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『トニー滝谷』

配給:東京テアトル
オフィシャルサイト:http://www.tonytakitani.com/

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
イッセー尾形
宮沢りえ
篠原孝文
四方堂亘
谷田川さほ
小山田サユリ
山本浩司
木野花
監督、脚本:市川準
プロデューサー:石田基紀
撮影:広川泰士
編集:三條知生
美術:市田喜一
音楽:坂本龍一
ナレーション:西島秀俊
※第57回 ロカルノ国際映画祭 審査員特別賞、国際批評家連盟賞、ヤング審査員賞 受賞

2004/日本/35o/カラー/1時間15分

イントロダクション
「村上春樹の小説世界を市川準監督がオリジナルなタッチで映像化した静謐さが胸を打つ作品」
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 昨年(2004)末に発表した長編『アフターダーク』も大きな話題を呼んだ作家 村上春樹。世界各国でも翻訳版が出版されている日本を代表する現代小説家ともいうべき彼(もう55歳なんだけどね)の映画化作品というのは思っている以上に少ない。大森一樹監督によるデビュー作の映画化『風の歌を聴け』、山川直人監督による『パン屋襲撃』、『100%の女の子』という短編映画2作、『森の向こう側』という作品の合計4作のみである。いずれも1980年代の映画化である。村上春樹の作品が映画化されない大きな理由には、村上春樹自身が映像化を許可しないということが言われているが、彼の小説のファンならその間合いを映像化することの困難もあるのではないだろうかと考えるだろう。そんな彼の作品が本当に久々に映画化された。それが今回紹介する作品『トニー滝谷』である。
 『トニー滝谷』は村上春樹が1990年に発表した短編小説のひとつ(作品自体は短編集「レキシントンの幽霊」に所有されている)。世間的には常に長編小説の発表が大きな話題となる村上春樹だが、長編小説以上に彼の短編小説の持つ味わいに魅了されているファンは多いと思う。そんな方々にはこの「トニー滝谷」という短編の印象はきっと、どこかの片隅にでも残っているのではないだろうか。村上春樹自身の説明によれば、この短編小説の発端となったのは、彼がハワイのマウイ島で買った古着のTシャツの“TONY TAKITANI”というプリントだったという。そのプリントの意味も理由も分からないが、それが気になって仕方なかった彼はそこからひとつの短編小説を生み出した(Tシャツのデザインにこだわる人は多いかもしれないが、プリントの意味にこだわる人は意外と少ないような気がする。でも、Tシャツはメッセージなのだ。だから、この“TONY TAKITANI”のプリントにも何らかの意味合いがあると村上春樹は考えたのだろう)。
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 そんな彼の生み出す小説世界に共感を持ち続けていた同世代の人物が、この作品の監督と脚本を担当している市川準である。カンヌ国際映画祭で金賞を受賞するなどコマーシャル・フィルムの世界で大いに活躍し、その後『BU・SU』で映画監督としてデビュー、『会社物語』、『つぐみ』、『病院で死ぬということ』、『東京マリーゴールド』など独自の映像で数々の佳作、良作を生み出してきた市川監督の世界に魅了されている方も多いだろう。村上春樹よりはひとつ年上の市川監督は村上春樹について「同世代としての共感から、村上春樹氏の小説はデビュー以来ずっと注目し、読み続けてきました。彼の文学から感じられる、乾いた「損失感」や「孤独感」は、60年代後半の、熱い祭りのような社会全体の興奮と、その確実な終わりを体験した、我々の世代に特徴的な感受性によるものだと思います」と語っている。市川監督は「トニー滝谷」にもそういった部分を感じ取っていたのだが、実際に映画化へ取り掛かると小説の人物たちから「表情」が読み取れず困難を感じたという。そこから、従来の自分の映画のように現実の具体的な世界を舞台に描くのではなく、小説に流れている透明感や温度の低さを描くように考え始めたという。その結果「これまでの自分の映画に全く似ていないどころか、不思議な感触の映画になったような気がする」と市川監督は語っている。
 主演は、独自の笑いの世界を描いたひとり芝居で人気の俳優 イッセー尾形と、日本アカデミー賞主演女優賞、モスクワ国際映画祭で最優秀女優賞を獲得するなどここ数年で女優としての魅力を開花させている宮沢りえのふたり。ふたりとも二役を演じている。作品の中で大きな役割を担っているナレーションは西島秀俊、音楽は坂本龍一、撮影はフォトグラファーとして大きな評価を獲得している広川泰士が担当している。
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 市川監督自身がこれまでの自分の映画に似ていない不思議な感触と語るこの作品『トニー滝谷』の印象は限りなく“ミニマム”であり、小説的であるということだ。物語は西島秀俊の語りに乗りながら展開していく。西島秀俊の語りはその時の状況であり、登場人物の胸のうちの声でもある。西島秀俊が語り、イッセー尾形や宮沢りえがそのシーンを動き、西島秀俊が語り、場面が新たなシーンへとスライドしていく。それは小説、読書をする楽しみを描いたかのようでもある。そして、そのシーンを構成するセット、映像、音楽は限りなく無駄なものを排したかのような空間に満ちている(画面に関して、市川監督はエドワード・ホッパーを引き合いに出している)。舞台を正面から見据えたかのような構成、その隙間に心を打たれ、「こういう表現方法があったのか」と僕自身は正直、驚いてしまった。そして、この作品は確かに市川監督の従来の作品とは似ていないかもしれないが、この“ミニマム”さに市川監督ならではの世界を感じざる得なかった(個人的には間違いなく彼の代表作のひとつとなると確信している)。村上春樹のファンはもちろん、市川監督のファンも間違いなく満足するであろう静謐な愛しさと切なさに溢れた作品『トニー滝谷』、ぜひ、劇場に足を運んでその世界を味わってください。   

ストーリー
「トニー滝谷という孤独な男の恋」
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  トニー滝谷は売れっ子のイラストレータとして日々、坦々と仕事をこなし続けている。彼は戦後すぐにトロンボーン吹きの父親の息子として生まれた。母親は彼が生まれてすぐに亡くなった。孤独な幼少期を送った彼は今でも孤独である。でも、それを孤独だとは感じたことはほとんどなかった。ある日、彼のイラストの出来上がりを待つ編集者のひとりにA子がいた。彼は初めて女性への恋心を抱き始める。
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