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『エレニの旅』
TRILOGY:WEEPING MEADOW 
配給:
オフィシャルサイト:http://www.bowjapan.com/eleni/

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
アレクサンドラ・アイディニ
ニコス・プルサニディス
ヨルゴス・アルメニス
ヴァシリス・コロヴォス
エヴァ・コタマニドゥ
タリア・アルギリウー
ミハリス・ヤナトス
トゥーラ・スタトプロウ
監督、脚本:テオ・アンゲロプロス
製作:フィービー・エコノモプロス
脚本協力:トニーノ・グエッラ
      ペトロス・マルカリス
      ジョルジオ・シルヴァーニ
撮影:アンドレアス・シナノス
編集:ヨルゴス・トリアンダフィール
美術:ヨルゴス・パッツァス
    コスタス・ディミトリアディス
衣装:ユーリア・スタヴリドゥー
音楽:エレニ・カラインドルー
*2004年 ヨーロッパ映画賞
  国際映画批評家連盟賞 受賞


2004/ギリシャ、フランス、イタリア、
ドイツ/1:1.66/DTS/ドルビーSRD/
2時間50分

イントロダクション
「名匠テオ・アンゲロプロス監督の6年ぶり、待望の新作は20世紀を描く壮大な3部作の第1弾」
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  長きに渡る映画監督としてのキャリアに対して、決して多いとは言えない作品数(寡作ということは出来るだろう)、ヨーロッパの映画祭を中心とした圧倒的な評価と受賞歴、そしてその作品の上映自体がすでに伝説となっている部分もあるギリシャを代表する映画監督テオ・アンゲロプロス。彼の本当に待望の新作が遂に公開される。それが今回紹介する作品『エレニの旅』である。
  頭に書いたことをについて簡単に触れていくと、1960年代後半から映画を撮り始めたアンゲロプロス監督がこの最新作までに発表した作品は未完のものも含めて僅か16本(内長編12本)、カンヌ国際映画祭でのパルム・ドール、ヴェネチア国際映画祭での金獅子賞をはじめ数多くの受賞及びノミネート(作品を発表すれば、ほぼ確実にノミネートされる)、黒澤明、大島渚、黒沢清、ジム・ジャームッシュなど数多くの映画人や批評家たちによるレスペクト、未だ語られ続ける4時間にも及ぶ作品『旅芸人の記録』の日本での公開時の話題などということになる。
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  昨年(2004)、発祥の地であるギリシャのアテネで開催された夏季五輪にあわせたように、この日本では世界初の試みである『テオ・アンゲロプロス映画祭』と銘打たれた彼の日本発公開作品を含む映画祭が開催され、往年の映画ファンはもちろん若い映画ファンも巻き込んでの大きな反響を残し、「テオ・アンゲロプロスDVD-BOX」(全4BOX/12枚組)という涙ものの(発売されて涙、高くて買えずに涙)DVD作品集まで発売された(なんかの雑誌には池澤夏樹によるロング・インタビューまで掲載されていたな)。密かに、熱狂的に潜行していたかのような昨年のアンゲロプロス監督に関する日本での動きだが、それもこれも、この6年ぶりに公開される新作への前フリでもあったわけだ。
  さて、この作品『エレニの旅』でアンゲロプロス監督が描くのはもちろん、故国であるギリシャの人々の物語である。当初は〈トリジア(三部作)〉という企画のタイトルがつけられていたこの作品は1本の作品で壮大な20世紀の物語を描く構想だったという。しかし、その作品は1本で描くには製作面での困難はもちろん「作っていくうちに、この要素をあの要素をもっとふくらませたいと思っても、時間的な余地がないからそうした要素を窒息させてしまう」という懸念を抱えていることから、三部作を独立した3本の作品として製作することを決定する。構想に2年、撮影に2年をかけたというこの作品のきっかけについて、アンゲロプロス監督は「『永遠と一日』(1998)を作った後、20世紀の終わりが迫っていることを切実に感じた。世紀の終わりについて、あるいは20世紀というひとつの世紀全体を見つめる映画を作りたいという欲望にかられた。