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『山猫』
IL GATTOPARDO
配給:クレストインターナショナル
オフィシャルサイト:
http://www.crest-inter.co.jp/yamaneko/


キャスト スタッフ データ
バート・ランカスター
アラン・ドロン
クラウディア・カルディナーレ
パオロ・ストッパ
リーナ・モレッリ
ロモーロ・ヴァッリ
セルジュ・レジアニ
イーヴォ・ガッラーニ
レスリー・フレンチ
マリオ・ジロッティ
監督、脚本:
  ルキーノ・ヴィスコンティ
製作:ゴッフレード・ロンバルド
脚色:
スーゾ・チェッキ・ダミーコ
エンリコ・メディオーリ
パスクヮーレ・フェスタカンパニーレ
マッシモ・フランチョーザ
撮影、復元監修:ジュゼッペ・ロトゥンノ
編集:マリオ・セランドレイ
美術:マリオ・ガルブリア
衣装:ピエロ・トージ
音楽:ニーノ・ロータ
※第16回カンヌ映画祭パルム・ドール〈グランプリ〉受賞

1963年/イタリア・フランス/カラー/シネマスコープ/モノラル/3時間7分(復元謝辞含む)

イントロダクション
「40年の時を経て、ルキーノ・ヴィスコンティの代表作が完全なる形でついに日本劇場初公開」
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 好評のうちに上映を終えた「ヴィスコンティ映画祭」。ルキノ・ヴィスコンティ監督の遺した作品のうち、長編19本、長編オムニバスとして製作された中の彼の監督作3本、短編ドキュメンタリー1本、共同監督作品1本というほぼコンプリートに近い作品が公開されたこの映画祭ではローマにある国立映画学校兼映画保存期間であるチネテーカ・ナツィオナーレにより復元された貴重なプリント作品の数々が上映された。この映画祭において主催者による開会式後に唯一1回だけの上映が行われた作品が、今回紹介する作品『山猫』である。
 この『山猫』は第16回カンヌ国際映画祭においてパルム・ドール〈グランプリ〉を受賞したヴィスコンティ監督の最高傑作のひとつといわれる作品である。作品は、シチリアの貴族 ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサが死の直前に完成させた唯一の長編小説を原作としている。この小説は、統一戦争に揺れるイタリア、そのシチリアを統治してきた貴族の栄華と悲哀、時代の流れを描き、国内ではベストセラーとなった小説である(皮肉なことに生前は出版を断られ続け、死後に出版された作品だという)。自らも名門貴族の末裔であるヴィスコンティがこの滅びゆく貴族というテーマにひきこまれたのは必然だったのだろう。そしてこの作品以降、ヴィスコンティ監督は自らのルーツである貴族的な階級社会を描くことに力を注いでいくことになる。
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 実はこの作品『山猫』にはいくつかのヴァージョンが存在する。日本公開の場合を例に挙げると、初公開された1964年はこちらも名匠シドニー・ポラック監修による“英語国際版”として公開されている。これはバート・ランカスター以外の声は全て吹き替えられ、時間も短縮されたバージョンだった。1985年には待望の“イタリア語・オリジナル完全版”(こちらはバート・ランカスターとアラン・ドロンの声が吹き替え)が公開されている。これはプリントの状態が悪く、色彩という点で見れば、“英語国際版”より劣ったものだった。1990年にはこのふたつのバージョンが同時公開され、物語では“イタリア語・オリジナル完全版”、色彩では“英語国際版”という認識が確認されたという。そして、今回公開されるヴァージョンは“イタリア語・完全復元版”と名づけられている。これはこの作品の撮影監督でもあるジュゼッペ・ロトゥンノの監修により最新技術を用いて、当時のフィルムを再現するという復元作業であった。これにより『山猫』といえば、“イタリア語・完全復元版”のことであり、色彩の“英語国際版”、物語の“イタリア語・オリジナル完全版”などという区分けは必要なくなったのだ。そういった点では、やっとイタリアで初公開された時の限りなくオリジナルな、カンヌでパルム・ドールを受賞した『山猫』をこの日本でも観られることができるようになったということだ。“英語国際版”が初公開されてから40年という時間を経ての実現である。
 出演はバート・ランカスター、アラン・ドロン、クラウディア・カルディナーレ、リーナ・モレッリ、パオロ・ストッパ、ロモーロ・ヴァッリなど錚々たる面々。音楽はニーノ・ロータが担当している。
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 撮影に際し、当時の空気を再現しようとしたヴィスコンティは、ランペドゥーサの小説世界が実際よりは美化されていることを確認したという。しかし、シチリアに生きた貴族であるランペドゥーサの精神を継承しようと考えたヴィスコンティは当時の実際の空気ではなく、小説の世界の再現を優先し、ランペドゥーサの受け継いだ邸宅を可能な限り修復し、小道具は実際に当時使用されていたものを自分の名前を保険に借り集めるなど衣装から美術にいたるまでこれ以上もないほどディテールにこだわり続けた。そのこだわりが最大限凝縮されたシーンが終盤の大舞踏会のシーンだろう(“英語国際版”ではここのシーンが大幅にカットされた)。今、この撮影ができるのだろうかと感じざる得ないこのシーンは「舞踏会の招待客には本物の貴族、ランペドゥーサの小説の描かれた人々の子孫を登場させたい」というヴィスコンティの意図の下に集められた貴族たちが演じている。この壮大なシーン、ヴィスコンティは撮影に影響が出るのを嫌い、真夏なのに冷房を切ってしまうことすらあったという(汗は本物なのだ)。そういった圧倒的な美へのこだわりとともに、この物語に描かれる貴族の没落、時代は変わるということを冷静に受け止めるひとりの公爵の生き方はどんな時代に観ようが胸に突き刺さってくる何かを残してくれるはずだ。時代は変化したが、そういった部分とは変わらずに生活を続ける従来の貴族たち、新たな時代を担おうとする若者たち、そういった状況を冷静に受け止める公爵、ここに登場する人物たちの生き方は、時代が大きく変化しているとされる今にも合致する部分がある。そういった時代を超えた深みを持つ作品がこの『山猫』であり、貴族の末裔であるヴィスコンティだからこそ描けた世界なのだろう(だから、こういった部分を再現、表現できる映画監督は今では皆無なのだ)。その美しさと深みをぜひ、劇場で味わってください。   

ストーリー
「統一戦争に揺れるイタリア。そしてシチリアを統治するサリーナ公爵の生き様」
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  1860年のイタリアは統一戦争に揺れるていた。その年の5月腐敗した貴族支配からの開放を叫ぶガリバルディ率いる赤シャツ隊はシチリア島にも迫っていた。シチリア島を何十代にも渡って統治してきたサリーナ公爵家にもその報は届いていた。家族はおびえ、友人は脱出を勧め、彼が自分の息子以上に才能があると感じ、目をかけていた甥のタングレイも彼の所に「赤シャツ隊に入隊する」と報告にやってきた。時代は確実に動き始めていたが、サリーナ公爵はそのことを受け入れ、見届けようとしていた。
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