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『ブルー・レクイエム』
LE CONVOYEUR
配給:バップ、ロングライド
オフィシャルサイト:
http://www.longride.jp/blue-requiem/
この映画の予告編はこちらから


キャスト スタッフ データ
アルベール・デュポンテル
ジャン・デュジャルダン
フランソワ・ベルレアン
クロード・ペロン
ジュリアン・ポワッスリエ
フィリップ・ローデンバック
オーレ・アッティカ
監督、脚本:ニコラ・ブークリエフ
プロデューサー:
  リシャール・グランピエール
脚本:エリック・ベスナール
撮影監督:ドミニク・コリン
編集:ジャクリーヌ・マリアニ
美術:ローラン・アレール
衣装:ソフィー・グダール
音楽:ニコラ・バビー
2003/フランス/35mm/カラー
/シネマスコープ
/ドルビーデジタルDTS
/1時間35分

イントロダクション
「公開と同時にフランスで大ヒットを記録したフランス産“フィルム・ノワール”のテイストを持った孤独な男のミステリアスなサスペンス作品」
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 2004年にフランスで公開されると、評判が評判を呼び、瞬く間に50万人の動員という大ヒットを記録。ネタ枯れ(?)ハリウッドがその内容からこれまたあっという間にリメイク権を獲得したことで話題の作品が、今回紹介する『ブルー・レクイエム』である。
  この『ブルー・レクイエム』が大きな評判を呼んだのは、作品の持つテイスト、1950年代から70年代を中心にフランス国内で一世を風靡したフランス産の“フィルム・ノワール”映画(暗黒街映画)の匂いである。このフランス産の“フィルム・ノワール”の代表的な作品は『現金に手を出すな』、『穴』、『いぬ』、『地下室のメロディー』、『暗黒街のふたり』、『勝負(かた)をつけろ』、代表的な監督はジャン=ピエール・メルヴィル、ジャック・ベッケル、アンリ・ヴェルヌイユ、ジョゼ・ジョバンニ、代表的な俳優はジャン・ギャバン、アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、ミシェル・コンスタンタンなどが挙げられる。監督や俳優の名前を見てもらえば分かると思うが、フランス産の“フィルム・ノワール”はフランス映画のひとつの時代を築き上げたジャンルなのである。その内容を端的に表せば、孤独、寡黙な男の暗黒街、犯罪映画となるだろうか。そして、そのフィルム・ノワールの世界を形作ったともいえる人物が作家、映画監督でもあるジョゼ・ジョバンニである(テーマ曲も素晴らしいアラン・ドロンの代表作である『冒険者たち』もこの分野に属すべき作品であるが、原作者のジョゼ・ジョバンニはこの出来上がりを嫌い、自らの手で撮り直している。また傑作『穴』の冒頭に出演している)。このジョゼ・ジョバンニの生み出した小説世界(暗黒小説)は文学のひとつの流れを作り、ジャン=パトリック・マンシェットなどに受け継がれ、彼の原作を中心に生まれた“フィルム・ノワール”というジャンル映画はリュック・ベッソン監督の作品などにも影響を与えている。ただ、近年のフランスからはこうした秀作が生まれおらず、そういったところに現れた作品がこの『ブルー・レクイエム』だったのだ。きっと、タランティーノ監督の作品の洗礼を浴びているだろう若者層には新鮮、往年の世代には懐かしい感覚をもたらし、それがヒットの要因に繋がったのではないだろうか。
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  このフランス産の“フィルム・ノワール”復活ともいえる作品を監督したのはニコラ・ブークリエフ。劇場長編3作目にあたるこの作品が日本初公開作品となる新進監督である。マチュー・カソヴィッツ監督の『アサシンズ』に脚本家として参加することで大きな注目を浴びたブークリエフは1980年代にフランスで一世を風靡した映画雑誌「スターフィックス」の創刊者のひとり。その後、映像作家支援のための組織を設立するなど根っからの映画マニアである。ブークリエフ監督はこの作品を作ろうと思ったきっかけについて「現金輸送に関する映画を作ろうと思ったのと、スリラーを作りたい気持ちが混ざり合って、この作品が始まったんだ。