『ヒッチハイク 溺れる箱舟』
配給：バイオタイド
オフィシャルサイト：
http://www.fullmedia.co.jp/hitch/
寺島進
竹内ゆう紀
山本浩司
小沢和義
監督：横井健司
原案・プロデューサー：永森裕二
プロデューサー：太田裕輝
脚本： KAZU/永森祐二
撮影監督：下元哲
編集：山本浩司
美術：西村徹
音楽：遠藤浩二
2004年/日本/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/1時間23分
「カージャックされた車内から表れてくる人間の本心。そして一転二転するサスペンス・ロード・ムービー」
ちょい役だろうが重要な役だろうが、どんな作品でも存在感を示している役者 寺島進。日本を代表するバイプレイヤーである。昨年の主演作『幸福の鐘』も印象深かったそんな寺島進の主演作が公開される。それが今回紹介する作品『ヒッチハイク 溺れる箱舟』である。
愛情も冷め切って、不信感さえ芽生えている中年夫婦が1台の車で移動しているところに飛び出してきた若い男。「車が故障したので乗せて欲しい」という若者の言葉を信じ、親切心から乗せることにするが、それが思いもよらぬ事態の始まりとなるというこの作品、なんとなくどこかで聞いたことのあるような話、実際に起こった事件を題材にしているようにも感じられる。それはこういった話が当たり前のように転がっているということが、私たちの頭の根底にあるからなのかもしれない。
監督は『飼育の部屋』シリーズの横井健司。横井監督はこの作品について「一度ロードムービー的なことをやってみたかった、というのがあったので、まずそこに惹かれましたね。何が起こるかわからない前提で話が進んでいくという部分にもとても興味が持てました。そしてこの作品に関しては、元々アメリカの70年代テイストのニューシネマ的な匂いを出したいというのがあったんです。本当ならアリゾナあたりの砂漠の一本道に車が駆け抜けていくようなイメージなんでしょうが、企画の段階で“出来れば北海道で”という話があり、そこでより広大な土地を求めていったら北海道になったんですよね。」と語っている。夫婦の愛情を遠ざけたであろう“転勤”、余り車が通らないからこそ飛び出してでも車を止めなければならない“人気のなさ”というこの物語を成立させるのに欠かせないシチュエーションとして北海道があったのである。そして、この北海道の開放的な風景が閉塞的な車の中との印象的なコントラストを生じさせている。
出演は、寺島進の他、CMで活躍中の竹内ゆう紀、『ばかのハコ船』、『リアリズムの宿』と山下敦弘監督の作品に連続して主演している山本浩司、『飼育の部屋』シリーズの小沢和義。小沢和義はKAZUという名前でこの作品の脚本も手がけている。
作品自体は、親切心からヒッチハイクの男を乗せたが、実は男は強盗犯であり、夫婦に対して非道の限りを尽くしていくというイタリア映画『ヒッチハイク』（監督：パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、主演：フランコ・ネロ、コリンヌ・クレリー）にヒントを得て、そこに日本の閉塞的な社会が生み出した“ねじれ”を取り込んでいるという。そういった“ねじれ”を抱えた者たちが1台の車に乗り込み、移動していくことにより動き始める物語。それは単純なカージャックという犯罪なのだが、その犯罪がエスカレートしていくことにより同乗者たちに思わぬ心理的な状況が生まれ、自分たちの化けの皮、“ねじれ”が剥がされはじめていく。そして一転二転する物語、その結末には何が待っているのか。ぜひ、劇場に足を運んでください。
「ヒッチハイクのひとりの男を乗せたことで始まる恐怖」
北海道・新千歳空港。ここで東京からやって来る妻を待つ中年の男がいる。彼の名は姿俊夫。北海道支店の支社長として単身赴任をしている身だ。俊夫の妻・麗子は彼よりずいぶん若い長身の女性だが、ふたりの間の愛情は冷め切っていた。そして、俊夫は不倫をしていた。
俊夫の運転で真っ直ぐ伸びる北海道の道路を走り続ける車。その前にひとりの男が突然飛び出してきた。男は「車が故障したので乗せて欲しい」と困り果てた口調で話す。妻は反対するが、俊夫は親切心からその男を目的地まで乗せることにする。その男の名は黒田という。
黒田は礼儀正しく、会話も円滑に進んでいくが、日が暮れた頃に黒田の態度が豹変する。怒った俊夫は黒田を降ろそうとするが、黒田はショットガンを取り出し、逆にふたりを脅し始める。それはふたりにとって恐怖の旅の始まりだったが、それだけではなかった。
この部分はiframe対応のブラウザで見てください。
DVD比較はベストプライス
ちょい役だろうが重要な役だろうが、どんな作品でも存在感を示している役者
寺島進。日本を代表するバイプレイヤーである。昨年の主演作『幸福の鐘』も印象深かったそんな寺島進の主演作が公開される。それが今回紹介する作品『ヒッチハイク
溺れる箱舟』である。
監督は『飼育の部屋』シリーズの横井健司。横井監督はこの作品について「一度ロードムービー的なことをやってみたかった、というのがあったので、まずそこに惹かれましたね。何が起こるかわからない前提で話が進んでいくという部分にもとても興味が持てました。そしてこの作品に関しては、元々アメリカの70年代テイストのニューシネマ的な匂いを出したいというのがあったんです。本当ならアリゾナあたりの砂漠の一本道に車が駆け抜けていくようなイメージなんでしょうが、企画の段階で“出来れば北海道で”という話があり、そこでより広大な土地を求めていったら北海道になったんですよね。」と語っている。夫婦の愛情を遠ざけたであろう“転勤”、余り車が通らないからこそ飛び出してでも車を止めなければならない“人気のなさ”というこの物語を成立させるのに欠かせないシチュエーションとして北海道があったのである。そして、この北海道の開放的な風景が閉塞的な車の中との印象的なコントラストを生じさせている。
作品自体は、親切心からヒッチハイクの男を乗せたが、実は男は強盗犯であり、夫婦に対して非道の限りを尽くしていくというイタリア映画『ヒッチハイク』（監督：パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、主演：フランコ・ネロ、コリンヌ・クレリー）にヒントを得て、そこに日本の閉塞的な社会が生み出した“ねじれ”を取り込んでいるという。そういった“ねじれ”を抱えた者たちが1台の車に乗り込み、移動していくことにより動き始める物語。それは単純なカージャックという犯罪なのだが、その犯罪がエスカレートしていくことにより同乗者たちに思わぬ心理的な状況が生まれ、自分たちの化けの皮、“ねじれ”が剥がされはじめていく。そして一転二転する物語、その結末には何が待っているのか。ぜひ、劇場に足を運んでください。
北海道・新千歳空港。ここで東京からやって来る妻を待つ中年の男がいる。彼の名は姿俊夫。北海道支店の支社長として単身赴任をしている身だ。俊夫の妻・麗子は彼よりずいぶん若い長身の女性だが、ふたりの間の愛情は冷め切っていた。そして、俊夫は不倫をしていた。
