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『わが家の犬は世界一』

配給:ザジフィルムズ
オフィシャルサイト:
http://www.zaziefilms.com/wagayano-inu/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
グォ・ヨウ
ディン・ジャーリー
リー・ビン
リー・キンキン
シア・ユイ
監督、脚本:ルー・シュエチャン
製作:ワン・チョンジン
撮影:チャン・シーグイ
編集:コン・ジンレイ
美術:リュイ・ドン
音楽:シャン・ミン
2002/中国/カラー/
1.85ビスタサイズ/ドルビーSR/
1時間40分

イントロダクション
「現代の中国の都市生活者の一端がうかがえる、政府へのやんわりとした批判にも満ちた飼い犬を巡るヒューマン・ドラマ」
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  アジア映画の中で中国映画のイメージを考えてみると郷愁を誘ったり、純真さだったりと胸を打つ感動というテーストという方向に収束されていく気がする。これは『山の郵便配達』という2001年に公開され、大ヒットした作品以降に公開されていった中国映画(ちょっとしたブームだった)に追う部分が多いのだろう。ただ、これはそういった傾向の作品の公開が相次いだというだけのことで、毎年開催される“中国映画の全貌”といったイベントでは様々なタイプの作品が上映されている。今回紹介する『わが家の犬は世界一』は現代の中国人の生活の一端を捉えたとして、ベルリン国際映画祭などで大きな話題となった飼い犬を巡るヒューマン・ドラマである。
  文化大革命の下、農村での過酷な生活などが描かれるイメージが強い中国映画だが、実際の街に暮らす人々の生活は核家族、決して広くないアパートメントなど僕たちと大差のない先行きが少し不安なささやな生活であるし、街自体も都市再開発などにより大きく変革している(例えば、オリンピック開催を契機に北京はさらに大きく変わるはずだ)。当然、情報の伝達や流行などの格差も埋められてきている。そこにあるのは先進国といわれる国が歩んできた道筋である。この作品『わが家の犬は世界一』の主人公一家の家族構成は工場に働く父親、リストラされた母親、高校生の息子、そしてペットの犬という3人+1匹の核家族である。小さなアパートメントで、少ない稼ぎの中でやりくりする彼らの生活。そこに持ち上がる思わぬトラブルとそれに対処するために奔走する庶民的家族の1日をこの作品はオフビート感覚と政府へのやんわりとした批判的な態度(これも庶民的だ)に包み、描いていく。
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  タイトルからも分かるように、物語のキーワードとなるのは彼らが飼っている犬である。都市部では衛生上の理由で飼うことを禁止されていたペットとしての犬だが、改革開放政策以降、その方向も開放へと向かっていく。しかし、再び持ち上がった衛生上の理由により、飼うための登録が義務付けられる。しかも、その登録料が一般的な月収の数か月分に匹敵するほどの高額であるため、登録をせずに飼う人も増えていた(これは後に大幅に減額される)。そういった犬を捕獲、処分するために当局も積極的に動いている。主人公の家族の犬はもちろん登録はしておらず(そんな余裕はない)、ある時、捕獲されたしまう。処分までの時間は半日。そこからの家族の奮闘と結束をこの作品は描いているのだ。
  監督は60年代から70年代生まれの監督を示す“第6世代”のルー・シュエチャン(1964年生まれ)。この作品が3作目の長編作品である。前2作は日本未公開ではあるが学生時代を送った80年代の若者の生態を描いた作品であり、特に2作目は金鶏賞最優秀監督特別賞、第4回大学生電影節最優秀監督賞、最優秀新人賞、上海映画評論家が選ぶ10本に選ばれるなど高い評価を獲得している。
  出演は『活きる』でカンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞した中国映画界を代表する男優グォ・ヨウ、『過ぎにし年・迎えし年』で金鶏賞最優秀助演女優賞を受賞している演技派女優ディン・ジャーリー、『太陽の少年』でヴェネチア国際映画祭主演男優賞を最年少で受賞したシア・ユイなど。製作総指揮を中国映画界随一のヒットメーカーであるフォン・シャオガンが担当している。
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  この作品『わが家の犬は世界一』は物語を楽しむという映画本来の楽しみ方と中国の都市部に暮らす人々の生活を垣間見るという興味深さを併せ持った作品である。物語の時代は1995年位の北京。アパートメントに暮らす3人家族。暮らしているところはキレイとはいえないが、決して汚くもない日本でいったら一昔前の公団住宅的なアパートメント。そこの近くには公園があって、そこにはご自慢のペットを連れて、着飾ったり、普段着だったりという飼い主が集ってくる。高校生の息子はジーンズをルーズに履き、オーバーサイズのシャツを羽織っている。壁にはサッカー選手のポスター、ラジオからはロックが流れている。そんな子供に親は苦言を呈する。給料日にお父さんは愛犬のために少ない小遣いの中から洋服を買ってくる。お母さんは少ない稼ぎの中からの家計のやりくりに四苦八苦している。何にも変わらない都市の小市民的生活がそこにはある。古いものを取り壊しているからだろう街中には再開発前の空き地が目立ち、その傍らに行商が出ていたりする。これは消え行く光景、発展途上の都市の象徴だ。そんな中に見えぬ形で強圧的な態度を表しているのが政府だ。この作品で政府は愛する犬さえ飼えない状況に家族を追い込んでいる(犬を飼うのさえ、命がけだ)。犬がいなくなり、家族の中には思ってもいなかった気持ちが動き始める。犬を救うためにそれぞれが様々なコネを利用しようと走り回る。それが新たなトラブルを生み出し、家族に危機感らしきものが生じたりする。この辺の些細な動揺の広がりの描き方がうまいなと感じる。そして、ここには強圧的な政府へのやんわりとした批判が散りばめられている。僕自身が最も印象に残るのはそういった政府への声高には言えない批判精神だ。何とか犬を助けようと走り回るお父さんや子供。その走り回る姿にすらそうした批判が散りばめられているように感じられる。そして、その姿、変わらない気持ちにちょっと胸を打たれるのだ。現代を描いた日本では珍しいタイプの中国映画、ぜひ、劇場に足を運んでください。   

ストーリー
「わが家の犬を取戻すために奮闘する家族、そこから生まれるトラブル。果たして、犬は取戻せるのか」
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  物語の舞台は北京。ここのアパートメントに暮らすラオの一家は、妻のユイラン、高校生の息子のリアン、そして愛犬カーラの3人+1匹である。ある夜遅く、ユイランはカーラの散歩に出かける。エレベーターも犬禁止になったため、階段を歩いて降りての散歩だ。夜遅くの散歩には訳がある。それはユイランは犬を飼うための許可証を持っていないからだ。その許可証はあまりにも高価すぎて、ラオ一家には払えないのだ。散歩に向かう公園にはそういった人がたくさんやってきていたが、警察もそんな彼らを待ち構えていたかのようにやって来て、許可証のない飼い犬を捕まえて行ってしまう。この夜、捕まった犬にはカーラもいた。カーラを取戻すためには高額な登録料が必要だった。しかも期限は明日の夕方まで。家族それぞれはカーラを救おうとコネを探し、走りまくるのだが・・・・。
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