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『アトミック・カフェ』
THE ATOMIC CAFE
配給:竹書房
オフィシャルサイト:
http://www.takeshobo.co.jp/movie/atomic/

キャスト スタッフ データ
cast 監督、製作、編集:
  ケヴィン・ラファティ
  ジェーン・ローダー
  ピアース・ラファティ
※ボストン映画批評家協会賞 最優秀ドキュメンタリー賞 受賞

1982/アメリカ/スタンダード・サイズ/ステレオ/1時間27分

イントロダクション
『マイケル・ムーアの映画の師匠が作り上げた政府のプロパガンダ・フィルムを土台としたアンチ・プロパガンダな傑作ドキュメンタリー作品』
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 テレビがない時代の映画館はニュース映像を観るための場でもあり、それ専門の映画館もあったということは、様々な映像資料も残されているし、映画作品でも描かれているのでご存知の方も多いだろう(実際に体験した方もいるだろうし、ある名画座ではその当時のフィルムを本編を流す前に上映していた記憶がある。あれは何のためだったのだろうか)。現在の映画館で本編の始まる前に流される広告と予告編、これにニュース映像がプラスされていたのが、当時の映画館だったわけだ。これがいつ位まで続いたのは分からないが(多分、昭和30年代くらいまでだろうか)、当時の映画館が単なる娯楽として機能していただけではないことが伺える。そういった中で流されていたものは、ニュース映像だけではなく、政府製作による広報フィルムもあった。今回紹介する作品『アトミック・カフェ』は、アメリカの核兵器に関する政府広報フィルムやニュース映像を編集し、ひとつの作品とした黒い笑いと恐怖に満ちたドキュメンタリー作品である。
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 この『アトミック・カフェ』はご存知の方もいるだろうが、実は20年程前に初公開され、大きな話題(と笑い)をもって迎えられた作品である。80年代の反核を掲げたコンサート、イベントなどを手がけてきた“アトミック・カフェ・フェスティバル”(日比谷野音で尾崎豊が飛び降りて、骨折したのが有名なのかな。様々なミュージシャンが登場したが、余り話題にもならず、政治的な色で揶揄もされていた。今あれば、違う感触を得たはず)の名称もこの作品から取られのだと思う。今回、この作品がリバイバルされるのは、共同監督を務めているケヴィン・ラファティが、あのマイケル・ムーアに映画の作り方を教えた人物だからである。この作品『アトミック・カフェ』を撮っていたケヴィンに、ムーアが「映画の作り方を教えてくれないか」と頼んだところ、難なくOKという返事をもらい、撮影道具の使用法からドキュメンタリー映画を撮るための貴重なコツまで、ムーアはドキュメンタリー映画作りのイロハを学んだのだという。こうして撮られた作品が、ムーアの出世作となった『ロジャー&ミー』であり、ケヴィン自身も撮影として参加している。また、そのケヴィンと共同監督を務めている弟のピアース・ラファティは、ブッシュ現アメリカ大統領のいとこにあたるのだという。これは、今だからこそ感じることが出来る何とも言えない因縁である。
 この作品『アトミック・カフェ』の発端は、ピアース・ラファティが見つけた「アメリカ政府広報映画3433本」という1冊のカタログ本。「なんて馬鹿げたものばかり!」と感動した彼は、こうした映画を素材として、プロパガンダをテーマにしたドキュメンタリーを制作するというアイデアを思いつき、兄のケヴィンと学生時代の友人スチュワート・クローン、3人に出会い意気投合したジェーン・ローダーと共に政府広報映画のリサーチを開始する。国会図書館のフィルムセンター、空軍基地など様々な場所でリサーチした10000本以上のフィルムの中から、より奇抜で意味深いものが多い原爆に関するフィルムに焦点を合わせ、リサーチから5年という歳月をかけて『アトミック・カフェ』は完成した。ちなみに、この作品に使用されたフィルムの多くは作品完成後にアクセス不可能となっている。
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 ナレーションを一切使わずに当時(1940〜1950年代)のフィルムと当時の核をテーマにした様々な楽曲で綴られていくこの作品のインパクトは絶大である。「核は全く危険ではない」と繰り返す政府広報フィルム、それを実証するかのように核実験の現場で安全を強調される兵士たち(彼らの体調はその後にどう変化したのだろうか)、広島、長崎の映像、その正当性を当然のごとく語る兵士、バックに流れる能天気な(でも、核時代という空気を感じさせる)曲など、笑いながらもその状況を深刻に受け止めざる得ない内容の数々。ついこの間までこういうことがまかり通っていた事実、そして今でも繰り返されている政府による情報操作(マイケル・ムーアの『華氏911』はそこを提示している)と、今でもこうした情報に左右されざる得ない僕たちの存在というのは変わっていないのかもと感じさせる。20年近く前にビデオで観たときには馬鹿らしさに笑っていた自分がいたのに、改めて見直すと笑いが恐ろしさに変わってくる。今、何の知識もない状態でこれらのフィルムを観せたら、どんな反応が起こるのだろうか。したり顔でやって来る情報の意味を考えさせる作品です。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
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「馬鹿らしくも恐怖をつのらせるプロパガンダフィルムの数々」
 核兵器による攻撃が今よりも現実的であった米ソ冷戦下の時代。アメリカ国内(もちろん、ソビエトもだろうが)では様々な政府広報フィルムが作られていた。そして、核に怯える時代を象徴するような曲も数多く作られていた。そんな政府広報フィルムやニュース映像を繋ぎ合わせ、数々の核に関する曲(アトミック・ソング)を乗せながら、作品はプロパガンダ・フィルムの馬鹿らしさ、恐ろしさを伝えていく。
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