「なんか、そんな気分やね。」
なにげない「日常」に着眼する。作り手たちの「小さきもの」に対する温かいまなざしがそのままフィルムに焼き付けられている。 共通の友人をなくしたトオルとナオ。主演の村上淳は、ファッションモデルとして、ストリートキッズのあこがれの的となり『trancemission』『ナヴィの恋』などの話題作に出演。相手役の劇団維新派の赤松美佐紀は映画初出演となる。 監督・脚本は、91年に熊井啓監督の『ひかりごけ』で照明助手として参加して以来、青山真治監督の『helpless』『シェディー・グローヴ』、諏訪敦彦監督の『M/OTHER』などで照明助手、河瀬直美監督の『萌の朱雀』で演出助手を経験。さまざまな形で映画製作に携わってきた。本作は監督の出身地大阪で低予算、短期間で撮影されたが、日本のインディーズ映画を代表するそうそうたるスタッフが参加している。 主題歌を歌うフィッシュマンズのヴォーカル佐藤伸治は99年3月に、くしくも永眠。心地よい浮遊感で包み込む彼らの『ナイトクルージング』(95年)に思いひとしお。
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