現金輸送というテーマを考えていた時、このことを描いた映画がまったくなくて驚いた。大金を運ぶ労働者なのに、給料なんてほとんどなく、犯罪映画の登場人物のように銃も携帯している。でも、この業界のことが大画面に映し出されたことがなかった。今、スリラーや犯罪映画を作るのは、あらゆるストーリーが出尽くしているので非常にデリケートなことなんだ。だから、現金輸送というオリジナル性はそれ自体でパワーを持っていたんだ。」と語っている。確かに現金輸送を主役に据えた犯罪映画は思い出せない(現金輸送は襲われたり、利用されたりする対象でしかなかった)。この作品ではルーティーン・ワークとして行われる少額から大金までの現金輸送の現場での危険な出来事、合併話に揺れる会社の少額の給料で働く職員たちの先のない人生、いがみ合い、ストレスなどが登場人物の心情のような青みがかった画面から伝えられてくる。その重苦しさは、何が起こってもおかしくないミステリアスさと緊迫感をこちらに感じさせる。正にノワールのテイストに満ち満ちているのだ。
  出演は『アレックス』のアルベール・デュポンテル、『トランスポーター』のフランソワ・ベルレアン、『マリアージュ!』に続き、この作品ヒットで期待を浴びる若い手俳優 ジャン・デュジャルダンなど。
  車の座席から前を見据えたショットの中で繰り広げられるビートルズのメンバーやストーンズ、ドリー・パートンなどが出てくるたわいもない会話で始まるオープニングシーンが絶妙だ。この車は現金輸送車で、案の定、襲撃を受ける。そして、この襲撃を受けた現金輸送車の会社へひとりの男が入社する。うらぶれた者たちが集まるこの会社に入社するにはふさわしくないような寡黙な男だ。男の目的は何なのだろうかと考えながら観ていく内に示されてくる復讐という事情までのミステリアスな語り口も絶妙だ。暗黒映画という定義で“フィルム・ノワール”を語れば、ギャングにどうしても結びつく。しかし、この主人公は拳銃すらまともに扱えない、ケンカすらしたこともないような真っ当な男である。ただ、何らかの事情で復讐という行為をしなければならない程、今は被害者にとってもきつい時代なのだ(ギャングだってひとつの会社となって機能している)。だから、ギャングではなく個人という部分にもリアリティーが浮かび上がってくる。
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  僕がチェックしたブークリエフ監督のインタビューには往年のフランス産“フィルム・ノワール”に関する言及はなかった。ただ、フランソワ・ド・ルーペのような哀愁を感じさせるハーモニカの音色のテーマ曲、各ショットの撮り方(特にラストのシーン)、寡黙でミステリアスな人物の造形の仕方など「好きでたまらないんだろうな」という感じが、こちらの思い込みかもしれないがビンビンと伝わってくる。派手なアクション映画もいいが、僕自身の身体にズドンと落ちてくるのはこのタイプの外れてしまった者たちの寡黙で過酷な作品だ。本当に久々にフランスから登場した“フィルム・ノワール”、何度となく味わいたくなる作品だ。ぜひ、劇場でそのテイストを味わってください。   

ストーリー
「危険な地域を中心に現金輸送を行う会社に入社した寡黙な中年男アレックスの目的は・・・・」
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 木々に囲まれ、真っ直ぐに伸びる道を走る現金輸送車。その車内はいたって暢気なもので、ビートルズのメンバー、ストーンズの話などで盛り上がっている。その次の瞬間、現金輸送車は突然爆発する。
 その爆発炎上した輸送車を所有する現金輸送会社にひとりの男が新たな警備員として入社した。男の名はアレックス・ドゥーマル。犯罪歴もなく、妻子もない、リストラにあった寡黙な中年の男だ。彼が新たに職を得た現金輸送会社ヴィジラントは危険な地域を中心に現金輸送を受け持っている会社だが、アメリカの会社との合併話が持ち上がり、社員は新たなリストラの危機に怯えていた。また、他社に比べ襲撃される割合が圧倒的に高い現金輸送の現場、安い給料など様々な要因も絡み、一筋縄ではいかない不穏な空気にも満ちていた。毎日、繰り返し続く、危険と隣り合わせの業務。そんな会社にアレックスはある目的を持って、入社したのだった。
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