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『火星人メルカーノ』

配給:アップリンク
オフィシャルサイト:
http://www.uplink.co.jp/mercano/ 
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
声の出演:
グラシェラ・ボルヘス
ロベルト・カルナギ
ダミアン・ドレイジク
ファビオ・アルベルティ
アレハンドロ・ナジー
クエコ・ゲルバイス
監督、脚本:ファン・アンティン
脚本:ラウタロ・ヌニェス・デ・アルコ
原画、動画:アジャール・ブラスコ
音楽:
  レアンドロ・フレスコ
  ロベルタ・アインステイン
※2002年 シッチェス国際映画祭 観客賞 受賞

2002/アルゼンチン/カラー/35o・デジタルβcam/1:1.85/ドルビーデジタル/1時間15分

イントロダクション
「アルゼンチンからやって来た現実世界への痛烈なジャブと黒い笑いに満ちたアニメーション作品」
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  東京では昨年(2004)に公開された『ある日、突然。』。ざらついたモノクロの映像、フランスのヌーヴェルバーグの向こう見ずなパワー、ジャームッシュの初期の作品のようなオフビートの感覚が一体となったようなこの作品を初めて観たときの気分は今でも憶えている。とにかく新鮮だったし、誰かにこの気持ちを話したくて仕方がなかった。しかもそれがアルゼンチンという国の映画であるということも驚きだった。音楽では俗に音響派などと称される分野で注目を浴びていたが、その時に映画も面白いのがあるだと初めて認識したのだ。その認識がやはり正しかったんだよなと納得させる作品が、またアルゼンチンから登場してきた。それが今回紹介する作品『火星人メルカーノ』である。
 この作品『火星人メルカーノ』はアニメーションである。当たり前のことだが、アニメーションは世界中で子供向けのTV番組などを中心に製作されている。ただ、アニメーションに関しては世界中に作品を供給している日本のレベルが高いからだろうか、アメリカ、ヨーロッパ以外の国の作品に触れる機会はほとんどない。そういった意味でも、この南米のアルゼンチンのアニメーションの公開は楽しみであるし、アニメーションにはその国の色が表れやすいことを考えると深い興味を抱かずにはいられなかった。
 舞台はアルゼンチンのブエノスアイレス。経済不況真っ盛りのこの街に火星人のメルカーノは仕方なく暮らしている。地球人が火星に送り込んだ火星探査機がメルカーノのペットの火星犬を直撃し、殺してしまい、頭にきたメルカーノはその復讐のために地球へと向かったのだが、その途中で宇宙船が故障、不時着したこの街に取り残されたしまったのだった。火星に帰りたいのに帰れないという郷愁の念を抱きながら、メルカーノはこの街で暮らすのだが・・・・というのがこの作品のストーリーである。『サウスパーク』や『シンプソンズ』のように原色の色合いが強い色調、カリカルチャされた人物、手書き、コンピューター・グラフィックスなど多用な手法を用いた表現方法、小気味良いテンポなどこの作品は映像としても本当に優れているが、何よりこの作品を印象付けるのはそこに込められたテーマではないだろうか。グローバリゼーション、便利になる一方のテクノロジー社会、その反対派への批判とも受け取れるような黒い笑いがこの作品の様々なシーンに込められているのだ。
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 監督はブエノスアイレス出身で、アルゼンチンとカナダでアニメーションを学んだファン・アンティン。この作品『火星人メルカーノ』は1998年にカナダのナショナルTVで放映された2分間の短編作品が発端となって生まれたという。この短編作品「メルカーノ」は最終的にはスペシャル番組となり、世界中で放映。この人気がきっかけとなり、ファン・アンティン自身が映画化へと乗り出した。彼は「TVはアニメーションに高いお金を費やさないから、僕らは映画を作ることにしたんだ」とその経緯について語っている。映画制作のための助成金やサポート獲得し、この作品はアルゼンチンでは20年ぶりのインディペンデント映画として完成している。
 冒頭、ふたり組の少年が電気屋のショーウィンドウを叩き割り、盗みをするシーン、街中に溢れる浮浪者たち、営業不能に陥った銀行など背景となっているのは、あきらかに21世紀にはいってすぐに起こった通貨危機に端を発したアルゼンチンの経済危機である。そういった状況の中、経営不振に陥りながらも、無意味な会議を繰り返し続ける会社がある。経済、マーケティング、営業などの顔を持つ彼らの思惑は重なることがなく1日が暮れていく。それでも彼らはいい生活が出来るのだ。そんな彼らがメルカーノの素晴らしい頭脳に気付き、利用し、グローバル企業として他社を駆逐する方法で成功していく。そこにあったのはテクノロジーが作り出した夢のような世界であった。そういった中でテクノロジーの危機を訴える人物もいる。こうした状況を作品は極端にカリカルチャし、黒い笑いをまぶし、描いていく。それは相当に痛烈だが心地よい。
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 作品が描こうとしたテーマは文明批判であり、人類の行き着く先にある皮肉かもしれないが、この作品は進歩するテクノロジーを批判したわけでもアンチ・テクノロジーでもない。世界が画一的になるという点でグローバリゼーションを皮肉ってはいるがそこに照準を合わせた訳でもない。ただ、火星人という他者からみれば、この世界はなんと滑稽な場所になっているんだろうということを訴えている作品ではある。ギアをうまく起動すれば、より良い世界になるかもしれないのに、そのギアがちょっと違う方向に向かっているのではと誰もが感じている部分をこの作品はうまく伝えているのだ。様々な現実の出来事、映画のモチーフを想起させるシーンが重なり、笑いを生み出すこの作品、ぜひ、劇場で体験してみてください。ちなみに、この作品はヨーロッパでは熱狂的に迎え入れられたが、アメリカでは未だに公開されていないという(公開すれば、大きな反響があるだろうに)。   

ストーリー
「火星に帰りたいと願いながら、ブエノスアイレスに暮らす火星人メルカーノ」
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  ショーウィンドウを叩き割り、電気製品を盗む少年たち。その破壊されたショーウインドウから電気店へと入り込んだ火星人のメルカーノはノートパソコンを手に入れる。警察や警備員に追われながらも自分のねぐらに戻ってきたメルカーノがしたことは盗んだノートパソコンをインターネットに接続し、火星の友人に連絡することだった。
 メルカーノは地球からやってきた火星探査機の直撃を受けて死んだペットの火星犬の復讐のために宇宙船で地球にやってきたのだが、宇宙船は途中で故障し、何の因果か、不況の真っ只中のブエノスアイレスから帰れなくなってしまったのだ。火星の友人にも相手にされないメルカーノは寂しさからインターネット上にバーチャルリアリティーの火星を作り上げ、郷愁にふけるが、そこにひとりの少年が迷い込む。彼の名はフリアン。大企業の社長の息子だ。メルカーノとフリアンは次第に仲良くなっていくのだが、そこに思わぬ存在が入り込んでくる。
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