『花嫁はギャングスター』
配給：松竹
オフィシャルサイト：
http://www.hanagang.jp/
シン・ウンギョン
パク・サンミョン
アン・ジェモ
キム・イングォン
シム・ウオンチョル
チェ・ウンジュ
イ・ウンギョン
チャン・セジン
ミョン・ゲナム
チェ・ミンス
監督：チョ・ジンギュ
脚本：カン・ヒョジン
キム・ムンソン
撮影：チヨン・ジョミョン
2001年/韓国/カラー/ドルビーデジタル/1時間50分
「ハリウッドリメイクも進行中！韓国で大ヒットしたヒロイン･アクション・コメディー作品」
今、日本で最も勢いのある映画といえば、韓国映画だろう（その公開本数が今年1年だけで30本以上になるという話は以前にも書いた気がする）。ベタな恋愛作品からアクション、大作まで本当に幅広い作品が公開されるのだが、その中で今回紹介する作品『花嫁はギャングスター』は韓国初のヒロイン・アクション映画として大ヒットを飛ばした話題作である。
この作品は、公開前から韓国初のヒロイン･アクション映画ということが大きな話題となっていたが、それが実際に観客に受け入れられるのかという部分で製作サイドは大きな困惑を抱えていたという。しかし、作品が公開されるとそうした困惑が杞憂であったことが証明される。作品は予想を超える大ヒット（劇場のチケットが手に入らない状況も）、最終的には観客動員数540万人、興行収入125億円を記録した。これは女性が主人公の作品としては、日本でも大ヒットした『猟奇的な彼女』を抜き、No.1であり、韓国映画の歴代No.5の記録となっている。この作品は韓国だけではなく、香港でもボックスオフィスのNo.1を記録したほか、世界各国での公開も決定している。しかもあのミラマックスがリメイク権を韓国映画史上最高の110万ドルで購入したというオマケまで付いてきた作品なのである。
ヤクザの女親分であるウンジン。男も顔負けの強さで、その地位を築きあげてきた女親分である彼女は組織のボスからも一目おかれる存在だった。そんな彼女には、幼い頃に孤児院で別れ別れになった姉がいた。ある日、彼女は姉との再会を果たすが、姉は末期ガンに侵されていた。そんな姉はウンジンに対し「あなたの花嫁姿が見たい」とたったひとつだけの願いを言う。その願いをかなえるためにウンジンはお見合いをするのだが････というのがこの作品のストーリー。どこかで聞いたことのあるようなストーリーにも思えるのだが、これが予想以上に面白い。それは主役の女親分のウンジン、ウンジンの夫となる何度もお見合いに失敗している公務員スイル、ウンジンの姉、組織のボスなどキャラクターが実に魅力に溢れているからなんだろう。特に主役のウンジンを演じるシン・ウンギョン（韓国版『リング』、『うずまき』）は、この作品の出演が決定すると、香港の武術監督の指導を仰ぎ、1日3時間以上のウェイトトレーニングを1年以上も続け、撮影中に3週間の怪我を負いながらもハードなアクションをこなしていったという。このウンジンの男勝りの演技がなんといっても最高で、この作品の最大の魅力となっている。他の魅力溢れるキャラクターを演じる出演者は、パク・サンミョン（『反則王』）、ミョン・ゲナム（『グリ−ン・フィッシュ』、『GO』）、キム・イングォン（『ペパーミント・キャンディー』）、アン・ジェモ（『青い門』）などベテランから若手までの幅広い俳優たち。監督は数多くのテレビドラマを制作し、この作品が劇場デビュー作となるチョ・ジュンギュ。
オープニングの雨の中、ウンジンが数十人の敵を切り倒していくシーンなどアクションは派手に描きながら、ヤクザと小市民のズレを面白可笑しく描いたこの作品は作品自体の深みはないけれども、誰もが楽しめるプログラム･ピクチャー的作品に仕上がっている（その辺りがハリウッドのリメイク権につながっているのは間違いない）。もう単純明快に面白いといえる作品なのである。 儒教の思想が根強いといわれる韓国でこの『花嫁はギャングスター』や『猟奇的な彼女』が受けているのはそれだけ社会が動いているということの証明でもあるし、そういった部分が韓国映画の躍進につながっていることは間違いないだろう。ちなみに、韓国では続編も製作され、同じく大ヒットを記録している（これも観たいと思いますよ）。ま、そんなことは考えずにこの作品の面白さを単純に味わえてもらえればと思う。きっと、スカッとしますよ。ぜひ、劇場に足を運んでください。
