「イ・ビョンホン、チェ・ジウ“韓流”の代表的スターの映画初共演が話題の韓国流ロマンチック・コメディー作品」
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ウルグアイ映画『ウイスキー』がグランプリを獲得した今年(2004)の東京国際映画祭。どの作品が受賞するのかという部分ももちろんだが、こういった映画祭の楽しみのひとつは、話題の作品をいち早く観られることと、作品に出演している俳優の来日と舞台挨拶だろう。当然、そういった話題作のチケットは発売早々にソールド・アウトとなってしまうのだが、今年、そういった意味で大きな話題となった作品は、宮崎駿監督の待望の新作『ハウルの動く城』、スティーブン・スピルバーグ監督の最新作『ターミナル』や、今回紹介する韓国映画『誰にでも秘密がある』であった。
東京国際映画祭のチケットが発売と同時に完売したことで大きな話題となったこの『誰にでも秘密がある』は、TVドラマ「冬のソナタ」以降、吹き荒れる“韓流”の風が未だに終っていないことを印象付けた作品でもある。主演は、その“韓流”を代表するスターであるイ・ビョンホン(『JSA』、『純愛中毒』)とチェ・ジウ(『冬のソナタ』)。ま、韓国からスターが来日するたびに繰り返される狂騒を考えれば、この“韓流”を代表するスターふたりの舞台挨拶がついているチケットが瞬く間にソールド・アウトになるのは、当然の結果であるのだろうが、それでも「やはりすごいな」という印象を実感させたのが、この出来事でもあったのだ。
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物語は、夫との関係が倦怠期ある長女、27歳にして恋愛経験ゼロの次女、自由奔放な恋愛をモットーとする三女、この美しき三姉妹が惚れてしまった相手、それが謎の青年実業家。ここぞというシーンに現れては三姉妹の心を虜にしていくこの青年実業家との関係は、三姉妹にとっては特別な、誰にも明かさない秘密であった。そんな青年実業家が母親の誕生パーティーに招待される。密かな熱い想いを寄せる三姉妹。果たして、この関係の行き先は・・・・という韓国流のロマンチック・コメディーである。この作品はTVドラマ「美しき日々」などでも共演をしているイ・ビョンホンとチェ・ジウの2大スターの(意外にも)映画初共演が大きな話題を呼んでいた作品である。もちろん、作品は公開と同時に大ヒットを記録している。
出演は、イ・ビョンホン、チェ・ジウの他に、三姉妹の長女を演じる『気まぐれな唇』のチュ・サンミ、三女を演じるモデル出身のキム・ヒョンジンなど。監督はデビュー作『歩いて空まで』(1992)で大鐘賞新人監督賞を受賞しているチャン・ヒョンス。
作品の発端となったのは、ケイト・ハドソン、スチュアート・タウンゼント主演のイギリス映画『About
Adam』。舞台のシナリオを映画化したというこの作品を見て、興味を持ったプロデューサーがチャン監督に声を掛けたことから、映画化は具体的に動き始めている。主演のチェ・ジウはシナリオとともに受け取った『About
Adam』のビデオのラヴ・シーンを見て「私には演じられない」と感じたというが、イ・ビョンホンがキャスティングされたことを知り、改めて脚本を読み直すことで「私にも出来るかもしれないという自信が湧いてきた」と語っている。それに加えて、固定されつつあった自身のイメージからの脱却という部分も大きかったという。
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三女、次女、長女の視点から語られていく謎の青年実業化との出会いの物語は、母親の誕生パーティーを契機にひとつの物語となり、思わぬエンディングへと向かっていく。内容的には、ちょっと懐かしさを感じさせるコメディー・タッチのラヴ・ロマンス作品といっていいだろう。流行の韓国ドラマも日本の80年代ドラマ的なテーストを感じさせる部分が大きいが、この作品『誰にでも秘密がある』もそういった空気感に満ちている。3姉妹の設定や晩熟の次女が性の不思議を勉強するところなんて、どうしてもそういった部分を感じざる得ないしね。ただ、あの頃の作品が役者の魅力を前面に押し出そうとしていたように、この作品も登場する役者の魅力(特にイ・ビョンホン)に溢れている。そういった意味では今の“韓流”ファンにとっては満足のいく作品になっているのではないだろうか。ちなみにこの日本公開版のエンディングは、韓国で公開されたオリジナルとは別ヴァージョンになっているという。熱心にファンにとってはその辺りも楽しみの一つだろう。ぜひ、劇場に足を運んでください。
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