「コン・リー初の本格的大人の恋愛映画。」
数々の映画賞を受賞し、日本ではロングラン・ヒットを記録した作品『きれいなおかあさん』。その作品の監督であるスン・チョウと主演のコン・リーが再びタッグを組んだ作品として大きな話題となっている作品が、この『たまゆらの女(ひと)』である。
ずっと恋愛映画を撮りたいと思っていたスン監督は、ある時、ペイ・チュンという作家が書いた「チョウユウの夏」という短編小説に出会う。現代の中国作家を代表するひとりである彼の作品のシチュエーションに魅了された監督は、これまでに一度も純然たる恋愛映画に出演したことのないコン・リーを主役にして、この作品の映画化に取りかかる。一方、コン・リーにとってもスン監督作品への出演は心待ちにしていた機会であった。それはスン監督との撮影が楽しかったことや、女性について理解力があり、役者の可能性を発掘して、伸ばしてくれる監督であったからだ。そんなコン・リー演技からスン監督は、新たなイメージの広がり、刺激を受け、脚本に新たなシーンなどを書き加えていく撮影の日々だったという。スン監督の役者を伸ばす才能とそれに応えたコン・リーが見事にはまった作品がこの作品なのである。ちなみに、コン・リーは二役をこなしている。
共演は『愛人/ラマン』などの香港を代表する俳優 レオン・カーウェイ、『初恋の来た道』のスン・ホイ。スタッフにも撮影のワン・ユー(『ふたりの人魚』)、編集のウィリアム・チャン(『花様年華』)をはじめ第一線で活躍する才能が集結している。
才能はあるが、その才能を認められない気弱な詩人の男。その詩人の男を愛し、詩人の住む土地まで10時間もかけて列車で通いつめる女。その列車の中で、女と知り合った無骨な獣医の男。あの町とこの町を結ぶ列車のように、あの男とこの男を行き来する女の気持ちの揺らぎを語っていく作品『たまゆらの女(ひと)』。コン・リーの美しさ、演技はもちろん、“たまゆら”という言葉にマッチしたような映像がものすごく美しい作品です。ぜひ、劇場でご覧下さい。 |