ひとつの世紀が終わるということ。もちろん、これまでの私の映画で世紀という捉え方をしたことはあるし、ほとんどの映画にも20世紀の歴史が流れている。しかし、カメラを正面から20世紀そのものに据えて、それも一人の女性の視点で、その数々の大きな事件を生きた女性の物語として描く、しかも中心テーマをギリシャ人難民に据えて、〈家〉の不在、歴史にふりまわされて移動する人々を描く、これは私にとって新しい挑戦だった。」と語っている。女性を中心人物としたアンゲロプロス監督の作品は『テオ・アンゲロプロス映画祭』で日本初公開となった1970年の作品『再現』以来であり、このことは1998年に亡くなった監督の母親にも関係しているという。それはこの作品が20世紀という時代を生きた母親へのオマージュにもなっているということである。
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  仕事柄、試写会には否が応でも足を運ばなければならない。それを楽しいでしょうと言う人も多いが(当然だよね)、実際はそうでもないことも多い。そうした状況でも本当に目を瞠ってしまう作品に出逢うことがある(そういった作品はもう一度、劇場で観ようと思うのだ)。この『エレニの旅』はそんな作品のひとつだ。アンゲロプロス監督といえば、信じがたい長まわしの美しい映像が特徴のひとつになっているが(そして作品の長さも)、この作品でもマジックとしか言いようのないそういった映像が冒頭から展開されていく。オープニングの川靄の中に浮かび上がる移動してきた民のシーン。彼らはロシア革命によりロシアを追われてきたギリシャ人の一団であるが、ギリシャに喜んで迎え入れられる存在でもないのだ。そんな彼らが築き上げたひとつの村。カメラはその村を走る馬車を遠めに追いながら、どんどんと村の内部へと入り込んでいく。この冒頭の2シーンだけで身体から言いようのない感動が湧き出てきた。それはゆったりとしたカメラの動きが物語を語り始めるという素晴らしさ、「これが映画だ」という感慨だった。そして、このカメラワークは時代すら一瞬にして変えてしまうのだ(彼の作品ではおなじみだが、やはり凄いです)。物語が描くのは1919年から1949年という世界中が戦争に明け暮れた20世紀前半であり、そこに生きたひとりの女性の悲劇である。その物語は映像と一体になることで圧倒的なものを訴えてくる。CGの使用は一切なく、今の映画の主流のようなスピード感もない。だから最初はゆったりとした長まわしのカメラワークの物語るスピードで展開していく物語に抵抗を感じる向きもあるかもしれない。でも、それもそのカメラが生み出す物語の説得力に飲み込まれていき、映画という20世紀の文化が描き出す20世紀という時代の物語に圧倒されていくはずだ。私見になるが、僕にとっては「これが映画だ」としか言いようのない作品である。きっと僕自身は劇場に足を運ぶだろうし、何年後かに観ることが出来るトリロジーの第2作目をずっと楽しみに待ち続けるはずだ。本当に素晴らしい作品です。ぜひ、劇場でその素晴らしさを堪能してください。   

ストーリー
「ロシア革命を逃れ、ギリシャへと戻ってきた移民。その中にいた少女エレナの情熱的で過酷な人生」
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  1919年頃、ロシアのオデッサに移民として渡り、ロシア革命の勃発により逃げてきたギリシャ人の難民たちが草野を歩き続けている。緊張の走る川向こうに対し「俺たちはギリシャ人だ」と叫ぶ一行。その中に革命で両親を失った幼い少女のエレナがいた。
 それからおよそ10年後、その一行はひとつの村を築き上げていた。成長した少女エレナはある地で密かに出産し、この村へと戻ってきていた。その父親は自分が養子としてもらわれた家の実の息子アレクシスであった。しかし、その事実が村の顔役である養父に知られたら、エレナは何をされるか分からなかった。生まれた子は養子へと出されたが、エレナとアレクシスの想いと関係はその後も密かに続いていく。そして時間はふたりを強く結びつけながらも翻弄するかのように流れ始める。
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