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『肌の隙間』

配給:アルゴピクチャーズ
オフィシャルサイト:
http://www.argopictures.jp/lineup/hadano.html
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
不二子
小谷健仁
伊藤洋三郎
飯島大介
吉村実子
三浦誠己
監督:瀬々敬久
脚本:佐藤有記
撮影:斉藤幸一
編集:酒井正次
2004/日本/カラー/ヴィスタサイズ
/1時間17分

イントロダクション
「“ピンク四天王”と呼ばれた瀬々敬久監督の映像が強烈な最新作にして久々のピンク映画」
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  昨年、期間限定のレイトショーという多くに人の目にはひっかかる上映形態ではなかったが、連日満員という盛況を生んだ作品がいまおかしんじ監督による『たまもの』だった。実はこの作品『熟女・発情 タマしゃぶり』というタイトルで公開されたピンク映画だったのだが、内容の素晴らしさ(各国の映画祭にも招聘された)からタイトルを変え、一般劇場公開されることとなったのだった。往年の日活ロマンポルノの作品が邦画の名作、傑作として語り継がれ、ピンク映画の面白さが伝え続けられる中、実際にピンク映画館にピンク映画を見に行くのは大きな抵抗があるが、それ程いいといわれる作品なら観ておきたいという映画ファンの欲求が現れた結果が、この『たまもの』の予想以上のヒットに繋がったのだろう。今回紹介する『肌の隙間』もそういったピンク映画が、一般劇場で公開されるというパターンの作品である。
  『たまもの』を監督した いまおかしんじは一時的に“ピンク七福神”と呼ばれていたピンク映画のこれからを担う監督のひとりであった。この“ピンク七福神”はその前の世代に当たるピンク映画を担ってきた“ピンク四天王”と呼ばれる監督たちへの対抗勢力的な意味合いも込めて命名されたのだが、今回紹介する作品『肌の隙間』はその独自の世界ゆえに90年代に圧倒的な評価を獲得した“ピンク四天王”のひとりである瀬々敬久監督による最新作である。
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  瀬々監督は1960年生まれ。自主映画で大きな評価を受けた後に助監督としてピンク映画に参加。監督デビューは1989年。その後、独自の作風で“ピンク四天王”の一端として活躍し、大きな支持を獲得する。1997年に『KOKKURI こっくりさん』、『雷魚』で一般劇場映画に進出。『DOG STAR/ドッグ・スター』やラルクアンシェルのHYDEとGacktの共演が話題となった『MOON CHILD』などを監督している。あの当時、“ピンク四天王”と呼ばれた監督の中で最も活躍し、今後も大いに期待されているのが、この瀬々監督なのである。
  そんな瀬々監督にとって久々のピンク映画であるこの『肌の隙間』は相当に意欲的な作品となっている。何が意欲的かといえば、元々16ミリのフィルムで撮影したものを35ミリへブローアップしていること(これによって必然的にフィルムの粒子の荒れが生じる)、そして全編同時録音、一切の音楽も使用していないという点である。フィルムのざらつきはそういったものがない状態に比べると不安定さを生じさせるし、音楽を使用していないということは意図的に作り出せる映画的な効果を捨ててしまっているということであるし、全編同時録音であるということは現実感を生み出す効果はあるが、逆に言葉の聞き取りにくさを生じさせることもある。要するに、一般的に映画と考えられて、知らずに認識しているものに対する反逆(とまではいかないが)的な部分がこの作品にはあるのだ。そして、こういった手段をとることにより、恐ろしいぐらいに立ち上がってくるのが映像と物語の持つ切迫感、重さなのである。
  この作品は、精神的な障害のある女が殺人を犯した甥に当たる少年を連れ、逃げるというロード・ムービー的物語となっている。逃げていく中で女は少年を欲し、少年も女を欲するようになる。殺人というニュースは流れるが、具体的な追っ手は出てこない。精神的に追い詰められていく中での逃亡。その行き着く先は自ずと分かるだろう。
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  正直、物語に新味はないかもしれない。ただ、この作品はワンカット、ワンシーンの映像の切り立ち方がものすごいインパクトをもたらしてくる。それは作品を観終わって、数日たっても消えることがない。作品の中ではトマト、魚、卵などの小道具が印象的に使用されているのだが、この映像が色味や形状の凄みで伝わってくるし、オープニングのバイクでの逃走のシーンなども美しく、鮮烈だ。そういった映像の凄みを生み出している要因のひとつが、言葉を話さず、瞬きすらしない強烈な目で訴える精神的な障害のある女性役の不二子と少年から大人への変化を演じる甥役の小谷健仁という主演の二人であることは間違いない。同時録音のロード・ムービー的な作品であるため、正直、台詞を完全に聞き取ることができない部分も多いし、音楽も入らないため、息が抜けないという部分もある。そしてこのことは一般の劇場公開作よりは相当に短い作品(ピンク映画としてはちょっと長め)なのに相当な体力(観る力)を強いるという部分に繋がってくる。妙に息の抜けない、閉塞的な状況を生み出すと言ったらいいのかな、とにかくそういった作品だ。しかし、その結果が映像の凄み、必然的にこちらが迫っていく状況を生み出すことになっている。最初は音楽も入れようと思っただろうし、音声もアフレコしようとしていたはずだ。でもそれをしなかったのが、映像とそれを生み出す役者の切り立つ凄みにかけたということなのだろうか。作家性の強さからエロさがないなど揶揄された監督だからこそ生み出せる凄みの作品ですね、これは。万人向きではないかもしれないが、映像の凄み、ピンク映画の深みを感じたいなら、観てもらいたい作品です。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「母親を殺した少年、叔母は彼を連れ、あてもなく、ひたすらに逃げ続ける」
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  渋滞を縫うように走り抜けていくスクーター。女が運転するそのスクーターの後には少年が乗っていた。しがみついているように思われた少年の手は縛られていた。スクーターは草原の中に転倒し、少年の手を結んでいたロープも外れる。しかし、少年はそこから逃げることなく、女と共に行動をする。精神的な障害を抱えているらしい女は少年の叔母だった。実は女は母親を殺した甥の少年を連れて逃げている途中であった。しかし、その逃亡にはあてなどなかった。それでもふたりは逃亡を続け、一軒の無人の山荘にたどり着く。
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