ホーム ライブラリー コラム プレゼント トレイラー ショップ 掲示板 会社概要
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
公開劇場一覧を別ブラウザで開きます。 前のページに戻ります

『トゥルーへの手紙』

配給:キネティック
オフィシャルサイト:http://www.excite.co.jp/cinema/
special/alettertotrue/

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
TRUEをはじめとする
  ゴールデン・レトリバー
ダーク・ボガード
エリザベス・テーラー
ハービー・フレッチャー

ナレーション
ジュリー・クリスティ
マリアンヌ・フェイスフル
ブルース・ウェバー
監督、脚本:ブルース・ウェバー
製作総指揮:ナン・ブッシュ
編集:チャド・シップキン

2004/アメリカ/カラー、B&W/
ヴィスタサイズ/
ドルビーSR、SRD/1時間18分


イントロダクション
「写真家ブルース・ウェバーが愛犬に送ったプライベート・ムービー的作品。そこから見えてくる彼の半生、時代への絶望と希望の私信」
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
 1980年代の後半だったと思うけれど、犬やサーファーのモノクロ写真が大きくプリントされたTシャツが流行ったことがある。写真やその周囲には手書きの文字やラインなどが書き込まれていた。今でも押入れや洋服ダンスの奥をあさればある、そんな人もいるかもしれない。そのTシャツの写真を撮っていたカメラマン ブルース・ウェバーよる映画監督作品が公開される。それが『トゥルーへの手紙』だ。
 カメラマンであるブルース・ウェバーという存在は写真やファッションに興味のある方なら当然、知っていると思う。その写真、名前は有名でもブルース・ウェバーという人はあまりメディアに姿を見せないという印象が僕には強い。1946年アメリカに生まれたブルース・ウェバーは映画制作を学んだ後に、伝説の写真家ダイアン・アーバスと知り合い、写真を学び始めたという。彼の名前が世間を騒がし始めるのは1980年代にファッション・デザイナーのカルバン・クラインと組んだ広告キャンペーンだった。これにより彼は時代を代表するファッション・フォトグラファーとしての地位を獲得する。その後、元々、映画を勉強していた彼は映画監督としてもデビューを飾る。短編を中心に様々な作品を撮っているのだが、その中でも最も知られているのはジャズ・ミュージシャン チェット・ベイカーの生涯を綴った作品『レッツ・ゲット・ロスト』ではないだろうか。この作品は日本でもヒットしたし、これ以降チェット・ベイカーのアルバム『シングス〜』は音楽が好きなら持ってなければという1枚に定着した感がある(もちろん、それ以前から名盤ですが)。その時もチェットのTシャツを着ている奴がいたよなー。チェット・ベイカーはジャズ・ミュージシャンには珍しく、本当に最晩年に初来日をした。場所はパルコ劇場。このセレクトも今思えば素晴らしすぎる。まだ、10代だった僕はチケットの高さからその公演を断念(今のコンサートチケットの価格を考えれば、安いはずなんだけど)。その時のライブは音源化されていたはず。確かもう一度来て、あっちに行ってしまった。
 『レッツ・ゲット・ロスト』という作品が自らのアイドルでもあるチェット・ベイカーへの個人的な想い(彼の死は予期せぬ出来事だったのだ)を込めた作品だとしたら、この作品『トゥルーへの手紙』は自らの残された人生への想いを綴った作品だろう。“トゥルー”とは彼が飼っている犬(レットリバー)の1匹である。最も若い、子供の犬に対して彼は映像という手段を使用して、個人的な想いを書き綴っていく。それがこの作品である。
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
