ケイティ【映画情報】ムービーネット

『ケイティ』
配給：東宝東和
オフィシャルサイト：http://katie.eigafan.com/

ケイティ・ホルムズ
ベンジャミン・ブラッド
チャーリー・ハナム
ズーイー・デシャネル
マーク・フューアースティン
フレッド・ウォード
マラニー・リンスキー

監督、脚本：スティブン・ギャガン
製作：リンダ・オブスト
　　　エドワード・ズウイック
　　　ゲーリー・バーバー
　　　ロジャー・バーンバウム
原作：ショーン・デスモンド
撮影監督：マシュー・リバティーク
編集：マーク・ワーナー
美術：ピエール・パルロー
音楽：クリント・マンセル

2002年/アメリカ/カラー/
スコープサイズ/1時間39分

「『トラフィック』の脚本家の注目の監督デビュー作」　

　映画監督になるための道筋というもののがあるのかどうかは分からないが、何らかの形で映画にかかわりながら監督になるというパターンの中で、脚本家から監督へと転進していく例は多い。古くはジョン・ヒューストンがそうであるし、最近ではノーラ・エフロン（『ユー･ガット・メール』）などがいる。今回紹介する作品『ケイティ』の監督スティーブン・ギャガンも脚本家として大きな注目を浴び、この作品で監督デビューを飾っている。
　スティーブン・ギャガンが大きな注目を集めたのは、アメリカに根深くはびこる麻薬社会を描き各種映画賞を総なめにしたスティ－ヴン・ソダーバーグ監督の作品『トラフィック』の脚本を担当したことによる。原作の持つスケール感の大きさを活かしきった脚本により、彼は2000年度のアカデミー賞脚色賞、同年のゴールデングローブ賞脚本賞を受賞している。この作品『ケイティ』はそんな彼の『トラフィック』以来の満を持した作品である。

　アメリカの名門大学に通うケイティ。彼女には謎の失踪をしてしまった恋人がいた。そんな恋人を捜索するためにひとりの刑事がケイティに接触してくるというサスペンス・スリーラー・タッチのこの作品、主演のケイティを演じるのはTVドラマ『ドーソンズ・クリーク』でブレイクし、以後『ワンダー・ボーイズ』、『フォーン･ブース』など映画出演が相次ぐケイティ・ホルムズ。タイトルから「あれ？」と思った人がいるかもしれないが、実はスティーブン・ギャガン自身が「この役はケイティ・ホルムズを想定して書き始めた。」と公言しているのである（原題は『Abandon』）。競演には『トラフィック』などにも出演しているベンジャミン・ブラッド、この作品でハリウッドデビューを果たした甘いマスクのチャーリー・ハナム、『あの頃ペニー･レインと』のズーイー・デシャネル、『乙女の祈り』のメラニー・リンスキーなど。
　最初にサスペンス･スリラー･タッチと書いたが、正直、スリラーというよりは心理的なトラウマの物語と捉えた方がぴったりする物語かもしれない。だから、なぜそうなったのかを探っていく物語として観た方が圧倒的に楽しめるのではないかと思う（そういう部分で終わり方も好きですね）。それ以外にも、ケイティ・ホルムズ、ベンジャミン・ブラッド、チャーリー・ハナムの演技、スプーキーな感覚が漂っている映像（『π』の撮影監督です）と音楽や今の学生のキャンパスライフの描き方など注目すべき部分も多い作品です（ただ、残念な部分も多かったが。ちなみに、アメリカではボックスオフィス初登場第6位のスマッシュヒットを記録。スティーブン・ギャガンの次回監督作も決定している）。
　心理的なサスペンス、物語が好きな人はその辺りを確認するため、甘いマスク好きの方は先物買いでチャーリー・ハナムをチェックするためにも、ぜひ、劇場へ足を運んでください。

「ケイティ、失踪した恋人、捜査する刑事を結ぶものは」

　ケイティは有名大学に通う4年生。成績も抜群で、現在は就職活動と卒論に追われている。そんな彼女にはかって最高にエネルギッシュな恋人エンブリーがいた。しかし、エンブリーは2年前に謎の失踪を遂げていた。それ以来、友人に囲まれながらキャンパス生活を満喫しているようにみえるケイティにはぽっかりとした埋められない空白が存在していた。
　そんなケイティのところにエンブリーの失踪事件を捜査するためにひとりの刑事が接触してくる。彼の名はハンドラー。ある出来事が原因でアルコール中毒になった彼は、リハビリ的な要素も兼ねてこの捜査を開始することになったのだった。
　捜査が始まると、ケイティとハンドラーは埋められない空白を抱える者同士、自然と惹かれあっていく。そんな中、彼女の周りには次々と不可思議な出来事が起こり始め、エンブリーまで姿を現すのだが････。


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