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『バッドアス!』

配給:ミラクルヴォイス
オフィシャルサイト:
http://www.miraclevoice.co.jp/badass/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
マリオン・ヴァン・ピーブルズ
レイ・ウイルソン
T.K.カーター
テリー・クルーズ
オシー・デイヴィス
デヴィッド・アラン・グリア
ニア・ロング
ポール・ロドリゲス
メルヴィン・ヴァン・ピーブルズ
監督、製作、脚本:
  マリオン・ヴァン・ピーブルズ
原作:
  マリオン・ヴァン・ピーブルズ
脚本:デニス・ハガティー
撮影:ロバート・プライムス
編集:アンソニー・ミラー
   ニーカ・ゴフォース
音楽:タイラー・ベイツ

*2004年フィラデルフィア映画祭
  観客賞受賞

2003/アメリカ/ヴィスタサイズ/
ドルビー・デジタル/1時間48分


イントロダクション
「親父が生み出した黒人映画の金字塔『スウィート・スウィートバック』の背景を息子がドキュメンタリー・タッチのドラマで描いた最高のエンタテインメント作品」
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 1970年代に山のように製作、撮影された“黒人による、黒人のための、娯楽映画”ともいうべき作品(正直、この言い方を真に受けて欲しくはないが)が、大きな注目を浴び始めたのはヒップ・ホップのムーブメントが大きかったと思う。その映画のサウンド・トラックがレア・グルーヴ、サンプリングのネタとして注目を集め、その延長として映画の本編も再評価されることとなったのだ。今回紹介する『バッドアス!』はそういった中の代表作、誕生の内幕を語った作品である。
 1970年代に山のように製作、撮影された“黒人による、黒人のための、娯楽映画”は俗に“ブラック・スプロイテーション・ムービー”と呼ばれている。このジャンルを単純に定義すれば、「黒人のヒーローが白人のあくどい奴らを叩きのめす物語」とすることが出来るだろう。この場合、白人は表だろうが、裏だろうが権力を持った奴、黒人のヒーローはたった一人でそいつらをぶちのめすわけだ。こうした作品が生み出された背景には、当時の黒人たちによる公民権運動や“ブラック・イズ・ビューティフル!”というブラック・パワーの存在がある。単純な娯楽映画ではあるが、そこには明らかな政治的な背景もあるのだ。こうした作品が大きな注目を浴びた理由のひとつは冒頭にも書いたが、もうひとつの理由としてクエンティン・タランティーノという存在もあるだろう。彼の作品、発言への注目が“ブラック・スプロイテーション・ムービー”再発見に繋がっているのだ(パム・グリアを復活させた『ジャッキー・ブラウン』や彼の作品のサントラを聞けば、自ずと分かるはずだ)。それにプラスして、黒人の状況は今でも変わっていないじゃないという異議申し立てもあったはずだ。1980年代から90年代にかけてのスパイク・リーの諸作、ラッパーのアイスTなどが出演した“ブラック・スプロイテーション・ムービー”の焼き直しでしかないB・C級的作品はそういった部分も表しているのではないだろうか。
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 『バッドアス!』で内幕が語られる作品とは、“ブラック・(スプロイテーション・)ムービー”のゴッドファーザー的存在であるメルヴィン・ヴァン・ピーブルズによる黒人映画の金字塔的作品『スウィート・スウィートバック』である。1971年独立系映画として信じられない程のヒットを記録したこの作品が“ブラック・スプロイテーション・ムービー”の記念すべき幕開けなのである。この『スウィート・スウィートバック』が生まれるまでをドキュメンタリー・タッチのドラマで描いたのが、この作品『バッドアス!』なのである。監督はメルヴィン・ヴァン・ピーブルズの息子であり、『黒豹のバラード』、『パンサー』など映画監督としても活躍するマリオン・ヴァン・ピーブルズ。『スウィート・スウィートバック』が親父の監督・主演など一人舞台であったのと同様に、この作品でも息子は監督・主演(親父役)などをこなしている。
 親父の映画が一人舞台になった大きな理由は予算不足である。必然的にそうならざる得なかったのだ。その結果、息子のマリオンもその作品で役者デビューを飾っている。現場でカメラなどの機材に触れているマリオンの様子が『バッドアス!』には描かれているが、『スウィート・スウィートバック』なしではマリオン・ヴァン・ピーブルズという映画人の誕生はなかったという息子から親父へのオマージュでもあるのだ(もちろん、尊敬すべき映画人としての親父がその前にあるが)。
 『スウィート・スウィートバック』誕生までのドラマであるこの作品の中で、メルヴィンは「黒人の娯楽、黒人の勇気、ビジネス」となる作品を自分たち黒人の街を舞台に撮ろうと考える。そんな映画がメジャー系に相手にされるわけがない。そこで自らの手で資金を集め、スタッフも労働組合を介さないなど、抜け道を見つけながらの撮影だだ。山ほどの困難を乗り越えながら、作品は完成するが、上映してくれる映画館がない。なんとか2館だけでの上映が決まるが観客は全くやってこない。このまま、スクラップになるかと思った映画を救ったのが、ブラック・パンサー党の男たちだった。
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 キング牧師などの公民権運動より、より過激なイメージで捉えられがちなブラック・パンサー党だが、その活動は黒人の主張はもちろん、食事の無料提供など地域に根ざしており、そのことが大きな支持へと繋がっていた(憶えている方もいるだろうが、『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』の中でブラック・パンサー党に共感した主人公が、寄付をするシーンがあった)。時代に合致した『スウィート・スウィートバック』という作品はメルヴィンが望んでいた以上のヒットを記録する。低迷期にあったハリウッドもそうした状況を見過ごすことが出来ず、“ブラック・スプロイテーション・ムービー”の世界に足を踏み入れ、『シャフト』、『黒いジャガー』などヒット作が生み出されていく。しかし、そうした流れもあっという間に終わりを告げる(この辺りに興味があるなら、DVD化されている『バッド・アス・シネマ』というドキュメンタリー作品を観てもらいたい)。“ブラック・スプロイテーション・ムービー”の波は終わるが、黒人の持つ不満は変わっていなかった。そこを新たに汲み取ったのがスパイク・リーやこの作品の監督であるマリオン・ヴァン・ピーブルズなどだった。
 黒人映画やその時代背景に興味があるなら、見逃せない内容の作品です(『スウィート・スウィートバック』も公開されるので、合わせて観て欲しい)。娯楽映画としても存分に楽しめるので、ぜひ、劇場に足を運んでください。   

ストーリー
「黒人映画の金字塔『スウィート・スウィートバック』が生まれ、成功を収めるまで」
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 メジャー系の配給会社コロムビアで『ウォーターメロン・マン』をヒットさせていたメルヴィン・ヴァン・ピーブルズは真の黒人のための映画を撮ろうと動き始めていた。それは黒人たちの生活に根ざした勇気を与える娯楽作品であり、ビジネスとしても成功するものでなければならなかった。その企画を持ってコロムビアを訪ねるものの、当然のように結果は「NO!」。結局、彼は独立プロデューサーと手を組み、資金提供者を探し出し、作品の撮影を開始する。労働組合の抵抗を交わすために、組合に所属していないスタッフやポルノ映画の撮影という名目で始まった撮影だが、更なる信じがたい困難が降りかかることになる。そういった部分も乗り越え、『スウィート・スウィートバック』は大きな成功を収めることとなる。
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