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『チャレンジ・キッズ-未来に架ける子どもたち-』

配給:ハピネット・ピクチャーズ、パンドラ
オフィシャルサイト:
http://www.pan-dora.co.jp/challenge/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
ハリー・アルトマン
テッド・ブリハム
ニール・カダギヤ
エミリー・スタッグ
アンジェラ・アルニバル
エイプリル・デジデオ
ヌープル・ラーラ
アシュレー・ホワイト
監督、製作、撮影:
  ジェフリー・ブリッツ
製作、録音:ショーン・ウェルチ
編集:ヤナ・ゴースカヤ
音楽:ダニエル・ハルサイザー
*IFPロサンゼルス映画祭
  観客賞、審査員特別賞 受賞
*SXSW映画祭
  最優秀長編ドキュメンタリー賞
  受賞
*サンフランシスコ・ドキュメンタリー
  映画祭
  観客賞、
  最優秀ドキュメンタリー賞 受賞
*サンタバーバラ映画祭
  最優秀ドキュメンタリー賞、
  最優秀作品賞、観客賞 受賞
ほか全米各地の映画祭にて受賞

2003/アメリカ/35mm/カラー/
ビスタサイズ/ステレオ/1時間37分

イントロダクション
「毎年、全米が熱狂する子供たちによるスペル暗記大会の出場者たちと模様を捉えた面白く、アメリカという国についても考えさせられるドキュメント作品」
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(C)2002 Blitz/Welch Productions
  旅行に行くと機内で必ずクロス・ワード・パズルをやっているアメリカ人を見かける。映画の中でも退屈な夫婦の夜のシーンで夫がそれに熱中していたり、朝のカフェ、夜のバー、ダイナーでそれにひたすら取り組んでいる姿を見かけることがある。なんかのコラムで読んだが、このクロス・ワード・パズルはNYタイムスで最も人気のあるコーナーで、年間の作品をまとめたものまで発行されているという。日本でもクロス・ワード・パズルは人気があるが、それ専門の雑誌や単行本はあってもさすがにアメリカほどではない。しかもアメリカのクロス・ワード・パズルと日本のそれとは全く別物のようにも感じる。それが言葉の持つ差だと思うのだが(うまく説明できない)。今回紹介する作品『チャレンジ・キッズ-未来に架ける子どもたち-』は全米スペル暗記大会という毎年開催されている大会のドキュメンタリー作品である。
  スペル暗記大会(Spelling Bee)と呼ばれる大会はその決勝戦が全米でTV中継されるほどの人気と伝統を兼ね備えている。ルールは至って単純。問題の出題者が英語の単語を口頭で発音し、回答者はその綴り(スペル)を口頭で答えていくだけのものだ。回答者にはその発音をチェックしてもらったり、例文や語源を教えてもらったりという質問が許されている。出場資格を持つのは16歳以下で最終学年以上でない子供たち。元々は18世紀後半にアメリカの牧師たちが行ったスペル競争が起源とされているらしいが、19世紀には地域の社交場としてこの競技が人気を博し、1925年に第1回全米スペル大会が開催され、年々、規模、注目共に大きくなっている。なにしろ優勝者は賞金はもちろん、大統領などの著名人と会ったり(アメリカでは尊敬すべき人物の第1位は常に現職の大統領だ)、新聞、ニュースなどに引っ張りだこになるのだ。日本でこれに類するものがあるとしたら、漢字の書き取り大会になるのだろうが、そういった全国大会があるのかは分からないし、そういった大会があったところで、全米スペル暗記大会のように熱狂を巻き起こすことはないはずだ。なんでこんな熱狂を巻き起こすのかはクロス・ワード・パズルの人気にも関係していると思ったりするのだが。
  物語は1999年のこの大会本選の8人の出場者と家族の予選から決勝までの姿を捉えていく。その出場者は英語もまともに話せない移民の両親の子、黒人のシングルマザーの子、アメリカン・ドリームを成し遂げたインド人移民の子、勝つことに使命を感じる子、せわしなさが目立つ子など様々なタイプの子供たち。そして彼らの出場に一喜一憂する親たち。こういったメインとなるストーリーにスペル暗記大会の歴史、過去の優勝者のコメントや意義などを挟み込んでいく。
