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『僕の恋、彼の秘密』

配給:アートポート
オフィシャルサイト:http://www.bokukare.jp/

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
トニー・ヤン
ダンカン・チョウ
キング・チン
ダダ・ジー
ジミー・ヤン
ジェイソン・チャン
監督:DJチェン
製作:アイリーン・リー
    ミッシェル・イェ
脚本:ラデイ・ユウ
撮影:チェン・フイション
美術:ザク・クー
音楽:ジョージ・チェン
    ホン・チーリー

2004/台湾/35o/カラー/
ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル/
1時間33分


イントロダクション
「台湾で2004年上半期ボックス・オフィスNo.1を記録したポップで、コミカルなゲイの男の子を主人公とした青春ラブ・ストーリー」
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 韓国映画の盛り上がりをきっかけとしてアジア映画に大きな注目が集っている。もちろん、最も注目を浴びるのは韓国なのだが、それと同じくらいの注目を浴びているのが中国、香港、台湾という中華圏の作品である。この中華圏の作品は俗に“華流”と呼ばれ、“韓流”と同じように映画だけではなく、TVドラマ、イケ面のスター存在に引っ張られる形で徐々に盛り上がってきている(例えば、本屋に脚を運べば、“韓流”雑誌の横に“華流”雑誌が並んでいる)。その中心になるとさいわれているのが台湾である。日本のコミック「花より男子」をドラマ化した「流星花園-花より男子-」から生まれたアジアを代表するアイドル・グループ F4やチェン・ボーリンなど台湾の若手スターたちはすでに熱狂的なファンを抱え始めている。今回紹介する『僕の恋,彼の秘密』はそうしたスターの存在と作品の内容で、日本での“華流”ブームの大きなきっかけとなりえるかもしれない台湾映画である。
  この作品『僕の恋、彼の秘密』はそのタイトルから想像できる方もいるかもしれないが、ゲイ映画である。台湾でゲイとなるとちょっと意外というか、想像がつかない方も多いと思う。僕自身も全く想像がつかなかったのだが、1987年の戒厳令解除以降、様々な面での解放、改革が進んだ台湾の中でも最も大きなもののひとつがゲイの人権運動であり、団体の創設、雑誌の創刊などビジネス面での大きな盛り上がりにも繋がってきているのだという。実は知らなかっただけで、ゲイの存在は台湾でも当たり前のものになっているのだろう。
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  こうした身近な存在としてのゲイというものがある部分も大きいのだろうが、この作品『僕の恋、彼の秘密』は2004年度上半期の台湾国内の映画興行(ボックス・オフィス)のNo.1を記録している。当初はたった4館の映画館で封切られただけの本当にマイナーな作品だったのだが、口コミ効果で若者の間に評判が広がり、公開劇場も拡大、異例の超ロングラン・ヒットを記録し、社会現象にまでなったのだ。この作品が劇場映画デビュー作となる女性映画監督DJチェンも「主なマーケットはゲイを対象としていた」と語っているが、そうした予想を超えた嬉しい誤算がもたらされたのである。
  嬉しい誤算がもたらされた理由はいくつもあるだろうが、最も大きいのはポップなストーリー展開と出演した俳優のルックスである。プールの中で抱き合う若い男ふたり、実はそれは夏休みになったので田舎から台北へと向かう男の子が見た夢。しかも、その夢に夢精までしてしまったというある意味で衝撃的なオープニングから始まるこの作品だが、その後の展開は爽快感に溢れた青春ラブ・ストーリーとなっている。その物語は、田舎から台北に出てきた17歳の男の子は素敵な恋を夢見ている。愛読書は純愛に関する本で、メールでやり取りしていた男に「SEXしようぜ」といわれてもその意味もよく分からないというウブで純情な子だ。そんな子が一目惚れをしてしまった相手が、ゲイの世界ではその名を知らない者がいないプレイボーイのイケ面。彼の悪評を知り尽くす友人たちの反対にも関わらず、男の子はプレイボーイにのめりこんでいくというもの。監督は「純粋な恋愛に憧れる若い女の子たちがいっぱい観てくれたんですね」と語っているが、誰もが憧れる初めての甘く、ほろ苦い恋をコミカルさを交えながら描いていく展開は少女漫画にも通じるものがあるので。そういった部分も受けたのだろう。
  そして「ルックスのいい俳優が出ているのも女性を呼んだ要因かも知れませんね」と監督が語っている主演のふたりがウブな男の子を演じるトニー・ヤンとプレイボーイを演じるダンカン・チョウである。モデルとしてデビューし、ドラマなどで活躍、この作品が映画デビュー作となったトニー・ヤンは台湾金馬賞最優秀新人賞を受賞するなど圧倒的な評価と人気を獲得し、一躍、台湾を代表する若手俳優となっている。一方、ダンカン・チョウもモデルとしてデビューし、数多くのドラマや映画で活躍している人気俳優である。主演のふたりを彩る面々もイケ面や個性的な面々が揃っているのでこちらも要チェックだろう。
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  普通、僕たちが目にするゲイをテーマ、主役とした映画はゲイであることの悲哀を描いたものや、間に女の子を入れての恋の駆け引きを描いたものが多い。この『僕の恋、彼の秘密』がそれらの作品と違うのはそういった部分が一切ないということである(驚くべきことに脇役としても女の子は登場していない)。少女漫画的な物語展開にイケ面の俳優ふたりが主役を張ったこの作品は台湾と同様に日本でも多くの女性たちに受け入れられるだろう(そして、今後の“華流”の盛り上がりをみる意味でも興味深いと思う)。また、作品からは台湾の若者の日本好きな面も伺えるので、そういったディテールに眼を凝らすのも面白いかもしれない。コミカルさ、ポップさを持った台湾映画らしい青春ラブ・ストーリーである『僕の恋、彼の秘密』、ぜひ、劇場に脚を運んでください。

ストーリー
「純な男の子が始めて恋した相手はプレイボーイの危険な男だったが」
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 田舎に暮らす17歳のティエンはカッコイイ男の子との恋に憧れている。そういった恋の夢を見て夢精をすることもある。この夏休み、ティエンは新しい出会いを求めて台北へと向かった。台北で彼が最初に出会ったのはメールでやり取りをしていた男性。いきなり「SEXしよう」と誘われたものの、その意味すらよく分からない純なティエンは断ってしまう。ゲイの親友ユウのアパートに転がり込んだティエンは彼が働くクラブである男性に一目惚れしてしまう。その相手は“ミスター・ラブマシーン”と呼ばれるプレイボーイのバイ。一夜限りで男を捨てていくバイのやり口を知っている友人たちは反対するが、ティエンはバイへの想いをつのらせていく。
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