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『白いカラス』
THE HUMAN STAIN
配給:ギャガ・ヒューマックス
オフィシャルサイト:http://www.white-crow.jp/


キャスト スタッフ データ
ニコール・キッドマン
アンソニー・ホプキンス
エド・ハリス
ゲイリー・シニーズ
ウェントワース・ミラー
ジャシンダ・バレット
アンナ・ディーヴァー・スミス
監督:ロバート・ベントン
製作:トム・ローゼンバーグ
   ゲイリー・ルチェッシ
   スコット・シュタインドルフ
脚本:ニコラス・メイヤー
撮影:ジャン・イヴ・エスコフィエ
編集:クリストファー・テレフセン,A.C.E.
美術:デヴィッド・グロップマン
衣装:リタ・ライアック
音楽:レイチェル・ポートマン
2003年/アメリカ/シネマスコープ/ドルビーデジタル/1時間48分

イントロダクション
「映画化が困難とされていたフィリップ・ロスの小説世界を見事に映し出した珠玉の1本」 
 現代のアメリカを代表する作家は誰かと問われればなんと答えるだろうか。ポール・オースター、ジョン・アップ・ダイク、アン・ビーティー、アリス・ウォーカー、スチュアート・ダイベック、スティーヴン・ミルハウザー、仙人のようだけどサリンジャー、スティブン・キングなど様々な名前が挙がってくるだろう。そんな中にきっと挙がるであろう作家がフィリップ・ロスである。今回紹介する作品は、フィリップ・ロスの2000年に発表され、翌年のペン/フォクナー賞を受賞した小説を映画化した『白いカラス』である。
 1959年に中流ユダヤ人家庭を描いた『さようならコロンバス』という作品でデビューし、その後も様々なタイプの作品を書きながら、数々のベストセラー、評価を獲得してきた作家フィリップ・ロスだが、映画化をされている作品は意外と少なく、デビュー作である『さようならコロンバス』、『ポートノイの不満』(日本未公開)とこの作品『白いカラス』の3本しかない。その大きな理由は、彼の小説が余りにも複雑すぎるテーマやキャラクターを持つためであるという。このため、ロスの多くの作品の映画化が見送られてきたのだという。
 本人の意図するものとは違う発言を人種差別と非難され辞職に追い込まれてしまったユダヤ人の権威ある学者コールマン・シルク。彼の辞職にショックを受け、妻も亡くなってしまう。その後、湖畔で隠遁生活を送っていた作家ネイサンと知り合ったコールマンは徐々に活力を取り戻していく。そんな時、コールマンはフォーニア・ファーリーという若い女性と出会う。フォーニアも人生に大きな傷を抱えた女性だった。そしてふたりは・・・というのがこの作品のストーリーである。そのテーマから発表と同時にベストセラーとなり、メディアにも大きく取り上げられた小説だが、今までのロスの小説と同様にすんなりと映画化されるとは思われていなかった。それを絶対に映画化しようと思ったのが、この作品のプロデューサーのトム・ローゼンバーグ。彼は「小説を題材にした映画は今までも作ってきたが、これほど作るとはっきり決めていた映画はなかった。この小説がずっと頭から離れなかった。」とその深い想いを語っている。そして、前述したようにその複雑さから何度も断念されてきたフィリップ・ロスの小説世界を見事に映画化したのが、『クレイマー・クレイマー』、『プレイス・イン・ザ・ハート』など数年に1本というペースで良質な作品を生み出しているロバート・ベントン監督。雑誌でライターとして活躍し、その後、映画の脚本を書き始め売れっ子になった彼の文学的な感性と熱意がこのフィリップ・ロス作品の映画化の重要な鍵となったことは間違いない。
 順調に動き始めた映画化に際し、最初からベントンとローゼンバーグが決めていたという主演はアンソニー・ホプキンスとニコール・キッドマンというハリウッドを代表する俳優ふたり。作品の内容に魅せられた二人は出演をすぐに了承。完成していた脚本に対しても一切の注文もつけなかったという。共演はエド・ハリス、ゲイリー・シニーズ、ウエントワース・ミラーなど。ロスの小説が持つ複雑な内面を抱えるキャラクター像を主演の二人はもちろん、共演者たちも見事に表現している。とにかく、過剰にならない押さえ気味みの俳優たちの演技がすばらしい作品である。
 コールマンとフォーリーという傷つき、打ちのめされているふたりの現状を描きながら、物語は主としてコールマンの過去へと舞い込んで行く。コールマンが人生においてあきらめてきたもの、背負ってきたもの。それは自分の意思とは関係なく背負わざる得なくなった楔のようなものでもあった。その楔が思わぬ形で彼に襲い掛かってきたのが、人種差別の非難だった。フォーリーももちろんそういったものを抱えているし、彼らの周りの人物たちも抱えている。生きていくことで抱えねばならないもの、自分を捨てることで抱えねばならなかったもの、そんなものからはとっとと解放されたほうが楽になるのは分かっているのに、そうすることが出来ない現実がこの作品では描かれている。
 公開後、アメリカでは原作と映画が比較され、原作をうまく生かしきれていない、キャラクターがうまく描かれていないなどの批判も続出したという。ただ、原作を読んでいない私が抱いたのは、この映画に魅了されたからこそ、原作を速く読みたいという気持ちだった(こう思わせてしまった時点で、この映画は成功していると思うのだが)。何層にも重なりながら語られていく個人の楔の物語。胸にぐっと来るこれぞ人間ドラマというべき珠玉の作品です。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「辞職に追い込まれた大学教授の抱えた人生と彼が出会い愛する女性の抱えた人生」
 1998年 アメリカ マサチューセッツ州。ここにある名門アテナ大学の学部長をつとめるコールマン・シルク。ユダヤ人として初めて古典教授の地位にのぼりつめた学者である彼は、講義中に黒人学生に発したひとことを差別的な発言だと非難され、辞職に追い込まれてしまう。そしてその事実を知った妻は心労から亡くなってしまう。
 半年後、怒りの収まらないコールマンは、作品が書けずに隠遁生活を送る作家ネイサン・ザッカーマンと懇意な関係になっていた。くだらない誤解で職業と妻を失った経験を書けというコールマンに対しネイサンはコールマン自身が書くことを薦める。こうしたふたりの関係はお互いにとって前向きなものへと変わっていった。
 そんなある日、コールマンは「恋人がいる」とネイサンに告白する。彼女の名はフォーニア・フォーリー。ネイサンと同様に人生で大きな傷を負ってきた若い女性だった。その交際をネイサンは余り歓迎しなかったが、コールマンはどうしても告白できない彼の人生の秘密を抱えていた・・・。
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