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(C)2002 Blitz/Welch Productions
  監督はこの作品が初の長編作品となるジェフリー・ブリッツ。ブリッツ監督は偶然TVで見た全米スペル暗記大会に釘付けになり、翌年の大会を見ながら、出場者のバックグラウンドやそれぞれの夢について、何も紹介されていないことに気づき、決勝大会のドキュメンタリー映画という形で出場者たち個人の物語を作ってみようと考えた。出演者のキャスティングは前年(1998)の本選最終日に出場した子供たちの中から今年の大会に出場する権利を得た子供たちや大会関係者との情報交換、実際の大会を観戦しながらセレクト。全米を縦断し、地区予選を追いかけるなど莫大な時間と労力、フィルムを使用して、最終的に8人の出場者に絞り込むことで作品は完成している。公開された作品は全米各地の映画祭のドキュメンタリー賞を受賞するなど高い評価とドキュメンタリー作品としては異例ともいえるヒットをもって迎え入れられている。
  スペル暗記大会というドキュメンタリー映画のどこが面白いのかと多くの人は思うかもしれない。字幕だってどうするのと感じるだろう。確かに字幕は追い続けることが不可能なときも多い。でも、圧倒的に面白いのだ。それは様々な背景を持つ子供たちと家族の意気込みにちょっと笑いながらも共感するのかもしれないし、大会の一発勝負で間違えたときのベルの音の無常さに悲しさを感じるからかもしれない。でもなんといっても、その場でひとつの単語のスペルを巡って孤軍奮闘する子供たちの顔に引き込まれてしまうのだ。しかも個人的に応援したい子たちには「頑張れ!」という気分を上乗せしてしまう完全なる観戦者の感覚まで持ってしまう。
  作品を観ていて多くの人たちが不思議に思うのは本選の出場者の多くが明らかに移民であることだろう。これは言葉こそコミュニティーのための最大の手段であり、それが社会階級というものを超える手段になりえるというアメリカという国の理念、成り立ちに関係している。これは当たり前なのかもしれないが、アメリカの学校では徹底的に発音の訓練をする。うまくできない子には居残りまでして身体になじませていくという。こういった部分や先に書いたクロス・ワード・パズル、日本以上に録音された物語や詩のCD、カセットが普及していることなど、アメリカという国は母国語である英語に徹底的なこだわりを持っている。それはこのことがあのアメリカン・ドリームへと繋がっていくからである。だから、言葉を痛切に求める移民が多いのは必然となるのだろう。ここにアメリカという国の強みを感じる人もいるかもしれない。そして、様々な階級、人種が集まるこの大会はアメリカという国の縮図、理想ともなっているのだ。ここを経ることで彼らも親も大きく成長していくと信じている。でも、忘れてはいけないのは彼らは普通に学校に通う同級生から見ると「ちょっと変わっている」と見られ、彼らもそれを認めていることだ。そういった違和を受け止める大きな枠があるというのも羨ましい話ではないだろうか。
  タイトルや映像から浮かぶイメージを考えると足を運びにくいかもしれないが、子供たちの奮闘ぶりを眺めているだけでも色々な発見、得る部分があるし、言葉やアメリカという部分を考える上でも有意義な作品となっている。ぜひ、劇場に足を運んでください。   

ストーリー
「決勝に残った249名の子供たち。作品はその中の8名に密着していく」
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(C)2002 Blitz/Welch Productions
  全米が熱狂する“全米スペル暗記大会”。この1999年の大会も地域の予選を勝ち抜いてきた249名の子供たちが決勝戦の地であるワシントンD.C.へとたどり着いた。その中にはメキシコ移民の両親を持つアンジェラ、インド系の移民であるヌープラ、勉強もスポーツも万能のテッド、裕福な家庭の育ったエミリー、母子家庭のアシュレー、一代で財を成したインド系移民の両親を持つニール、母親の影響から単語で遊ぶようになったエイプリル、マイペースで捉えどころのないハリーという8人の子供たちもいた。作品は彼らの普段の姿、家族などにも密着し、優勝を目指す彼らの戦いの様子を捉えていく。
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