『H [エイチ]』
H
配給：
GAGAアジア・グループ
/
アニー･プラネット
チョ・スンウ
ヨム・ジュンア
チ・ジニ
ソン・ジル
キム・ソンギョン
キム・インクォン
キム・ブソン
監督、脚本：イ・ジョンヒョク
製作：リュ・ジンオク
脚本：キム・ヒジェ
撮影：ピーター・クレイ
編集：ハム・ソンウォン
美術：イ・ジョンピル
音楽：チョ・ソンウ
2002年/韓国/カラー/シネスコ/ドルビーSRD/1時間46分
「韓国発、『羊たちの沈黙』+『セブン』的なサスペンス・スリラー作品」
今年（2004年）は30本以上の韓国映画がこの日本で公開されるという話を聞いた。単純計算で1ヶ月に2本から3本の韓国映画がどこかの映画館にかかっているというわけだ。実際、『悪い男』、『ラブストーリー』、『オアシス』、『気まぐれな唇』、『ハッピーエンド』といった作品が現在（04/3/6）も東京では上映されているし、『おばあちゃんの家』、『ガン＆トークス』、『チャンピオン』といった作品も東京以外の地域で上映されていたりする。その作品の内容もベタベタのラブ・ストーリーからアート系の臭いのする作品まで幅広いジャンルにまたがっている。今回紹介する作品『Ｈ[エイチ]』はそんな韓国映画が描くサイコ殺人もののサスペンス・ミステリーである。
サイコ的な殺人ものといば『羊たちの沈黙』のレクター博士や『セブン』のジョン・ドゥを思い出す人もいるだろうが、この作品に出てくる殺人鬼はすでに６人の女性の壮絶極まりないやり方で殺し、収監されている。彼は死刑を宣告され、その日を待つ身である。そんな中、彼が殺した手口と同じやり口で連続殺人が起こっていく。刑事たちは彼との何らかの関連を疑い、接触をするが、謎めいた言葉を残しはぐらかされてしまう。果たして、連続殺人に彼は絡んでいるのか。一体、連続殺人の犯人、動機は何なのかというのが、この作品のストーリー。
監督はこの作品『Ｈ[エイチ]』が長編監督デビュー作となるイ・ジョンヒョク。韓国の映画アカデミーを卒業し、漢陽大学大学院映画化を卒業後、ドキュメンタリーなどを演出してきた今後の活躍が大いに期待される監督である。この作品では脚本も自らの手で書き上げている。
出演は、現在大ヒット中の作品『ラブストーリー』に主演するチョ・スンウ、この作品と同様に猟奇殺人をテーマにし、大ヒットしたサスペンス・スリラー『カル』での好演が印象的な女優 ヨム・ジュンア、フジテレビ系で放映された日韓合作ドラマ「ソナギ〜雨上がりの殺意〜」で米倉涼子と共演し、日本でも大きな注目を浴びたこの作品が映画デビュー作となるチ・ジニなど、今後の活躍も大きく注目される俳優たちである。
サイコ的な殺人ものの例として、先に『羊たちの沈黙』と『セブン』をあげたが、この作品『Ｈ[エイチ]』はそのふたつの作品をミックスしたような流れの作品となっている。連続殺人事件を解決するために過去にそういった事件を起こした殺人鬼に刑事がアドバイスを求めようとする点、実際に起こっている連続殺人はアドバイスを求めている連続殺人鬼が起こした殺人になぞられている（ある意味で儀式的）点である。このふたつの点がミックスし、緊張感を持ちながら進んでいく映像、ストーリーを観ながら考えることは「きっと犯人はあいつなんだけど、その理由は何なんだろうか」という犯人と理由探しになると思います（そしてそのラストをどう感じるかで大きく評価が分かれる作品だろう）。惨殺された女性、胎児の死体や耳をそぎ落とすシーンなど血生臭いシーンはもちろん、俳優たちの好演が光る作品でもあります。ぜひ、劇場に足を運んでください。
「連続して発生する猟奇殺人。それは監獄にいる猟奇殺人犯の犯した事件と附合していた」
