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『PEEP“TV”SHOW』

配給:スローラーナー
オフィシャルサイト:
http://www1.cts.ne.jp/~w-tv/peeptvshow.html
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
長谷川貴之
ゲッチョフ・詩
上田昭子
梨紗子
初山涼
石岡秀俊

白田寛一
さくら
阿部美宝子
中村弘美
中村龍也
幸山守
監督、脚本、編集:土屋豊
共同脚本:雨宮処凛
撮影:二宮正樹
美術:江田剛士
2003/DV/カラー/1時間38分

イントロダクション
「『新しい神様』の土屋豊監督が現実感の損失というリアリティーを描いたフィクションとノンフィクションの狭間を走る作品」
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 現在は雑誌へのエッセイ、小説の執筆などの作家として活躍する愛国民族派パンクバンド“維新赤誠塾”のボーカリスト雨宮処凛を主人公にしたドキュメンタリー作品『新しい神様』で山形国際ドキュメンタリー映画祭97において国際批評家連盟特別賞を受賞し、世界中で絶賛を浴びた映画監督 土屋豊。自主映像制作者のコミュニティー・センター的な役割を目指した自主ビデオの流通プロジェクト「VIDEO ACT!」を主宰するなど映像作家としてだけではなく、新たな自主映像メディアを引率する人物でもある。そんな土屋監督の待望の新作が公開される。それがこの作品『PEEP“TV"SHOW』である。
 愛国民族派パンクバンド“維新赤誠塾”のメンバーと自ら“左”を名乗る土屋監督との対話によって進められるドキュメンタリー『新しい神様』は絶賛の声がある一方で、くだらない、馬鹿らしいという声も相次いだ作品だった。待望の新作である
『PEEP“TV"SHOW』もそういった両極端な声が渦巻くことは間違いないであろう作品となっている。
 この作品『PEEP“TV"SHOW』は主人公である長谷川が真夏に渋谷スクランブル交差点の前でシャツを頭からかぶり座っているシーンから始まる。実は彼は箱に忍ばせた小型カメラを路上に置き、そのカメラが映し出す映像を盗撮しているのだ。盗撮した映像を自分の楽しみのためだけに使用していた長谷川だが、ある日を境に自分が立ち上げた期間限定のHP“PEEP“TV"SHOW”でその映像を公開し、ライブ中継まで始める。
 作品の背景にあるのは、2001年9月11日に起こったアメリカの同時多発テロである。主人公の長谷川は崩れ落ちていくWTCをTVを通して見ることにより、現実感というものが倒錯してしまったのだ。そこで彼は自分自身の現実感を手に入れるため盗撮に走っている。主人公である長谷川以外の登場人物、ゴスロリの少女、ひきこもりの青年、ブツブツと独り言の愚痴を言いまくるサラリーマン、歩道橋でパンチらを盗撮する男などもそれぞれに生きるという現実感を損失して生き続けている。そんな彼らに対し、長谷川はこれこそが現実という意味合いで“PEEP“TV"SHOW”のURLが記載された名刺を置いていく。彼らはそこに映し出される盗撮という現実に嵌まり込むのだ。はっきり言って、イカレている。でも、この現実はそこらじゅうに転がっているはずだ。
 土屋監督はこの作品『PEEP“TV"SHOW』のアイデアについて「私が作る作品は、常にメディア社会とアイデンティティの問題が関係しています。この作品もそのテーマの延長線上にあります。具体的なアイデアは、WTCテロの様子を伝えるテレビ番組を日本で見た私自身の印象から浮かびました。私は、WTCテロを政治的なアプローチでなく、リアリティショーが人気を呼ぶ社会の住人として、メディア論的にとらえてみたかったのです。」と語っている。ここで土屋監督が語るリアリティショーとは恋愛ごっこだったり、潜入ルポだったり、衝撃の告白だったりというTVで当たり前の手法として製作されている番組のことであり、9.11の同時多発テロやアフガニスタン、イラクでの爆撃、戦争を伝えたニュース映像なども含んでいる。
 
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この作品『PEEP“TV"SHOW』では唐突に登場人物たちの現実感のなさに関する独白(インタビュー)がカメラに向かって始まる。作品はあくまでフィクションなのだが、実は核となる台詞以外は全て出演者自身による生の言葉であり、彼らは実際の自分自身と重なる部分のある役柄を演じているのだという(例えば、ひきこもりの青年は実際に5年間、自室から外に出られなかった)。となると、物語はフィクションという形態をとりながらも、登場人物の叫びはノンフィクションであるかもしれないのだ。インターネットの“PEEP“TV"SHOW”は他人の生活を覗き、それが現実であるのに現実なんてチャンチャラ馬鹿らしいというような感情すらも感じさせない乾いたコメントを残し、猫殺しをライブで実演しようとし、殺すか殺さないかという結論を少ない視聴者に問いかけたりもする。こういった映像を超えた世界が現実のネット上で展開しているのは確かだろうが、こういった部分が観る側に嫌悪感を感じさせ、挑発すら巻き起こすこと、土屋監督がそれを狙っていたことは間違いないだろう。この作品の主人公である長谷川は9.11を境に現実感を倒錯した設定になっているが、それ以外の部分でも現実感のなさというのはあちこちに転がっている。じゃ、自分が現実感があるのかと問われれば、全ての部分においてYESとは断言しきれない部分がある。映画の中で反戦運動に闘志を燃やす青年は彼女から「そんなことの前に金返せ。自分の生活何とかしろ。」と詰め寄られる。こういった部分は身に覚えがあるのではないだろうか。ここに登場する人物たちは現実がここにあるのに現実感を失っている。それは自分と世界を繋げる方法を失ったということなのだろうか。テレビ、インターネットなど何かしらのフィルターを通したものと繋がること自体が現実感の損失となるなら、現実感を手に取戻すためにどこでどのように世界と繋がるべきなのだろうか。そこから先の問題はこの作品を観た個人に戻されていくはずだ。映像、内容に嫌悪感を感じる向きも多いと思うが、ここの損失、孤独、現実感のなさは多くの人に共感とまではいかない同意と思考を促すのではないだろうか。ぜひ、劇場に足を運んでください。    

ストーリー
「9.11以降現実感を失った男が捉える盗撮という現実と公開されたその映像に群がる孤独な人々の現実」
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  渋谷のスクランブル交差点の前で頭からすっぽりと洋服をかぶり座り続ける男。彼は超小型ピンホールカメラを足元に置き、道行く人々の脚を盗撮し、その映像をモニターで眺め、家では自分の楽しみのために使用していた。男の名は長谷川。9.11以降、現実感というものを失ってしまい、盗撮に現実感を追い求めていた。
 そんな男が2002年8月15日に“PEEP“TV"SHOW”というインターネットのサイトを開設する。そこでは彼が盗撮した映像がふざけたようなコメント共に公開され、9.11の実行犯のひとりとされるモハメド・アタのWTC突入までの1年前の日々の行動も同時に書かれていた。長谷川は街で見かけた同じ穴の狢のような奴らにこのサイトのURLを記載した名刺を渡していく。その中のひとりがゴスロリと呼ばれるファッションに身を包むことで自分というものの存在を確認している萌だった。その他、パンチラマニア、反戦運動に燃えるフリーターの青年、ひきこもりの青年、独り言の不平を呟きまくるサラリーマンなど現実感を失った、孤独な人々をこのサイトはひきつけていく。そして、あの日から1年後の9.11が近づいてくる。
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