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『ドア・イン・ザ・フロア』

配給:日本ヘラルド映画
オフィシャルサイト:
http://www.herald.co.jp/official/door/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
キム・ベイシンガー
ジェフ・ブリッジス
ジョン・フォスター
エル・ファニング
ミミ・ロジャース
ビジョウ・フィリップス
ルイス・アルセーリャ
監督、脚本:トッド・ウィリアムズ
製作:アン・ケリー
    マイケル・コレント
    テッド・ホープ
原作:ジョン・アーヴィング
撮影監督: テリー・ステイシー
編集:アフォンソ・ゴンサルヴェス
美術:テレーズ・デプレス
衣装:エリック・ダマン
音楽:マーセロ・ザーヴォス
2004/アメリカ/カラー/
スコープサイズ/ドルビーSRD/
1時間52分

イントロダクション
「原作者のジョン・アービング自身も納得した、原作の静謐さを閉じ込めた、切なさも染みこむ“ボーイズ・オブ・サマー”的作品」
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(C)配給:角川ヘラルド・ピクチャーズ
 現在のアメリカを代表する作家ジョン・アービング。学生時代にレスリングの選手だったというその巨漢を思い浮かべる方もいるだろうが、その体型に見合わない(と言ったら失礼だね)、ユーモアに溢れ、空想的で繊細で不思議な小説世界は村上春樹、爆笑問題の太田光なども虜になっている。新作が出版されれば、(数年落ちだろうが)ほぼ確実に日本語翻訳版が出版されるという稀な外国人作家でもある彼の小説を原作とした作品が公開される。それが今回紹介する『ドア・イン・ザ・フロア』である。
 ご存知の方も多いだろうが、ジョン・アービングの小説は代表作の「ガープの世界」をはじめ、数作がすでに映画化されている。それはロビン・ウィリアムズ主演の『ガープの世界』(1982)、ジョディ・フォスターはもちろん、クマのヌイグルミを脱がないナスターシャ・キンスキーが印象的だった『ホテル・ニューハンプシャー』(1984)、アシュレイ・ジャッド良かった『サイモン・バーチ』(1998)、そして名匠ラッセ・ハルストレイム、トビ・マグワイア、シャーリーズ・セロンによる『サイダーハウス・ルール』(1999)という4作である。あの小説の世界を映画化するのは決して簡単なことではないと感じるのだが、アカデミー賞にノミネートされた『サイダーハウス・ルール』をはじめ、全ての作品がそれぞれに良質な作品に仕上がっているというのはすごいことだ(未見の方は近所のレンタル屋で手にとってもらえればと思う。個人的に最も好きなのは『ホテル・ニューハンプシャー』です)。これは映画を製作する側もジョン・アビーングという作家の作品に相当な思い入れがあるということでもあるのだろう。
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(C)配給:角川ヘラルド・ピクチャーズ
 今回紹介する作品『ドア・インザ・フロア』もそうした映画制作者の小説への愛情が結実して出来上がった作品である。この作品の原作に当るジョン・アービングの小説は「未亡人の1年」、その内容は高校生の夏休みにある小説家のアシスタントとして働いた少年がそこで小説家の妻とひと夏のアバンチュールを体験。30数年後、売れない小説家となっていた彼はあの妻の娘(売れっ子小説家)と再会し、恋人のような兄妹のような関係となっていく。そして様々な出来事が起こり、ふたりは音信不通となっていたあの妻、母の存在を知る。それは彼にとっては恋焦がれ続けていた人との再会だったのだが、というもの。ジョン・アービング自身が「自分自身がどう映画にすればいいのかがさっぱり分からなかった」ことから、いくつもの映画化のオファーを断り続けていたというのも納得できるあまりにも壮大なタイムスパンと心象を持った物語なのだ。
