「ドイツの巨匠にして、映画界の鬼才ヘルツォークの新作」
『アギーレ・神の怒り』で世界中にその名を知らしめ、近作である盟友クラウス・キンスキーとの長年に渡る交流を描いた作品『キンスキー・わが最愛の嵐』では世界中の観客を魅了した(渋谷あたりでは“KINSKY”とプリントされたTシャツを着る若者まで出ましたね)ドイツを代表する映画監督
ヴェルーナー・ヘルツォーク。近年はずっとドキュメンタリーを撮っていた彼が、10年ぶりに撮りおろしたノン・ドキュメンタリー作品がこの『神に選ばれし無敵の男』である。
物語の舞台はナチス党が第一党に躍進しようとしていた1932年のベルリン。ここにヒトラーの千里眼として頭角を現していたハヌッセンという預言者と現代のサムソンとしてユダヤ人の歌や物語の中に語り継がれているジシェという二人の実在した男を軸に物語は展開していく。
出演は、ハヌッセン役に「14,15歳の頃、彼の作品を観まくって夢中になった」というヘルツォーク監督の大ファンであるティム・ロス、そしてあくまでリアリティーを求める監督こだわりから、超人的な腕力で人身を掌握するジシェ役に重量挙げのヨーロッパチャンピオンなどの経歴を持つヨウコ・アホラ、ジシェが恋するピアニストのマルタ役にロシア出身の国際的ピアニスト
アンナ・ゴラーリという映画初出演の役者が選ばれている。
『戦場のピアニスト』、『ふたりのトスカーナ』、『灰の記憶』など第二次世界大戦下のユダヤ人を取り上げた作品の公開が相次ぐ中、その第二次世界大戦に突入する寸前のベルリンに生きた二人の男の数奇な物語。ぜひ、劇場でご覧下さい。 |