「かっての栄光にすがる男たちとウエスタン村。時代の波はこの施設にもやって来る」
かっての栄光も今はどこへやら・・・・、数々の“マカロニ・ウエスタン”の作品、ハリウッドの大作を生み出してきたスペイン南部のアルメリア地方の映画の賑わいもすでに過去の話となっていた。ここにあるスタジオの跡地ウエスタン村では連日、当時の作品でスタントマンを務めた面々によるウエスタン・ショーが開催されていた。でも、訪れる観光客も少なく、その存在価値さえ風前の灯だった。
その年寄りスタントマンたちのリーダー的存在であるフリアンはクリント・イーストウッドなどのスタントをしていたのが自慢の男。だが、スタントの際に息子を亡くしてしまったという傷を抱えている。息子の妻、孫とも音信不通だ。
ある日、その孫と称する少年カルロスがフリアンを訪ねてくる。最初は煙たがったフリアンだが、徐々にカルロスへの愛情を強めていく。そんな中、このウエスタン村に買収の話が持ち上がった。その担当者はフリアンに恨みを持つカルロスの母親だった。買収を阻止するためにフリアンは自らの命と銃を手に立ち上がった。 |