『幸福の鐘』
配給:東北新社
オフィシャルサイト;
http://www.koufukunokane.com/
寺島進/ 西田尚美
篠原涼子/ 益岡徹
塩見三省/ 鈴木清順
板尾創路/ 白川和子
手塚とおる/ 滝沢涼子
田山涼成
監督、脚本:SABU
プロデューサー:
長松谷太朗/ 藤崎博文
小椋悟/久保田修
撮影:中堀正夫
照明:丸山文雄
録音:山方浩
美術:野口隆二
編集:上野聡一
音楽:村瀬恭久
2002年/日本/カラー/ヴィスタ・サイズ/DTSステレオ/1時間27分
2003年ベルリン国際映画祭 NETPAC賞(アジア最優秀映画賞)受賞
「“走る”から“歩く”へ。SABU監督の最新作」
『弾丸ランナー』、『POSTMAN BLUES』、『アンラッキー・モンキー』、『MONDAY』、『DRIVE ドライブ』と疾走感溢れる映画を撮り続けてきた映画監督 SABU。世界でも大きな評価を獲得している彼の最新作が、この『幸福の鐘』である。
今までのSABU監督の作品はとにかく登場人物が走り、観る側も乗っていくという疾走感に大きな特徴があったのだが、この作品はその疾走感を支えていた走るという行為が、歩く-それもひとりで歩く-という行為に変わった新境地とも捉えられる作品である。SABU監督自身は「今までのイメージと違うものをやりたかった。(映画は)テンポがいいのは当然なのに(今までの作品は)そこしか捉えられないことへの反発があった。」と語っている。イメージの変化を語れば、走る行為が歩く行為に変わったことにより、カメラワークもスピーディーな展開から引き主体のゆったりとスタイルへと変わっている。そうなると今までのSABU作品とは随分と違った感じもするが、そこにあるユーモア感覚など、疾走感がなくともSABU監督の作品なんだよなという作りになっているのは見事。
物語はある日の朝、職場を失ったひとりの男が当てもなく歩きながら、出会っていく出来事を描くロードムービーとなっている。主人公の男は一言もしゃべらず、様々な出来事に出会いながら、歩き続けるだけである。そんな男を演じるのは、SABU監督や北野武監督作品の常連で、数々の作品に出演している名バイプレイヤー 寺島進。SABU監督は「『DRIVE ドライブ』の頃から寺島進を主役にしたいと考え、この作品の脚本段階から主人公に寺島進を当て込んで書いていた。」と語っている。その他、西田尚美、篠原涼子、益岡徹、塩見三省、鈴木清順、板尾創路、白川和子、手塚とおる、滝沢涼子、田山涼成という豪華な出演者が、男の道中の出来事に登場してくる。
今年のベルリン国際映画祭でNETPAC賞(アジア最優秀映画賞)を受賞するなど各地の映画祭でも絶賛を浴びてきているこの作品『幸福の鐘』。今までのSABU監督の作品とはちょっとスタイルが違いますが、見終わった後、なんともいえない幸福感に包まれること間違いなしのユーモアと寓話性に溢れた作品です。SABU監督のファンはもちろん、どこかでどん詰まりを感じている人などは、ぜひ、劇場に足を運んでください。ささやかな何かを感じるかも知れません。
「朝、職場が閉鎖されていて、あてもなく歩き出した男」
ある日の朝、五十嵐悟が職場である工場に着くと、そこは閉鎖され、工員たちの前で工場長が切腹をしていた。そんな騒然とした中、五十嵐は作業着を着たまま、あてもなく歩き始めた。歩き続ける五十嵐の前には様々なな事情を抱えた人物が通り過ぎていく。ヤクザ、シングルマザー、病床の老人、飲み屋のママ・・・・。そんな人たちになんとなく関わったり、眺めたりしながら五十嵐はある大切なことに気付いていく・・・・。
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