ホーム ライブラリー コラム プレゼント トレイラー ショップ 掲示板 会社概要
公開劇場一覧を別ブラウザで開きます。 前のページに戻ります

『午後の五時』
At Five in the Afternoon
配給:東京テアトル
オフィシャルサイト:
http://www.cinemabox.com/gogo/


キャスト スタッフ データ
アゲレ・レザイ
アブドルガニ・ヨセフラジー
マルズィエ・アミリ
ラジ・モヘビ
監督、脚本:サミラ・マフマルバフ
脚本、編集:モフセン・マフマルバフ
撮影:エブラヒム・ガフーリ
音楽:モハマド・レザ・ダルヴィシ
(アフガン伝統音楽に基づく)
2003年/イラン・フランス/カラー/35mm/1:1.85/1時間45分

イントロダクション
「タリバン政権崩壊後のアフガニスタンを女性監督ならではの視点で描いた作品」
 モフセン・マフマルバフ監督といえば数々の賞を受賞し、世界に映画という手段で現実を訴えつづけて来たイラン映画界を代表する人物である。今回紹介する作品『午後の五時』はモフセン監督の下で常に映画というものを身近に感じ、自らも世界の中にある自国や近隣諸国の希望と悲しみを感じ、見て、作品を発表してきた長女のサミラ・マフマルバフが監督した作品である。本作は昨年(2003年)のカンヌ国際映画祭で審査員賞受賞という快挙も成し遂げている(ちなみに同時公開されている『ハナのアフガンノート』はサミラの妹ハナ・マフマルバフの手による『午後の五時』のキャスティングの様子を中心に捉えたドキュメンタリー作品である。こちらもぜひ、同時に観ることをお勧めします)。
  父親であるモフセン・マフマルバフ監督がアフガニスタンを舞台とした作品『カンダハール』を撮ったのはまだ9.11事件が起こる前、アフガニスタンという国が世界から忘れられた状況下にあった頃であった。モフセン監督はその現状を世界に伝えるべく作品を発信したのだった(結果的には、偶然にも公開が9.11とかぶることとなった)。そして9.11の悲劇によってアフガニスタンへの空爆が始まり、雪崩れ式にタリバン政権が崩壊し、暫定政権が樹立された(が、政治的な混乱は現在も続いている)。そうしたアフガニスタンという国に起こっている変化や変化していない世界を私たちはニュースの映像からしか知ることが出来ない。今回、サミラ・マフマルバフ監督が描くのは、どこにでもいる一人の女性に焦点を合わせ、彼女を取り巻くアフガニスタンという国と女性の夢である。
  真っ青なブルカに透き通るような青い日傘をさすノクレ。女性が学校へ行ったり働いたりすることが許されたことでノクレは毎日普通学校へ通う。いまだに女性が学校へ行くことを神への冒涜と信じている父親に隠れて普通学校へ通っているのだ。将来は女性も仕事を持ち、勉強したいと願う生徒たちに混じりノクレは大統領になることを夢見る。同級生(実際には何歳も年下の少女)ミナがノクレ同様に大統領を夢見て将来への気持ちを堂々と語るのを見てますますノクレの気持ちは強くなるのである。
 タリバン政権が崩壊したことで女性の就学や就労が開かれたといっても、それは決して簡単なことじゃない。ノクレのように昔から神への信仰心が厚い父親に隠れながらの通学やブルカで顔を覆い被るなどの伝統を壊すことは容易いなことじゃない。もちろんこれは日本だろうがアフガニスタンだろうが同じことだろう。その国に生まれた以上、伝統やしきたりをいつまでも守っていく家族も実在するということだ。その中で女性として、人間としてどう生きたいのか、サミラは希望と同時に女性の芯をも願っているような気がする。実際にノクレを取り巻く環境は、家や家族を失った難民たちが次から次へと押し寄せ日々の小さな騒動と葛藤するだけである。日々の食料でさえ、満足に手にすることができない。そんな中でノクレの想いは虚しく感じられ、確実に弱っていく赤ん坊の命と苦しくなるばかりの生活に絶望感さえ漂う。そういったことを考えるとアフガニスタンに暮らす人々がアフガニスタンという国で政治について考える余裕など無いようにも思える。
 映画の題名にもなった“午後の五時”とはスペインを代表する詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカの詩の一節である。ノクレが静かに朗読するこの詩はロルカが受け入れざるを得なかった社会背景と今のアフガニスタンの現状を重ねているかのように、暗闇の中、切なく響く。
(文責:佐藤まゆみ)

ストーリー
「風をはらんで大きくふくらむ青いブルカは、自由への憧れにふくらむ心」
長い戦争によって、女性たちに就学、就労を禁止してきたタリバン政権が崩壊する。そんな中に普通学校へ通い、いずれは大統領になろうと夢見る女性ノクレがいた。女性が学問をすることは神への冒涜と信じ、伝統を守ってきた父親に内緒で学校に通い、心の底に秘めた思いを膨らませるノクレ。突然の同級生の死や詩人である青年との出会いなど様々な出来事が起こる中、ノクレは自分自身の夢を追い求めようとするが…。
movilog
ピックアップムービー
サーチ
DVD比較はベストプライス


リンク
メールマガジン登録
神雕侠侶オフィシャルウェブサイト
ベクター・メディカルテック・ジャパン
*giggle
本サイトをご覧になりるにはFlashPlayerが必要です。 IE5.0以上推奨 画面サイズ推奨800×600以上 お問い合わせ先