冬の日【映画情報】ムービーネット

『冬の日』
配給：IMAGICAエンタテインメント
オフィシャルサイト：http://www.fuyunohi.com/

cast

『冬の日』
企画、監督：川本喜八郎
監督：ユーリ・ノルシュテイン/ 　　　大井文雄/野村辰寿/鈴木伸一/福島治/石田卓也/ラウル・セルヴェ/守田法子/島村達雄/奥山玲子/小田部羊一/アレキサンドル・ペトロフ/米正万也/久里洋二/うるまでるび/林静一/一色あづる/ブシェチスラス・ポヤール/保田克史/片山雅博/マーク・ベイカー/伊藤有壱/黒坂圭太/横須賀令子/浅野優子/IKIF/王柏栄/高畑勲/ひこねのりお/森まさあき/古川タク/コ・ホードマン/ジャック・ドゥーリアン/湯崎夫沙子/山村浩二
プロデューサー：島村達夫
音楽：池辺晋一郎
朗読
三谷昇/ 岸田今日子/ 柏木隆太/ 佐々木睦/ 吉見一豊/ 渡辺譲

『冬の日の詩人たち』
構成、演出：和田敏克
プロデューサー：島村達夫
撮影：吉村隆

2003年/日本/カラー/スタンダード/1時間45分

「世界を代表するアニメーション作家35人が作り上げる連句「冬の日」の世界」

　世界を代表する映画監督が集まり時間という概念を映画化した『10ミニッツ・オールダー』、あの9.11への祈り、想いを込めた『11'09''01／セプテンバー11』、日本の若手俳優や監督が自分たちが撮りたいと思った作品をまとめた『FREESTYLE SHORT MOVIES』、短編映画専門映画館のオープンなどここ数年、短編映画というものを目にする機会が増えているように感じる。映画を作りたいと思い、行動する人の増加、デジタルカメラの普及、予算の関係、コンピレーションの場合にはテーマに魅力を感じるなど様々な理由があるのだろうが、観る側からすれば、コンパクトさに魅力、面白みを感じたり、作品が集まることで統一的なテーマを感じやすくなったり、単純に好き嫌いの比較が出来たりと様々な楽しみ方が出来る作品でもある。そんな短編映画の世界にまた新たな試みの作品が登場してきた。それが今回紹介する作品『冬の日』である。

　この作品は日本と世界を代表するアニメーション作家35名が集まって製作された短編アニメーションによるコンピレーション作品集である。そして、この作品が画期的なのは日本独特の文学形式である“連句”、その代表作ともいうべき松尾芭蕉の「冬の日」をアニメーション化しているからである。“連句”というものを知らない方のために説明すると、これは1人ではなく複数の人間で作り上げていくひとつの作品である。まず、第一の人が五・七・五（長句）を読み、次の人が七・七（短句）を連ね、次の人がその短句に長句をつけていく。こういった形式を繰り返すことにより1巻（36句）を完成させていくのである。歌人たちによるひとつの遊びであり、腕の見せ所の場だったのではないかと思います。

　この作品を構想したのが日本を代表する人形アニメ作家の川本喜八郎。そんな彼の構想に賛同したのが、スタジオジブリ作品など数多くの作品を監督している高畑勲、アカデミー賞にもノミネートされた山村浩二、11PMのアニメなど近年再評価もされている久里洋二、ロシアの天才アニメ詩人ユーリ・ノルシュテイン、チェコアニメの大家ブシュチスラフ・ポヤールなど錚々たる面々35名。この35名が各々に割り当てられた句を自分なりの解釈で自分らしいアニメーションに仕上げている。とにかく、アニメーションという表現形式の多様さに驚かされるし、個々の色合いの差に驚かされることは間違いなしのアニメーションだからこそ作り上げることが出来たコンピレーション作品です。
　このアニメーションに続いて、後半は35人の作家たちの製作過程や作品に対する思いを語ったメーキング的な作品『冬の日の詩人たち』が上映されます。これも本編を観た後ではアニメーションの深さを実感すること間違いなしの本当に興味深い作品になっています。アニメーションの深さと“連句”という表現形式が見事の合致した作品『冬の日』。ぜひ、劇場に足を運んでください。

「35人のアニメーション作家が作りあげる新たな「冬の日」の世界」

　作品は本編である1部『冬の日』とメイキングである2部『冬の日の詩人たち』に分けられている。
　本編は始まりの“発句”を担当するロシアの天才アニメ詩人ユリーノ・ノルシュテインに続き、この企画の発案者である川本喜八郎が続く。その後、様々な国のアニメーション作家たちが自分の感じた句のイメージを自分らしいアニメーションに描いていく。それぞれの作品は独立しながらも、新しい「冬の日」という世界を構築していく。
　第二部『冬の日の詩人たち』では、そのアニメーションの舞台裏をアニメーション作家たちへのインタビュー、製作過程などを捉えていく。


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