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『ウィスキー』

配給:ビターズ・エンド
オフィシャルサイト:http://www.bitters.co.jp/whisky/

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
アンドレス・パソス
ミレージャ・パスクアル
ホルヘ・ボラーニ
アナ・カッツ
ダニエル・エンドレール
監督、脚本:
  ファン・パブロ・レベジャー
  パブロ・ストール
製作、編集:
  フェルナンド・エプステイン
脚本、美術:
  ゴンサロ・デルガド・ガリアーナ
撮影監督:
  バルバラ・アルバレス
音楽:
  ペケーニャ・オルケスタ・レインシデンテス
*2004年東京国際映画祭
  グランプリ、主演女優賞 受賞
*2004年カンヌ国際映画祭
  オリジナル視点賞、
  国際批評家連盟賞 受賞


2004/ウルグアイ、アルゼンチン、
ドイツ、スペイン/カラー/1:1.85/
ドルビーSRD/1時間34分

イントロダクション
「南米の小国ウルグアイから登場した坦々としながらも笑いと苦味で心を打つ大人のヒューマン・ドラマ」
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  『シティ・オブ・ゴッド』というブラジル映画の公開から始まったであろう南米映画への注目は『ある日、突然。』、『火星人メルカーノ』というアルゼンチン映画、『ハッスル!』というチリ映画など確実にその枠を広げてきている。そして、南米の小国ウルグアイから素晴らしい作品が公開されることになった。それが今回紹介する『ウィスキー』である。
  まず、ウルグアイという国に関して何が思い浮かぶだろうか。南米の東海岸沿いに位置するこの国は北はブラジル、南はアルゼンチンに国境を接している。正式国名はウルグアイ東方共和国といい、首都はモンテビデオ。南米の多くの国と同様に侵略、軍事政権による独裁政治など様々な政治的な変遷を経てきている。特産品として有名なのは日本にも入ってきているワインではないだろうか。個人的にはブラジル音楽との係わりも深いウーゴ・ファトルーソやルベン・ラダという素晴らしいミュージシャンを思い出すのだが、こういった南米映画の注目のされ方もなんとなく音楽と連動している気がするのは気のせいだろうか(最近は南米文学の盛り上がりがないのは残念だが)。
  そんなウルグアイの映画事情はとても厳しく、誕生から1世紀以上がたった映画史の中で製作された長編映画は僅か60本ほど。しかも2002年までは映画産業自体がないも同然だった。ただ、映画館は娯楽として定着しており、休日になると多くの人々が映画館に詰め掛けるという(もちろん、そこで上映される作品はウルグアイ映画ではなく、ハリウッド映画がほとんどなのだが)。ウルグアイ映画の波が少しずつ変わり始めたのは、今回紹介する作品『ウィスキー』の監督のデビュー作『25ワッツ』(2001)が世界的な評価を獲得したことがきっかけだった。それ以降、年に数本ながらもウルグアイの国産映画が製作され続けている。
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  先にも書いたようにウルグアイ映画に風穴を開けたデビュー作である『25ワッツ』で受賞、絶賛を浴びてきたファン・パブロ・レベージャとパブロ・ストールというふたりの監督による長編第二作目『ウィスキー』、この作品も2004年東京国際映画祭グランプリ、同年カンヌ国際映画祭オリジナル視点賞、国際批評家連盟賞を受賞し、多くの批評家などに絶賛を浴びてきている。そして、広く海外に紹介される初めてのウルグアイ映画となるこの作品でウルグアイ映画とこのふたりの若き映画監督がより大きな注目を浴びることは確実だ。
  ウルグアイの町で長年、小さな靴下工場を営んできた人生も後半戦に差し掛かった男とそこでずっと男の片腕として働いてきた中年の女性。何の変哲もない靴下工場での日々、でもその平穏で退屈な日々は男の弟の久々の帰国の報で変化し始める。それは男が女に弟の前では自分の妻のフリをして欲しいと頼んだからだった。数日の予行演習を重ね、男の弟の帰国の日がやって来るのだが、という物語のこの作品、タイトルの『ウィスキー』は別に主人公が飲んだくれというわけではなく、写真を撮影するときの決め言葉で、日本なら「チーズ!」にあたるもの。主人公の靴下工場の経営者が笑みを漏らすのはこの写真撮影の瞬間だけなのだが、この『ウィスキー』というタイトルの意味に関して、監督は「いつわりの感情、真実を前に下嘘、“つくり笑い”。小さな嘘を重ねるうちに、登場人物たちは互いの絆を強めていく。そんな物語にしたかったので、『ウィスキー』というタイトルをつけた。僕たちが興味を持ったのは、表面的な儀礼や決まり文句、彼らが言ったことや隠していたことを探ることだ。」と語っている。
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  平穏、退屈に繰り返す日常が、ブラジルで同じく靴下工場を営む弟の帰国が決定してから変わっていく展開がとにかくコチョコチョとくすぐられるかのように可笑しく、同時に切なさを感じさせる。要は偽装夫婦なのだが、その状況に対して湧き出るような喜びを多少なりともあらわにする女性といつもと変わらぬ経営者。ブラジルから帰国した弟は喋り倒すほど饒舌で、ユーモアもガンガンと飛び出す性格。事業もその性格だから拡大路線まっしぐらで新しいものを積極的に取り入れ、地道に同じようなデザインを作り続ける兄とは全く正反対。この3人が出会い、一緒にひと時を過ごす中で女性は雇い主(兄)への想いをなんとか行動で伝えようとし、逆に行動的な弟は彼女にちょっかいを出し始める。そうした一見楽しい旅行の最中にも浮かび上がってくるのは3人の孤独、不器用さだったり、兄弟の溝だったり、おばさんも女だということだったりというそれぞれの抱える心理や想いである。そういった部分を楽にこなせる人間もいるけれども、ほとんどの人は楽にこなせない。「ウィスキー!」と微笑むように素直にいけたら、どれだけ楽だろうかと何度思っただろうか(主人公たちは思っているだろうか)。だからこそ、この作品の主人公に対して僕なんかは様々な想いを抱いてしまうのだ(主人公の叔父さんとおばさんの関係も日本の小さな会社や事業所にはありえそうだし、実際にあるんじゃないかな)。しゃべらない、表情がない、坦々としているなどアキ・カウリスマキ監督が引き合いに出される作品だが、実際、彼の作品が好きな人は気に入るのではないだろうか。そして、年齢が上の人ほど、この苦味を感じることが出来るのではないだろうか。大きな動きはなくとも、どこかを鷲づかみにされるような大人のヒューマンドラマ『ウィスキー』、ぜひ、劇場に足を運んでください。   

ストーリー
「工場主とその片腕として働く女性。中年を超えた彼らは夫婦を演じることになるのだが」
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  ウルグアイの小さな町でハコボは小さな靴下工場を経営している。毎朝、同じ時刻に工場へ行き、シャッターを開け、工場を稼動させるハコボ。彼と一緒に働くのはマネージャー的な存在の中年女性マルタとふたりの女性だ。マルタはふたりの女性に指示などを出してくれるので、ハコボは納品や工場の経営を考えるだけで済んでいる。
 ハコボは最近、母親を亡くしていた。ずっと看病をし続けた最愛の母親だった。その納骨のために、疎遠になっていた弟がブラジルからやってくるという連絡をよこした。その日のために、ハコボはマルタに大切なお願いをする。それは弟のいる間だけ、妻を演じて欲しいということであった。
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