「ひとりの少年の突然の転校の知らせは親友たちの心を揺らしていく」
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>>拡大写真 (C)2005「aozora-no-yukue」FILM VENTURER |
朝、いつものように新聞配達のバイトで自転車を走らせる高橋正樹。彼はある家の前で新聞と1通の手紙を投函し、いつものように2階にいるであろうその手紙の相手に対し、高らかとVサインを掲げ、バスケ部の練習のために体育館を目指す。バスケは高橋が中学時代に最も入れ込んできたことだ。
1学期も残り僅かのこの日、高橋がアメリカに引っ越すことが発表された。その挨拶で高橋は「ひとつだけやり残したことがあるな」と話す。その言葉が多少の波紋をクラスに広げる中、女子バスケ部のキャプテン速見、幼馴染の河原、男っぽい女の子で高橋だけが友人の鈴木、帰国子女でいつもひとりの市田、学級委員長の高橋といった女子、バスケ部の副キャプテンの杉原といった男子は神妙な面持ちだった。ほとんど皆が高橋のアメリカ行きを知らなかったからだ。そして、夏休み。彼らの15歳最後の印象深い夏が始まる。 |