「私は、二人の若者の人生を通して私の物語を語ることにした。一人は、50年前のもう一人の人生を調べている。そこで、彼は、ある愛の物語を通して、二人が同じ特徴を持っていることを発見する。」ピエール・グランブラ監督はそう語る。妖しいまでの美貌で女性ファンを魅了し、『ピアニスト』でカンヌ映画祭主演男優賞を史上最年少で受賞したフランス映画新世代の旗手ブノワ・マジメルと、未だにフランス映画史上、最高の至宝として君臨し続けている伝説的な大女優ジャンヌ・モロ−が共演する哀切極まりない悲恋の物語である。反ナチ抵抗運動を描いた映画には、フランソワ・トリュフォ−監督の『終電車』やルイ・マル監督の『ルシアンの青春』や『さよなら子供たち』など数多くの名作がある。これらの作品に共通するのは、監督自身の切実で自伝的なモティ−フが込められていることだろう。長い間、テレビで活躍していたピエ−ル・グランブラ監督が、26年ぶりにメガフォンをとった『銀幕のメモワ−ル』も、ユダヤ人としての彼自身のアイデンティティを賭けた、どうしても撮らなければならなかった集大成的な作品といえる。 |