 映画館に置かれたチラシや貼られたポスターの写真から「犬の映画だ。かわいい。」などという期待を抱かれている方もいると思うが、そうした部分は多少裏切られる作品かもしれない。 ブルース・ウェバーという写真家が“残された人生への個人的な思いを書き綴っていく作品”だということを僕は書いたが、それがチラシやポスターの映像との差異に繋がっている。作品はタイトル通りにブルース・ウェバーが愛する犬のトゥルーに向けて書かれる手紙というスタイルとなっている。その内容はブルース・ウェバーの半生とも言うべきものである。決して若くはないが、先がない程、歳を重ねているわけでもない彼がこうした手紙を書かざる得ない理由は、あの9.11にある。彼の中ではあの事件を契機にこの世の中の見方、捉え方、感じ方が完璧に変わってしまったのだ。だから、この作品は彼自身によるプライベート・ムービーの感も強い。でも、だからこそ、その訴えがこちら側に染み込んでくる。
 この作品を撮った理由について、ブルース・ウェバーは「ずっとつけていた日記の中のひとつを映画化しようと考えていた」、「愛犬にいつだって受け取ることが素晴らしいのに、今では廃れつつある手紙を書きたかった」、「希望を持って、ポジティブな姿勢で前進できるような映画を撮りたかった」と語っている。これらの言葉の裏には「9月11日の出来事を忘れてほしくなかった」という願いも込められている。
 作品は「ベッドで悶々としながらマーヴィン・ゲイのことを思った。平和はどこへいったのだろうか」という印象的な言葉とマーヴィン・ゲイの音楽で始まる。そこからトゥルーをはじめとする愛犬たちに向けた視線の映像を交えながら、ブルース・ウェバーが過ごしてきた半生、積極的に係わり、影響を受けてきた時代というものが手紙の朗読という形で綴られ始める。彼にとってアイドルだったダーク・ボガード、エリザベス・テイラーとの思い出、自らが写真に大きな関心を持つきっかけになった写真家ラリー・バローズとベトナム戦争のこと、伝説的なサーファーたち、マーティン・ルーサー・キング、ジョナサン・デミが撮ったドキュメンタリー作品から何とかしようと行動したハイチ難民に関することなどが、犬と人間の関係を描いたドラマ、映画、時代のアーカイブ、彼の愛する犬たちの映像などを交えながら、綴られていく。バックに流れるのは50年代を中心としたジャズやポピュラー・ミュージックの数々。アメリカが最もアメリカらしかった時代の音楽、ブルース・ウェバーが語る最悪でも希望があった時代の出来事や行動は作品にメランコリックな、アメリカ的なムードを持ち込んでいる。だからこそ、打つ手なしかもしれないこの時代の状況が浮かび上がってくる。でも、裏返してみれば、核戦争の危機などそうした状況すらも変えてきたのが世界の、僕たちの歴史でもあるわけだ。この状況を変えるのも僕たちでしかないのだ。ファッション・フォトグラファーとして知られるブルース・ウェバーが世界の注いできた個人的な視点はそういうことを訴え続ける。もしかしたら、あのメランコリックなムードの世界を築けるのかもしれないと・・・・。
 犬の映画、楽天的な映画を期待したら、肩透かしになるかもしれないが、間違いなく自分にとっての時代というものを考えさせられる、素晴らしいプライベート・ムービーだ。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「自分が愛した愛犬、この世界に向けて、ブルース・ウェバーは手紙を綴り始める」
写真をクリックすると拡大写真が表示されます
>>拡大写真  
 ブルース・ウェバー。ファッション・フォトグラファーとして著名な彼は犬をこよなく愛する人物としても知られている。彼は自分の愛犬たちを被写体として撮り、その写真を発表し続けている。そんな彼が自分が愛する犬たちに向かって、自分が生きた来た半生と時代への想いをこめた手紙を綴り、語り始める。それはあの9.11以降、変わってしまって世界へ向けてのブルース・ウェバー自身の希望でもあった。
movilog
ピックアップムービー
サーチ
DVD比較はベストプライス


リンク
メールマガジン登録
神雕侠侶オフィシャルウェブサイト
ベクター・メディカルテック・ジャパン
*giggle
本サイトをご覧になりるにはFlashPlayerが必要です。 IE5.0以上推奨 画面サイズ推奨800×600以上 お問い合わせ先