『Lovely Rita』
LOVELY RITA
配給：ビターズ・エンド
オフィシャルサイト：
http://www.bitters.co.jp/rita/
バーバラ・オシカ
クリストフ・バウアー
ペーター・フィアラ
ヴォルフガング・コスタル
カリナ・ブランドルマイヤー
監督、脚本：ジェシカ・ハウスナー
プロデューサー：
アントニン・スヴォボダ
フィリップ・ボベール
ハインツ・シュトゥサック
撮影：マルティン・ゲシュラハト
美術：カタリーナ・ヴェッパーマン
衣装：タニヤ・ハウスナー
2001年/ドイツ・オーストリア/カラー/1:1.66/1時間20分
「思春期特有の少女の居場所のなさを何よりも主人公の表情が語る作品」
思春期特有（でもないんだけどね）の居場所のなさ、どんづまった感覚を描いた作品は山のようにある。表現をする側にとっても最も多感な時期であったから描きたいことも多いだろうし、観る側にとっても色々な共感を持つことが出来る。今回紹介する作品はそんな居心地の悪さを描いた作品『Lovely Rita』である。
主人公は女子高生であるいつだって不機嫌な顔をしたリタという少女。周りの同級生のように群れないし、学校も当てもなくサボる。ま、はっきり言えば嫌われ者である。家では親に訳もなく怒られる。やり場のない気分がいつだって不機嫌な顔に表れている。そんな彼女はある時には突発的な行動に出たりする。こんなストーリーを持つこの作品『Lovely Rita』を監督したのはオーストリア出身の女性監督 ジェシカ・ハウスナー。ウィーンの映画学校で映画制作を学び、在学中に監督した短編『Floria』が世界中の映画祭で絶賛され、卒業作品として製作した『Inter-View』はカンヌ映画祭シネフォンダシオン部門の特別賞に輝いた今後の活躍が大きく期待されている女性監督のひとりである。この作品『Lovely Rita』は彼女にとって初めての長編となる作品で、カンヌ映画祭にも出品され、絶賛を受けている。
この作品の撮影に当たって、監督であるジェシカ・ハウスナーはキャストに演技経験のないアマチュアを起用している。その理由について監督は「プロよりも自然で、変化に富んでいて、さらに分析しにくい演技を見せてくれる。」と語っている。そのアマチュアの起用が功を奏したのかは分からないが、主人公であるリタを演じるバーバラ・オシカの暗くどんづまった表情、不機嫌さ加減、そして自分の好きな人の前で見せるはにかんだ表情、彼女がスクリーンから見せる全ての表情がこの映画を語っている。
結果として、物語は予想もされていたショッキングな結末に結びついていくのだけど、それ以外の結末でも全くOKの物語のように思える。誰もがそういう気分を味わったことがあるから、自分はそこで留まった、別の方向にベクトルを向けたという観方も出来る作品なのだから。
先にも書いたようにこの作品『Lovely Rita』は思春期特有の状況を描いたよくある作品のひとつである。ちょうど同じ時期に公開されるガス・ヴァン・サント監督の作品『エレファント』はそういった部分をある一日を描くことにより多面的に眺めていた部分がある。この作品『Lovely Rita』はリタの不機嫌な表情を描くことにより思春期のやり場のなさを描ききっている。そういう経験のある女性にとっては大きな共感を呼ぶであろう作品だと思います。そういった共感から日本語字幕の監修はアーティストのカヒミ・カリィが担当しています。ぜひ、劇場に足を運んでください。
ちなみにこの『Lovely Rita』というタイトルから思い出したのはビートルズの同タイトルの曲でした。そこからこのタイトルを取ったのかは分かりませんが、ビートルズの歌う「Lovely Rita」は駐車違反取締りに熱心な婦人警官だったと思います。
「常に不機嫌な顔をした大人手前の少女リタ」
主人公の名前はリタ。両親との3人家族。毎日学校へ行き、時々、ベビーシッターのバイトをしている。学校では周りのように群れることはしない。ま、嫌われ者だ。いつだって不機嫌な表情をしているので、訳もなく父親に怒られる。近所に引っ越してきた家族の子のひとりであるフェクシーのことは気に入っていて、よく遊んだりするんだけど、フェクシーは体が弱くて、入退院を繰り返しているのでいつも一緒にはいられない。恋をしたって思い通りになるわけがない。そんなんだからこの不機嫌な顔は直るわけがない。そんな彼女が見つける最高の世界とは････。
この部分はiframe対応のブラウザで見てください。
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思春期特有（でもないんだけどね）の居場所のなさ、どんづまった感覚を描いた作品は山のようにある。表現をする側にとっても最も多感な時期であったから描きたいことも多いだろうし、観る側にとっても色々な共感を持つことが出来る。今回紹介する作品はそんな居心地の悪さを描いた作品『Lovely
Rita』である。
この作品の撮影に当たって、監督であるジェシカ・ハウスナーはキャストに演技経験のないアマチュアを起用している。その理由について監督は「プロよりも自然で、変化に富んでいて、さらに分析しにくい演技を見せてくれる。」と語っている。そのアマチュアの起用が功を奏したのかは分からないが、主人公であるリタを演じるバーバラ・オシカの暗くどんづまった表情、不機嫌さ加減、そして自分の好きな人の前で見せるはにかんだ表情、彼女がスクリーンから見せる全ての表情がこの映画を語っている。
先にも書いたようにこの作品『Lovely
Rita』は思春期特有の状況を描いたよくある作品のひとつである。ちょうど同じ時期に公開されるガス・ヴァン・サント監督の作品『エレファント』はそういった部分をある一日を描くことにより多面的に眺めていた部分がある。この作品『Lovely
Rita』はリタの不機嫌な表情を描くことにより思春期のやり場のなさを描ききっている。そういう経験のある女性にとっては大きな共感を呼ぶであろう作品だと思います。そういった共感から日本語字幕の監修はアーティストのカヒミ・カリィが担当しています。ぜひ、劇場に足を運んでください。
主人公の名前はリタ。両親との3人家族。毎日学校へ行き、時々、ベビーシッターのバイトをしている。学校では周りのように群れることはしない。ま、嫌われ者だ。いつだって不機嫌な表情をしているので、訳もなく父親に怒られる。近所に引っ越してきた家族の子のひとりであるフェクシーのことは気に入っていて、よく遊んだりするんだけど、フェクシーは体が弱くて、入退院を繰り返しているのでいつも一緒にはいられない。恋をしたって思い通りになるわけがない。そんなんだからこの不機嫌な顔は直るわけがない。そんな彼女が見つける最高の世界とは････。
