『スィート・シックスティーン』
Sweet Sixteen
2002年/イギリス・ドイツ・スペイン/106分/カラー/1:1.85/ドルビーSRD
配給:
シネカノン
オフィシャルサイト:
http://www.cqn.co.jp/sweetsixteen/
マーティン・コムストン
ウィリアム・ルアン
アンマリー・フルトン
ミッシェル・アバークロンビー
ミッシェル・クルター
ガリー・マコーマック
トミー・マッキー
カラム・マッカリーズ
監督:ケン・ローチ
製作:レベッカ・オブライエン
脚本:ポール・ラヴァティ
撮影:バリー・エイクロイド
美術:マーティン・ジョンソン
音楽:ジョージ・フェントン
衣装:キャロル・K・ミラー
※2002年カンヌ国際映画祭最優秀脚本賞受賞
世界中のあらゆるジャンルにわたる多くのクリエーターがリスペクトするイギリスの至宝ケン・ローチ監督。その話題の長編最新作。本作は2002年第55回カンヌ国際映画祭で見事に脚本賞を受賞している。そして本作はケン・ローチの集大成とも言える作品だ。舞台はローチのほとんどの作品がそうであるように、イギリスの労働者階級の人達が住む小さな町。主人公は『ケス』と同い年の15歳の少年。親子の関係は幼児虐待と福祉局の問題を描いた『レディバード・レディバード』に、ドラッグの問題はアルコール依存症の問題を描いた『マイ・ネーム・イズ・ジョー』につながる。そして全ての作品に共通するのは、社会に対する批評性と人間を見つめる厳しくも優しいまなざしである。今回は『ケス』以来の少年が主人公の青春物語だが、ローチの描く青春が甘酸っぱいだけのものであるはずもない。物語の背景には、ドラッグや経済、家族の問題などが複雑に絡み合いながら横たわっているが、母親の愛情を受けずに育った15歳の少年リアムが、自分が夢見る暖かい家族の形に未来への希望を見出し、知恵と勇気を持って人生を切り開いて行く姿は、観る者全ての胸に突き刺さるような切ない感動を残すだろう。主人公のリアムには2ヶ月をかけて行ったオーディションの結果、プロ・サッカー選手のマーティン・コムストンが選ばれ、純粋さとしたたかさを併せ持ち、様々な表情を見せる難役を演じ切った。
リアム(マーティン・コムストン)は天体観測とサッカーが大好きな15歳。学校にも行かず、児童養護施設からの親友ピンホール(ウィリアム・ルアン)とつるんで望遠鏡で子供に星を見せたり、パブでタバコを売ったりして小遣い稼ぎをしている。リアムは母親ジーン(ミッシェル・クルター)と祖父ラブ(トミー・マッキー)、そしてヤクの売人をやっているジーンの恋人スタン(ガリー・マコーマック)と一緒に小さな共同住宅に住んでいたが現在ジーンはスタンのせいでムショ暮らし。リアムの18歳の誕生日前日に出所する予定だ。姉のシャンテル(アンマリー・フルトン)はまともな生活を送れない母を嫌って離れて暮らしている。ある日、リアムはスタンとラブの言うことを聞かず家を追い出された。リアムはピンボールと一緒に荷物を持ってシャンテルの家を訪ねた。二人はそこでシャンテルの友達スーザン(ミッシェル・アバークロンビー)と知り合う。そしてシャンテルはリアムに「カルムと遊んでくれればしばらく居ていい」と優しく受け入れ、今の生活から抜け出すように忠告してくれた。二人は約束をする。翌日、ピンホールが盗んだ車でドライヴに行ったリアムは湖畔のコテージを見つけ、その家でジーンとシャンテルらと一緒に暮らす事を夢見る。リアムはどうしてもその家が欲しいと思ったが、そのためには15才の少年には手の届かない大金が必要だった。リアムとピンホールが双眼鏡を覗いていると、スタンがヤクを仕入れているのが見えた…。
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