 この作品が日本でのデビュー作品となるトッド・ウィリアムズ監督は「物語の前半のみを映画化すればきっとうまくいく」とひらめき、プロデューサーに企画を打診。ジョン・アービングも小説全体を映画化しようとしているのではないこと、原作のトーンに忠実であることを気に入り、ウィリアムズが監督をするという条件で映画化を了承した。アービングは「ウィリアムズの仕事には心から満足している。脚本は、僕の小説を脚色した中ではこれまででいちばんだ。しかも、彼自身の作品にも仕上げている。見事な仕事だね。」とこれ以上もない賛辞をこの作品に与えている(自らが脚色した『サイダーハウス・ルール』以上なのだ)。
 出演はキム・ベイシンガー、ジェフ・ブリッジスというベテラン俳優に加え、ジョン・フォスター(『海辺の家』)、エル・ファニング(『I am sam/アイ・アム・サム』)など。
 「きっとうまくいく」とウィリアムズ監督が考えた小説の前半部分は、小説家のアシスタントとして少年が過ごすひと夏である。長男を失ったことから小説家の夫婦関係は壊れ始め、ふたりの小さな娘は兄の死を理解しているのか、いないのかも分からない。そういった状況に青年は入り込み、小説家の妻と恋に落ちていく。この作品はそうした中で少年が性的にも、男としても、人間的にも成長していく“ボーイズ・オブ・サマー”的物語である。そして、この作品は家族にとって異端者である少年が媒介者として、彼らの中に入り込むことで新たな再生をもたらすという物語でもある。
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(C)配給:角川ヘラルド・ピクチャーズ
 ジョン・アービングの小説では典型的なのだが、この作品を覆っているのは“死の影”である。家の壁には亡くなった長男の写真がまるで成長の記憶のように額縁に飾られている。そこから抜け出そうとするのが小説家の夫で、そこに留まり続けるのが妻である。小さな娘は自分の記憶にはない兄が存在するかのように感じている。そういった状況を打ち破りたいという想いから、少年を普通なら雇うことがないひと夏のアシスタントとして採用したのは夫自身だった。結果はどうであれ、その重い空気は打ち払われることになる。
 物語にずっと付きまとう死の影を表すかのように、物語は暗い影を伴いながら進んでいく。曇りがちながらも太陽が燦々と降り注ぐ真夏の明るい世界なのに、彼らの暮らす家の中はひんやりとした空気に張り巡らされている。その状況を的確に捉えるロング・ショットの構図が美しい(これは映画館の大画面で味わうべきだ)。キム・ベイシンガー、ジェフ・ブリッジス、ジョン・フォスターなど役者陣の演技も素晴らしい。
 この作品で描かれているパートは原作小説からすれば、プロローグに過ぎないようなものだ。だが、強烈な印象を残した、長い人生からすれば人は瞬間を引き摺り続けることがある。少年にとってはこのプロローグは一生を決めるようなものだったのだ。その後の展開は原作の「未亡人の1年」を手にしてもらえればと思う。そして、この作品『ドア・イン・ザ・フロア』はその原作のパートをうまく閉じ込めただけでなく、切なさも染み入る良質な“ボーイズ・オブ・サマー”的作品となっている。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「16歳の少年エディは夫婦関係が壊れ始めた作家のアシスタントとして大きなひと夏を過ごす」
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(C)配給:角川ヘラルド・ピクチャーズ
 マリアンは夫である作家のテッド、娘のルースと暮らしていた。経済的にも文句のない生活のはずだったが、数年前に起こったある事件を契機に夫婦の関係は壊れ始めていた。マリアンは内にこもりがちになり、テッドは浮気に明け暮れていた。
 その夏、作家志望の高校生であるエディ・オヘアはテッドのアシスタントとして雇われ、この家庭へとやってきた。でもエディの仕事は車でのテッドの送り迎え。それも浮気のためのものだ。テッドは全く作品を書く気がないので、エディの作家としての勉強もうまく運ばない。そんな中、エディはマリアンへと惹かれていく。そしてマリアンもそれに気付いていた。
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