「若き副大統領候補は本当に英雄なのか。すべての疑問はここから始まった」
1991年湾岸戦争下のクウェート。ベン・マルコ率いる小隊は偵察任務に向かう途中で、敵の激しい待ち伏せ攻撃に遭遇する。逃げ場すら失った小隊の危機を救ったのは軍曹のレイモンド・ショーだった。彼はその功績から名誉勲章を受章し、下院議員として政界入りする。名家の出身で亡き父の後を継ぎ、上院議員となった母親の後押しを受けたショーは次期副大統領の有力候補にまでのし上がる。
マルコは前線を退き、軍の広報として活動していた。この日、学校での講演を行っていたマルコの所にかっての小隊の仲間がやって来た。完全に憔悴しきっていた仲間はあの湾岸戦争での出来事について語り始めた。それはショーが本当に英雄なのか分からないという内容のものだった。最初は真っ当に取り合わなかったマルコだが、その事実と符合するような記憶が甦り始める。 |