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『ハナのアフガンノート』
Joy of Madness 
配給:東京テアトル
オフィシャルサイト:
http://www.cinemabox.com/hana/


キャスト スタッフ データ
アゲレ・レザイ
アゲレ・ファラマンド
ビビゴル・アセフ
シマ・アセフ
ハジ・ラムディン
ラジ・モヘビ
アジゾラ・ウァキル
カーウェ・モインファ
サミラ・マフマルバフ
マルズィエ・メシュキニ
モフセン・マフマルバフ
監督、撮影:ハナ・マフマルバフ
製作:マフマルバフ・フィルムハウス
編集、音響:マスタネ・モハジュル
音楽:モハマド・レザ・ダルヴィシ
※第4回東京フィルメックス審査員特別賞受賞

2003年/イラン/1時間13分/1:1.66

イントロダクション
「イラン映画を支えるマフマルバフ一家の末娘ハナ 13歳のデビュー作品」
 政治家一家も当たり前なら、音楽家一家というのも結構当たり前。俳優一家というのもまた当たり前になってきている。ここでいう一家とは家族ということで、親父や爺さんや息子という家系図には縦の流れ、ま、二世とか三世なんて呼ばれたりする部分なんだけど、こういうのって血も大きいけど、環境が大きいんだろうなと感じたりする(僕の知っているジャズドラマーの息子(多分、5歳くらいだろう)もステージの合間に適当に親父のドラムを叩いていたけど様になっていた)。もちろん、映画一家というのも存在して、その代表格はコッポラ一家だろう。そして今回紹介する作品『ハナのアフガンノート』もそんな映画一家から生まれてきた作品である。
 この作品『ハナのアフガンノート』の監督はハナ・マフマルバフ。その名前にピン!ときた方もいると思うが、イランを代表する映画監督モフセン・マフマルバフの娘である。もうひとりの娘サミラ・マフマルバフは『ブラックボード 背負う人』で2000年カンヌ国際映画祭の審査員特別賞を受賞するなど世界的な評価を獲得し、世界中から選ばれた11人の監督のオムニバス作品『11'09''01/セプテンバー11』にも参加している。長男のメイサム、モフセンの妻(娘や息子にとっては母親)のマルズイエ・メシュキニも映画監督である。要するにこの家族すべてが映画監督なのである。こうした形でマフマルバフ一家が映画家族となったきっかけは、長女のサミラが14歳のときに学校を辞めて映画を学びたいとぶつけた希望から父親が開校した映画学校にある。これは父親であるモフセンの自宅権事務所に彼の家族を中心とする生徒たちが集まり、映画だけでなく、一般常識や英語などの学科まで学ぶというものであったという。学科的にはホームスクールのようなものであったが、そこに映画の現場という実践的な部分が備わってきていたのだ。当然、この実践的な現場に刺激を受けないわけがない。こうして当たり前のように映画に関する実践的な部分はもちろん、感性も磨かれていったのだろう。
 さて、この作品『ハナのアフガンノート』はハナ・マフマルバフの監督デビュー作である。恐ろしいというのか、彼女がこの作品を撮ったのはなんと13歳の時である。そして、この作品は彼女が14歳の時にヴェネチア国際映画祭の批評家週間に公式出品されている。もちろん、この年齢は国際映画祭出品の最少年齢である(それ以前は姉のサミラだった)。
 ほぼ同時に公開されるサミラの最新作『午後の五時』(2003年カンヌ国際映画祭 審査員賞 受賞)のメイキングとして企画されたこの作品『ハナのアフガンノート』だが、単なるメイキングではなく、『午後の五時』のキャスティングの過程を捉えた作品として、非常に面白い内容のドキュメンタリーになっている。アフガニスタンの現地に赴き、住民に声をかけ、面接と映画への出演依頼をしていくサミラ。彼女はとても22歳(当時)とは思えない厳しさが漂っているし、面接されるアフガニスタン人の側には、映画には出たいが外部への人間の警戒心、身内の人間への(極端な言い方で)恥という心のあり方が表れている。そんな状態だからキャスティングも一筋縄には行かないのだ。この辺りはモフセンが新作映画を撮るにあたってのキャスティング、オーディションの顛末を描いた『サラーム・シネマ』と観比べてみても面白いだろう。そして、ハナの捉えるアフガンの街は驚くほど荒れ果てている。
 ハナはこの作品を撮るきっかけについて、『午後の五時』のメイキングをつくる仕事を私がやることになったことを前提とした上で「カブールをお父さんと一緒に2、3日歩いている時、両親も死んじゃって孤児なんだと言うひとりの男の子に会いました。私たちは彼を自分たちの家に招待し、世話をし、泊めてあげました。そして、その男の子が来て3日目にある人がやってきて、この子にはお父さんがいるんだよと言いました。実際、その子にはお父さんがいました。その時、私は、この子を撮っていれば、すごく面白い映画になったなと思いました。そこで、私は姉の映画のメイキングだけでなく、自分のドキュメンタリーも作りたくなったのです。」と語っている。キャスティングという過程を撮ったドキュメントではあるが、そこには確かに彼女がその男の子から感じ取ったものが反映されている。
 13歳の作品だから、この作品の視点が子供じみているとかそんなことは一切ない。正直、そう言われなければ気づかない作品である。もちろん、『午後の五時』と合わせて観ることをお勧めするが、これだけでもアフガニスタンの人々の一部ではあるが人間性や風景が浮かび上がってくる雄弁な作品である。イラン映画が好きな方、アフガニスタンという土地、13歳という年齢に興味を引かれた方はもちろん、人間に興味のある方などぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「『午後の五時』のキャスティングの過程とアフガニスタンの風景、心像』
 何度もの戦火を潜り抜けてきた生々しさが残るアフガニスタンの首都カブールの街並み。
 22歳のイラン人映画監督サミラ・マフマルバフは“アフガニスタンの女性をテーマとした新作映画”の出演者を現地で探していた。
 主人公の父親役である老人に適した人物を見つけ、出演約束を取り、馬車に乗るための訓練までしたが、老人は突然、出演できないと主張し始める。主人公探しは、ある教師に当たりをつけるがなかなかうまく行かない。映画に必要な赤ん坊探しはうまく行くはずだったのだが、親の気まぐれでめちゃくちゃ。そんな彼らをサミラをはじめスタッフは熱心に説得していく。果たして、キャスティングは無事に決まるのだろうか。
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