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『ブコウスキー:オールドパンク』

配給:ザジ・フィルムズ
オフィシャルサイト:
http://www.zaziefilms.com/bukowski/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
チャールズ・ブコウスキー
リンダ・リー・ブコウスキー
ローレンス・ファーリンゲティ
ショーン・ペン
トム・ウェイツ
ボノ (U2)
ハリー・ディーン・スタントン
監督、製作:ジョン・ダラガン
編集、脚本:
ヴィクター・リヴィングストン
オリジナル曲:
ジェームス・ウェズリー・ステンプル

2002/アメリカ/35o/SRD/
1時間53分


イントロダクション
「世界中に熱狂的ファンを抱えるチャールズ・ブコウスキー。死後20年を経て、この無頼で繊細な作家、詩人の人生を綴った素晴らしいドキュメント作品が公開」
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 現在公開中(2005.10)の話題作『シン・シティ』。この作品のプロモーションのために久々の来日をしている主演のミッキー・ローク。その風貌の変化に驚いた方も多いだろうが、80年代の彼は女性たちに「キャー、キャー」と騒がれ、日本でボクシングの試合までやってしまう(伝説の猫パンチ)程の人気だった。そんな彼の作品に『バー・フライ』というものがある。その名の通り、バーのカウンターを止まり木とする男(ミッキー・ローク)と女(フェイ・ダナウェイ)を主人公としたラブ・ストーリーだ。内容自体は大したことがないのだが、飲んだ暮れた日々を送っていた人間にはなんとなくとも心温まる作品だった。今回紹介する『ブコウスキー:オールドパンク』はこの『バー・フライ』の脚本を担当した作家チャールズ・ブコウスキーの人生を綴ったドキュメンタリー作品である。
 チャールズ・ブコウスキーを知っている方は多いだろうが、知らない方のために簡単な経歴を書いておく。チャールズ・ブコウスキーは1920年にドイツに生まれている。2歳でアメリカに移住。大学を中退し、肉体労働と放浪と飲んだくれの日々を重ねながら、詩や短編小説などの執筆活動に入る。アンダーグラウンド・マガジンなどで頭角を現す。ずっと生計を立てていた郵便局員をやめ、本格的な作家活動に入るのは50歳を目前にしてから。そこから積極的に作品を発表し続け、圧倒的な評価を獲得する。亡くなったのは1994年。享年78歳だった。
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 実は『バー・フライ』という作品が公開されたとき、すでに欧米では熱狂的なファンと絶対的な評価を獲得していたチャールズ・ブコウスキーは日本では無名(知る人ぞ知る)だった。彼の人気に火がつくのは藤原新也のカバー写真も印象的な青野聡の翻訳による『町でいちばんの美女』という短編集が出版されてからだった(タスキの推薦文は北野武。また、それ以前に、ブコウスキーといったらこの人という中川五郎翻訳による『詩人と女たち』が出版されているが、これは当時はあまり話題にならなかった)。最初は本屋の片隅に置かれていたこの本は口コミで火がつき、版を重ねていく。ここから90年代の後半にかけて、ブコウスキーの詩集を除く著作のほとんどが日本で翻訳されることとなった。ちょっとした、ブコウスキー・ブームが到来し、『町でいちばんの美女/ありきたりな狂気の物語』、『魅せられたる三夜』、『つめたく冷えた月』という彼の原作を映画化した作品も劇場公開されている。しかし、日本での人気に火がつき始めた頃にチャールズ・ブコウスキーはあちら側に逝ってしまった。
 この作品『ブコウスキー:オールドパンク』はチャールズ・ブコウスキー自身がTV番組などに出演した際のインタビュー、詩の朗読会の記録などのアーカイブ映像、ブコウスキーの妻や彼と親交のあった様々な人物たちの証言により綴られていく。例えば、映画ファンにとっては彼と仲が良かったというショーン・ペンとU2のボノに関するエピソードには微笑まずにはいられないだろう。ボノとショーン・ペンがアイルランドで飲んでいたときのこと、ボノがブコウスキーの大ファンだったと知ったショーン・ペンはその場からブコウスキーに電話をかける。感動したボノ。この話には後日談があるのだが、それは映画を観てもらいたい。その他、彼の作品を世に知らしめるために私財をなげうち、出版社“ブラック・スパロウ・プレス”をおこしたジョン・マーティン、ビートの書物、活動拠点として名の知れたサンフランシスコの“シティ・ライツ・ブックス”の共同経営者で詩人でもあるローレンス・ファーリンゲティ、『バーフライ』の監督バーベット・シュレイダー、役者としても印象的なミュージシャンのトム・ウェイツ、ブコウスキーの娘、そして恋人たちなど様々な人物が登場する。
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 映画のオープニングはブコウスキーの詩の朗読会を記録した荒れた映像から始まる。「ワインをよこさないとやめるぞ」というブコウスキーに、満場のファンの中から「(主催者は)けちけちするな」という声が上がる。ブコウスキーらしすぎる世界だ。その後、ほぼ年代順に登場するインタビュー映像の中でもブコウスキーは常に酒を片手においている(その上、妻との喧嘩まで始める)。これは酒なしではインタビューに答えられないブコウスキーという人物のシャイさのあらわれだ。彼のファンなら分かるだろうが、その作品は正直な怒りと繊細さ、シャイさが同居している。英語の原文も少ない言葉でストレートに書かれているため、分かりやすい。これが彼が大きな支持を受けた理由だろう。ある詩の中で彼は「魂が鈍くなると、形式が現れる」と書いている。彼自身はそうならないように作家活動を続けてきた(だから、最後の長編小説「パルプ」は評価されるべきなのだ)。映画化された『バー・フライ』が大嫌いだった。ミッキー・ロークみたいな飲んだくれはいないというのが大きな理由だ。
 この映画で語られる彼の人生は彼の作品のファンならすでに知っていることが多い。それは彼は自分の人生そのものをフィクションとして書き続けていたからだ。短編小説も長編に膨らむ。同じような題材でコラムを書く。このような試みをなぜしていたのかなと個人的に考える部分はあったのだが、このことは作品に登場した評論家のひと言「彼はLAを多方面から書いていたのだ」を聞いたときに納得できた。この作品はこうした様々な証言者による発言の面白み、発見にも満ちている。ブコウスキーのファンならもちろん必見だ。そして、ブコウスキーという作家を知らない方々にはこういうオヤジがいたのかという意味合いでも映画を観てほしい(そこから本を読んでくれ)。無頼で語られるが、それ以上に正直で繊細な作家のドキュメンタリー作品『ブコウスキー:オールドパンク』、ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「世界中に熱狂的なファンを抱える作家 チャールズ・ブコウスキーの人生」
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 詩の朗読会の記録映像。主催者に対し「ワインをもってこい」と舞台で机を前に叫ぶのが作家で詩人のチャールズ・ブコウスキー。1920年に生まれ、1994年に73歳で亡くなった彼は世界中に熱狂的なファンを抱えている。この日本も例外ではない。この作品は彼の残したインタビューや詩の朗読会などアーカイブ的な映像、彼の妻、ショーン・ペン、U2のボノ、トム・ウェイツなど彼と交流のあった人々の証言を元にチャ−ルズ・ブコウスキーという唯一無二の作家・詩人の人生を浮かび上がらせていく。
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