「ヤクザの女親分ウンジン。彼女は姉の願いをかなえるために結婚をする」
ヤクザの女親分 ウンジン。彼女は組織のボスからも一目置かれる存在だ。彼女には数々の武勇伝がある。その中で最大のものは、ナイフ1本を武器に1人で50人の敵を打ち負かしたというものであった。
彼女には幼い頃に孤児院で別れたきりの姉がいた。ある日、彼女はその姉と再会を果たすが、姉は余命少ない末期ガンであった。そんな姉は彼女にひとつの願いを言う。それは「私が生きているうちにあなたの花嫁姿が見たい」というものだった。もちろん、姉はウンジンがヤクザの親分であることなど知らず、ウンジンに幸せな家庭を持って欲しいと願っていたのだった。姉の願いを叶えるためにウンジンは女らしい振る舞いのためのレッスンを重ね、お見合いへと望む。しかし、どれもこれも失敗の連続。そんな彼女の前にある男が現れる。彼はお見合いに何度も失敗している公務員だった。
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今、日本で最も勢いのある映画といえば、韓国映画だろう（その公開本数が今年1年だけで30本以上になるという話は以前にも書いた気がする）。ベタな恋愛作品からアクション、大作まで本当に幅広い作品が公開されるのだが、その中で今回紹介する作品『花嫁はギャングスター』は韓国初のヒロイン・アクション映画として大ヒットを飛ばした話題作である。
ヤクザの女親分であるウンジン。男も顔負けの強さで、その地位を築きあげてきた女親分である彼女は組織のボスからも一目おかれる存在だった。そんな彼女には、幼い頃に孤児院で別れ別れになった姉がいた。ある日、彼女は姉との再会を果たすが、姉は末期ガンに侵されていた。そんな姉はウンジンに対し「あなたの花嫁姿が見たい」とたったひとつだけの願いを言う。その願いをかなえるためにウンジンはお見合いをするのだが････というのがこの作品のストーリー。どこかで聞いたことのあるようなストーリーにも思えるのだが、これが予想以上に面白い。それは主役の女親分のウンジン、ウンジンの夫となる何度もお見合いに失敗している公務員スイル、ウンジンの姉、組織のボスなどキャラクターが実に魅力に溢れているからなんだろう。特に主役のウンジンを演じるシン・ウンギョン（韓国版『リング』、『うずまき』）は、この作品の出演が決定すると、香港の武術監督の指導を仰ぎ、1日3時間以上のウェイトトレーニングを1年以上も続け、撮影中に3週間の怪我を負いながらもハードなアクションをこなしていったという。このウンジンの男勝りの演技がなんといっても最高で、この作品の最大の魅力となっている。他の魅力溢れるキャラクターを演じる出演者は、パク・サンミョン（『反則王』）、ミョン・ゲナム（『グリ−ン・フィッシュ』、『GO』）、キム・イングォン（『ペパーミント・キャンディー』）、アン・ジェモ（『青い門』）などベテランから若手までの幅広い俳優たち。監督は数多くのテレビドラマを制作し、この作品が劇場デビュー作となるチョ・ジュンギュ。
オープニングの雨の中、ウンジンが数十人の敵を切り倒していくシーンなどアクションは派手に描きながら、ヤクザと小市民のズレを面白可笑しく描いたこの作品は作品自体の深みはないけれども、誰もが楽しめるプログラム･ピクチャー的作品に仕上がっている（その辺りがハリウッドのリメイク権につながっているのは間違いない）。もう単純明快に面白いといえる作品なのである。 儒教の思想が根強いといわれる韓国でこの『花嫁はギャングスター』や『猟奇的な彼女』が受けているのはそれだけ社会が動いているということの証明でもあるし、そういった部分が韓国映画の躍進につながっていることは間違いないだろう。ちなみに、韓国では続編も製作され、同じく大ヒットを記録している（これも観たいと思いますよ）。ま、そんなことは考えずにこの作品の面白さを単純に味わえてもらえればと思う。きっと、スカッとしますよ。ぜひ、劇場に足を運んでください。
ヤクザの女親分
ウンジン。彼女は組織のボスからも一目置かれる存在だ。彼女には数々の武勇伝がある。その中で最大のものは、ナイフ1本を武器に1人で50人の敵を打ち負かしたというものであった。
