「ジャック・タチ(ブーム)がやってくる!」
2002年 カンヌ国際映画祭では、フランスらしさを体現した映画監督/脚本家にして俳優のジャック・タチの没後20周年に対して、盛大なオマージュが捧げられた。その結果、ちょっとしたジャック・タチ
ブームに沸いたパリ。その流れは同年 横浜で開催されたフランス映画祭横浜、そして、今回、ヴァージンシネマズ六本木ヒルズで開催される『ぼくたちの伯父さん -ジャック・タチ
フィルム・フェスティバル-』へとつながってきた。
実は、ジャック・タチを世界で最も評価してきた映画ファンがいる国のひとつはこの日本。今から10年位前にもジャック・タチの映画祭が開催され、多くのファンが足を運んだ。雑貨屋には、『ぼくの伯父さん』のポストカード、ポスターが並び、女の子たちはそのポスターの絵柄がプリントされたチビTシャツを着て、街を闊歩していた。映画のサウンドトラックも日本のみでアナログ発売されて、それをクラブでかけるDJなんてのもいたりした。映画の内容はもちろん、ビジュアルアート、サウンド、アパレル的な部分も含めて、トータルで新しく、かわいいファッションとして受け入れられたのが、ジャック・タチだった。
フランス映画祭横浜では、『ぼくの伯父さん』がオマージュとして上映されただけであったが、今回の『ぼくたちの伯父さん -ジャック・タチ フィルム・フェスティバル-』で上映される作品は、カンヌでの上映で再評価された『プレイタイム』の新世紀修復版、代表作である『ぼくの伯父さん』、『ぼくの伯父さんの休暇』など長編4作品と短編3作品(全てニュープリント)。権利関係の問題などで、全ての作品が観られるのではないが、その長いキャリアに対して、多くの作品が残されているわけではない彼の作品を映画館で、これだけの規模でまとめて観られる機会は貴重です。ファンはもちろん、彼の独特のテンポと笑い、趣味のよさはジャック・タチを知らない人にこそ、見てもらいたいと思います。ぜひ、劇場へ。 |