
  出演は、カップルの女性役に『愛する者よ、列車に乗れ』、オムニバス映画『10ミニッツ・オールダー/イディアの森』のベルナルド・ベルトルッチ監督によるパートのヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、カップルの男性役に『仮面の愛 マスカレード』、『私たちが結婚した理由』のステファン・フレイス。その他、『IP5 愛を探す旅人たち』、『パリの確立』のジェラルディン・ペラス、『思い出のマルセイユ』、『クレーヴの奥方』のフランソワーズ・ファビアン、『ジャッカルの日』、『薔薇の名前』のミシェル・ロンダール、『クレーヴの奥方』、『家路』のアントワーヌ・シャピーなど。
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  結婚生活を営む身としてはとにかく痛切な作品である。離婚のシーン、夫のゲイの兄との夕食の際の夫婦のちょっとした告白のシーン、妻の出産のシーン、結婚式のシーン、そして出逢いのシーン、それは痛みが喜び、希望へと単順に遡って行くだけではない。その中にちょっとした些細な出来事がある。それは調子に乗って生じたのかもしれないし、ちょっとした隙間に忍びこんできたのかもしれない。ここまでではないししても、結婚生活という日常にはこうしたなぜか決断がつかない、パートナーへの想像力が追いつかない些細だけど深淵な出来事が転がっている(それは結婚生活に限ったことではないだろうが)。作品は独立したシーンが遡ることによって、その前の終焉へと向かっていくピースの隙間が埋められていく。だからこそ、幸せいっぱいのラストのシーンにはこれ以上もない切なさで満たされてしまう。この前途にあるのはあの姿かもしれないのだ。
  夫婦の顔のクローズ・アップを多用しながら、皺ひとつの刻まれ方、肌の変化でその人生を描いていく様、各センテンスに効果的に挿入される懐かしのポップス(この登場人物の心象を表すようなポップスを中心とした音楽も作品の主役だ)など映像表現的にも素晴らしいが、やはり心に残るのは全く別とはいえ、似た部分もある自分の結婚生活との重なりである。それは最初にも書いたようにあまりにも痛切なのだ。結末、その方向すら分かっている物語をこういうスタイルで描けるオゾン監督にとにかく脱帽の傑作。結婚生活を送っている方にこそ、ぜひ、味わってもらいたい本当の大人のための物語。ぜひ、劇場に足を運んでください。   

ストーリー
「ひとつののカップルの離婚。そこには些細な、深淵な出来事が重なっていた」
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  背を向け、ひとりの男に向かい座る男女。2人の男女は書類にサインをし、男の説明を受けることで離婚を完了させる。「これで離婚が成立しました」というひと言。それまでの長い日々に比べれば、あまりにも簡単な手続きだ。
 ふたりはあるときに出逢い、愛の日々を重ね、結婚した。そしてこの離婚に至るにはちょっとした分かれ路ともいえる瞬間があった。
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