雨が降る中、ゴミ集積場での埋め立て作業に終われるブルドーザー。その時、ブルドーザーのドーザーがすくい上げたゴミの中に若い女性の死体があった。現場で捜査にあたる警察はそこで新たな死体を見つける。それは死体の女性から引きずり出された胎児の死体であった。それから一ヵ月後、今度はバスの中で女性が殺される。妊婦であった彼女のおなかは十文字に切り裂かれていた。
捜査に当たる女性敏腕刑事ミヨンと新人であるカン刑事らはこれらの連続殺人事件が現在、死刑を待っている身である猟奇殺人犯シン・ヒョンが起こした事件に符合していることに気付き、彼への尋問を開始する。シン･ヒョンは合計で6人の連続殺人を犯していた。そして、ミヨン刑事の恋人はシン・ヒョンを尋問中に不可解な自殺していた。果たして、次の事件はいつ起こるのか、犯人は誰なのか、一致する附合はどういうことなのか、刑事たちの捜査は続いていくのだが････。
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今年（2004年）は30本以上の韓国映画がこの日本で公開されるという話を聞いた。単純計算で1ヶ月に2本から3本の韓国映画がどこかの映画館にかかっているというわけだ。実際、『悪い男』、『ラブストーリー』、『オアシス』、『気まぐれな唇』、『ハッピーエンド』といった作品が現在（04/3/6）も東京では上映されているし、『おばあちゃんの家』、『ガン＆トークス』、『チャンピオン』といった作品も東京以外の地域で上映されていたりする。その作品の内容もベタベタのラブ・ストーリーからアート系の臭いのする作品まで幅広いジャンルにまたがっている。今回紹介する作品『Ｈ[エイチ]』はそんな韓国映画が描くサイコ殺人もののサスペンス・ミステリーである。
サイコ的な殺人ものといば『羊たちの沈黙』のレクター博士や『セブン』のジョン・ドゥを思い出す人もいるだろうが、この作品に出てくる殺人鬼はすでに６人の女性の壮絶極まりないやり方で殺し、収監されている。彼は死刑を宣告され、その日を待つ身である。そんな中、彼が殺した手口と同じやり口で連続殺人が起こっていく。刑事たちは彼との何らかの関連を疑い、接触をするが、謎めいた言葉を残しはぐらかされてしまう。果たして、連続殺人に彼は絡んでいるのか。一体、連続殺人の犯人、動機は何なのかというのが、この作品のストーリー。
サイコ的な殺人ものの例として、先に『羊たちの沈黙』と『セブン』をあげたが、この作品『Ｈ[エイチ]』はそのふたつの作品をミックスしたような流れの作品となっている。連続殺人事件を解決するために過去にそういった事件を起こした殺人鬼に刑事がアドバイスを求めようとする点、実際に起こっている連続殺人はアドバイスを求めている連続殺人鬼が起こした殺人になぞられている（ある意味で儀式的）点である。このふたつの点がミックスし、緊張感を持ちながら進んでいく映像、ストーリーを観ながら考えることは「きっと犯人はあいつなんだけど、その理由は何なんだろうか」という犯人と理由探しになると思います（そしてそのラストをどう感じるかで大きく評価が分かれる作品だろう）。惨殺された女性、胎児の死体や耳をそぎ落とすシーンなど血生臭いシーンはもちろん、俳優たちの好演が光る作品でもあります。ぜひ、劇場に足を運んでください。
雨が降る中、ゴミ集積場での埋め立て作業に終われるブルドーザー。その時、ブルドーザーのドーザーがすくい上げたゴミの中に若い女性の死体があった。現場で捜査にあたる警察はそこで新たな死体を見つける。それは死体の女性から引きずり出された胎児の死体であった。それから一ヵ月後、今度はバスの中で女性が殺される。妊婦であった彼女のおなかは十文字に切り裂かれていた。
