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『バス174』

配給:アニープラネット
オフィシャルサイト:http://bus174.jp/

この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ

 

 

監督、製作:ジョゼ・パジーリャ
共同監督、編集:
  フェレッピ・ラセルダ
製作:マルコス・プラード
撮影:セザール・モラエス
    マルセル・グロ
音楽:ヤン・サウダーニャ
    アロイージオ・コンパッソ
*2002年リオデジャネイロ
 国際映画祭
  国際審査員賞
  最優秀ブラジル映画、
  観客選出
  最優秀ドキュメンタリー賞  受賞
*2002年サンパウロ国際映画祭
  国際審査員賞
  最優秀ドキュメンタリー賞、
  ドキュメンタリー映画新人監督賞
  受賞
*2003年ロッテルダム国際映画祭
  国際アムネスティDOEN賞 受賞
*2003年コペンハーゲン
国際ドキュメンタリー映画祭
  アムネスティ賞 受賞

2002/ブラジル/カラー/
ヴィスタサイズ/1時間59分

イントロダクション
「ブラジルのリオデジャネイロで起こったバスジャック事件の検証からみえてくる社会全体が抱える大きな闇を描いた傑作ドキュメンタリー」
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  ドキュメンタリー映画に大きな注目が集ったのはマイケル・ムーアによる『ボウリング・フォー・コロンバイン』がきっかけだったと思う。それ以降、『フォッグ・オブ・ウォー  マクナマラ元米国防長官の告白』、『スーパーサイズ・ミー』などといった注目すべき作品が公開され、多くの観客を集めている。ドキュメンタリー映画の使命とはどこにあるのかと考えると、それは“伝える”という部分に集約されるはずだ(コンサートのドキュメントのように純粋に楽しませるものもあるが)。ある事物を題材に、徹底的な取材により、そこにある真実へと迫っていく。マイケル・ムーアのように笑いに包もうが、『フォッグ・オブ・ウォー』のように回想で迫ろうが、事実を積み重ねて行くという姿勢は変わらないし、そこから浮き彫りにされる部分に僕たちは惹きつけられ、大きな、新たな関心を抱く。今回紹介する作品『バス174』もまさにそういった内容を有するドキュメンタリー作品である。
  この作品『バス174』が取り上げるのは、2000年6月12日にブラジルのリオデジャネイロで起こったバスジャック事件である。この事件は数時間の緊迫した膠着状態の後に解決をみているが、その状況はTVで生中継され、多くの国民をTVの前に釘付けにした。作品が追うのはこの事件の顛末のみではなく、事件の起こった原因、その時の状況などの検証である。この事件を検証することで見えてくるのは、ブラジルという国が抱える社会的な問題だ。そして、この問題はブラジルだけでなく、多くの第三世界と呼ばれる国々にも通じる問題でもある。
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  まず、ブラジルのリオデジャネイロという都市にどのようなイメージを持っているだろうか。リオのカーニバル、サンバ、ボサノバ、コパカバーナ・ビーチといったものを思い浮かべる人は多いかもしれない。その一方で、リオデジャネイロは最悪ともいわれる治安で評判の良くない都市でもある。置き引きや盗難は当たり前、危険な区域も多く、旅行者は絶対に注意を怠るべきではない都市とされている(僕自身も実際の体験者から耳にしている)。この作品が取り扱うバスジャック事件が起こった背景には、この治安の悪さというものが存在する。こうした治安の悪さがどこから生まれるのかというのは明快である。経済的に安定していない、食えるの者と食えない者との歴然とした格差、差別、歪みが生じているということである。このバスジャック事件を起こした犯人は食えない立場の人間、ストリートチルドレンであった。
  監督は多くのTVドキュメンタリー作品で高い評価を獲得しているジョゼ・パジーリャ。初めての劇場映画であるこの作品のきっかけについて監督は「このバスジャック犯は悲劇的な虐殺事件で生き残ったストリート・チルドレンの1人であったことが私の注意を引き、テレビ局が記録した加工されていない映像をチェックしようと思い立った」と語っている。テレビ局との粘り強い交渉の末に手に入れた映像(それも上映許可が出るかは分からなかった)、プロの探偵や弁護士などの協力によりバスジャック犯の歩んできた人生の記録を集め、事件の顛末と彼の人生を交叉させることにより作品を作り上げている。警察はこの事件の結末を語ることを禁じられていたため、無言電話なども相次ぎ、製作中は被害妄想になるかと思うほど神経を使い続けたという。完成した作品は事件が起こったリオデジャネイロ国際映画祭で上映され、批評家、観客の両方から圧倒的な支持を受け、これにより、精神的な呪縛も解け、劇場公開への道が開かれている。
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  TV中継によるバスジャック事件というとこの日本でも思い出す事件がある。あのTV中継に釘付けになった人もいるのではないだろうか。ブラジルでももちろん、この事件に多くの人々が釘付けになった。作品の監督もそのひとりだった。車内の乗客に対して拳銃を突きつける犯人、人質の懇願の声、犯罪の解決までをTVは中継し続けた。警察の行動やTV中継のあり方には様々な思いを抱いただろうが、ほとんどの視聴者がその緊迫した状況を見守り続けたこの事件は典型的な“劇場型犯罪”と呼ばれるものになった。普通なら、こうした犯罪は解決して、数週間で事件は忘れ去られていくはずなのだ。
  しかし、この作品の監督は莫大な量のフィルムとバスジャック犯の過去の断片から、なぜ、このような犯罪が起こってしまったのかという検証を積み重ねるように行っていく。スラムで育ち、幼い頃に母親を惨殺され、ストリート・チルドレンとなった犯人。そこでも彼は悲劇的な虐殺事件にあっている。そうした出来事が彼を自暴自虐的な態度へと走らせていく。事件の現場では警察による対応の悪さがあり、集った観衆は殺せと叫びまくっている。そこに集った観衆、TV中継をし続けるクルー、TVを見続ける視聴者に境目はない。誰も犯人の訴えには耳を貸さないし、薬中くらいに思っている。そこに映し出されるものには彼の過去なんて何もない。でも、監督は犯人の人生とTVには映し出されなかった事件の真相を克明に探り出していく。それは対岸の火事といえるような出来事なのだろうか、あるかも分からない境目を本当に越えていないのだろうかということを観る側に突きつけてくる。事件の検証であるだけでなく、そういった部分が圧倒的なドキュメンタリー作品である。世界に、社会の在り様に興味があるならぜひ、劇場に足を運んでください。   

ストーリー
「2002年リオデジャネイロで起こったバスジャック事件が照らし出すブラジル社会が抱える闇」
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  2002年6月12日、ブラジルのリオデジャネイロ。路線バスに乗り込み、窃盗を働こうとした男はあえなく失敗、拳銃を振り回し、乗客を人質にバスに立てこもる。あっという間に警察隊に包囲されたバス。その模様をTVカメラが生中継し始める。これがブラジル中をTVに釘付けにしたバスジャック事件の始まりだった。
  犯人の名はサンドロ・ド・ナシメント。ストリート・チルドレンとして育った青年だった。作品はこの事件の顛末とサンドロの人生を現場のフィルム、関係者の証言を交叉させながら追い、事件の生まれた、ブラジル社会が抱える背景へと迫っていく。
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