レセ・パセ　［自由への通行許可証］【映画情報】ムービーネット

『レセ・パセ　［自由への通行許可証］』
Laissez-passerL
2002年/フランス/170分/カラー/35mm/
シネマスコープ/ディジタルDTSサウンド
配給:ネマパリジャン
オフィシャルサイト：
http://www.cinemaparisien.com/laissez-passer/

ジャック・ガンブラン
ドゥニ・ポダリデス
マリー・ジラン
シャルロット・カディ
マリー・デグランジュ
マリア・ピタレシ
ゲッド・マルロン
フィリップ・モリエ＝ジュヌー

監督・脚本：
　　　ベルトラン・タヴェルニエ
製作：アラン・サルド
　　　フレデリック・ブルブロン
脚本：ジャン・コスモ
撮影：アラン・ショカール
美術：エミール・ジコ
音楽：アントワーヌ・デュアメル
衣装：ヴァレリー・ボッゾ・ディ・ボルゴ

※2002年ベルリン国際映画祭　銀熊賞（主演男優賞：ジャック・ガンブラン、音楽賞）受賞

「ナチスが運営したフランスの映画会社コンティネンタル社の真実」

　第二次世界大戦、ナチス占領下のパリ。ここにナチスドイツのプロパガンダのために設立された映画会社コンティネンタル社があった。あのヒチコックもうらやんだというアンリ＝ジョルジュ・クルーゾの傑作『密告』や『犯人は21番街に住む』など総計で30本の作品を生み出した映画会社がナチス・ドイツのプロパガンダの一環にあったとは驚きである。この映画『レセ・パセ〔自由への通行許可証〕』はこのコンチネンタル社の内実に迫りながら、表現の自由のために苦悩さと軽妙さを天秤に掛けながら葛藤し続けた映画人、差別され、追放されていくユダヤ人、フランスという国のために戦う者たちの姿を捉えていく。
　監督は『ラウンド・ミッドナイト』、『田舎の日曜日』、『今日から始まる』など良質な作品をコンスタントに撮り続けているベルトラン・ダヴェルニエ。ナチス・ドイツによるフランスの占領下時代に起きた出来事を映画化しようというアイデアを温めていた監督が、その時代を生きた映画人に会い、交流することにより、結実していったこの作品は、当時のフランス映画界とそこに生きた人たちへの愛情溢れるオマージュとなっており、明日はどうなるか分からぬ状況で生き抜くという意味を僕たちに突きつけてくる。
　出演は、ジャック・カンブラン（『クリクリのいた夏』）、ドゥニ・ポタデリス（『青い夢の女』）、マリー・ジラン（『裸足のマリー』）など。もちろん、登場人物のほとんどは実在の人物である。
　３時間近くという長丁場の作品だが、そこに登場する人々のドラマ（嘘みたいな話もあるが、ほとんどが現実の出来事である）に引き込まれ、きっと見終わった後は、ここに出てくる作品をビデオ屋に探しに行ってしまうはずだ。もちろん、その作品もこの作品と同様に面白いのだから。フランス映画好きの方はもちろん、映画が三度の飯より好き、映画を撮りたいなどという人は、ぜひ、劇場でご覧下さい。

「コンティネンタル社を軸に展開する映画人たちの愛と勇気のある物語」

　1942年ナチス･ドイツ占領下のパリ。イギリス軍による空爆の最中、『北ホテル』でその地位を確立した脚本家のジャン・オラーシュは有名な女優と逢引の最中だった。　一方、助監督として働いているジャン＝ドヴェーヴルは妻と生まれたばかりの子供の安否を確かめるために託児所へと向かっていた。彼は映画現場で働きながら、レジスタンス活動にも手を染めていた。そんな彼にコンチネンタル社で、一緒に働かないかという誘いが、レジスタンス活動の同士であり、ユダヤ人の身分を隠しながら映画界で働くジャン＝ポール・ルシャノワからかかる。彼はナチスの下で働くなど御免だと思うが、敵の陣地に飛び込んだほうが安全さという忠告に従い、コンティネンタル社に入社することとなる。そこは映画作りに関しては、想像以上に柔軟な現場であった。　ジャン・オラーシュにもコンティネンタル社の仕事の依頼が何度となく舞い込むが、彼は頑なにそれを拒み続け、女の家を渡り歩いていた。しかし、脚本家仲間ルネ・ウィーネルが路上暮らしをしているのに再会したことから、彼との共同脚本を条件にコンティネンタル社の仕事を引き受けることになる。　そして、コンティネンタル社という映画会社に入ったジャン＝ドヴェーヴは、そこで手に入れた通行許可書（レセ･パセ)を手に今まで以上にレジスタンス活動へと力を注ぎ込み、ジャン・オラーシュは相変わらずの頑固な自分流の態度を貫き通し続けていた。表面的なスタイルは違うが、二人は自分なりの在り方で、フランス人として、この時代を生き抜こうとしていた。


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