パリ・ルーブル美術館の秘密【映画情報】ムービーネット

『パリ・ルーブル美術館の秘密』
配給：セテラ・インターナショナル
オフィシャルサイト：
http://www.cetera.co.jp/library/louvre.html

cast

監督：ニコラ・フィルベリー
撮影：ダニエル・バロー
　　　リシャール・コパン
　　　フレデリック・ラブラス
　　　エリック・ミヨー
　　　エリック・ピタール
録音：ジャン・ウマンスキー
編集：マリー・H・カントン
　　　モニーク・ブーショー
音楽：フィリップ・エルサン

最優秀ヨーロピアンドキュメンタリーヨーロッパ大賞受賞
パリ=リール映画祭インターメディア大賞受賞

1990年/フランス/カラー/
1:1.66/モノラル/1時間25分

「パリ･ルーヴル美術館の裏側を捉えたユーモア溢れるドキュメンタリー作品」

　
　今年（2003年）公開され、単館系作品としては大きなヒットを記録したドキュメンタリー作品『ぼくの好きな先生』。この作品の監督ニコラ・フィリベールは、日本でも公開された『すべての些細な事柄』、『音のない世界で』など非常に良質なドキュメンタリー作品を撮り続けている監督である。そんな彼の名を知らしめた代表作のひとつがやっと日本でも公開される。それが今回紹介する作品『パリ・ルーヴル美術館の秘密』である。
　美術館を舞台にした映画といえば、これも今年公開されたロシアのエルミタージュ美術館を舞台にした『エルミタージュ幻想』を思い起こす人もいるだろう。あの作品がエルミタージュ美術館を舞台に壮大なロシアの歴史を語っていたのに対し、この作品はタイトルにもあるように美術館の秘密（というか舞台裏）を捉えた作品である。
　監督はこの作品について、「始まりは館内の再編成を進めていた美術館が、シャルル・ル・ルブラン（17世紀のフランスの画家）の倉庫に眠ったままだった巨大な作品を展示することになり、その展示までの痕跡を記録した映画を記念として作る価値があるのではないかと考えた学芸員たちによる依頼だった。元々はその一日のための撮影だったはずが、シャルル・ル・ルブランの作品は痛んでいて修復が必要であったし、何より、館内の舞台裏に入ることにより興味が刺激され、また翌日も撮影に行ってしまった。」と語っている。監督自身の興味から当初は無許可！で撮影されていたこの作品も正式な許可（と資金源）を獲得し、週二日のペースで5ヶ月以上にわたる撮影を行っている。
　こうした形で出来上がった作品だが、所蔵する美術品に対するコメントなどは一切ない（スタートであったはずのシャルル・ル・ルブランの作品へのコメントもない）。ルーブル美術館の所蔵品に興味のある方はそこでがっかりするかもしれない。でも、そんなものはなくても圧倒的に面白い作品である。クレーンや手作業で運ばれる絵画にハラハラし、フォークリフトで運ばれる彫刻におかしさと親しみを感じたり、非常に厳格な美術館のイメージとは裏腹の人間味にあふれた職員たちの姿などが心地の良いゆったりとしたユーモア感覚に満ちた映像によって展開していくのだから。この映画を観れば、間違いなく美術館の見方が変わるだろうし、映画ってこういうことが出来るんだとも感じるはず。きっと、観終わった後には不思議とハッピーな気分になるし、ルーブルは無理かもしれないけど、美術館にも行きたくなりますよ。

「ルーヴル美術館の新たな展示展の開催まで」

　真夜中、懐中電灯に照らされるモナリザなどの名だたる絵画。ルーヴル美術館では警備員による巡回が行われている。日が変わると、巨大な絵画がクレーン車によって搬入されている。慎重な作業を重ねながら上層階へと搬入された作品を移動させるのは人間による手作業である。ブロンズの彫刻は自らの意思で移動しているかのようにフォークリフトで所定の位置へ運ばれて行く。絵画の設置をああでもないこうでもないと考える学芸員の向こうで、彼らの指示で釘を打つ職人がいる。彼らはいつだってああでもないこうでもないの学芸員に少し悩まされている。ある場所では陶器や彫刻、絵画の修復作業が行われている。修復には時間がかかるのに、いつだって急かされている。宅配便のお兄さんは広すぎる館内をローラースケートで移動する。警備員たちが最高の制服の衣装合わせをしている。もちろん、職員たちにおいしい食事を作る料理人たちもいる。こんな広い館内の掃除の仕方をきめ細かく指示される人がいる。色んな、でも美術館にとっては当たり前のことが起こったりしながら、ルーヴル美術館は新たな展示展の開場に向かって進んでいく。


	この部分はiframe対応のブラウザで見てください。

DVD比較はベストプライス