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『青の塔』
配給:アルゴ・ピクチャーズ
オフィシャルサイト:
http://www.supersaurus.jp/bluetower.html


キャスト スタッフ データ
中村佑介
さわ雅子
前沢美沙
弦間和男
大塩晴香
監督、脚本、編集:坂口香津美
製作:落合篤子
撮影:長谷川貴士
照明:舞草剛
美術:清水大輝
音楽:中村佑介
   山下博文
※ヒューストン国際映画祭 シルバーアワード受賞

2000年/カラー/スタンダード/キネコ/2時間26分

イントロダクション
「『カタルシス』の坂口香津美監督が“ひきこもり”を描いたデビュー作がついに公開」
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 神戸児童連続殺傷事件以降、大きな注目を浴び続ける少年による殺傷犯罪。事件がどうして起こったのかという検証は繰り返し行われているが、拘置所を出て以降の報道は人道的な見地から行われることがない。そういった“以降”の家族の姿を描いたフィクション作品『カタルシス』は昨年(2003年)に公開された作品の中では非常に印象に残る作品であった。監督はテレビのドキュメンタリー番組を中心に活躍してきた 坂口香津美。そんな坂口監督の長編デビュー作がやっとロードショー公開される。それが今回紹介する作品『青の塔』である。
 様々な反響を呼び起こしたであろう劇場2作目の『カタルシス』では殺人事件を犯した少年とその家族の出所後を監督なりの視点で描いていたが、このデビュー作でも坂口監督の向ける視点は社会からはみ出す若者へと注がれている。そのテーマは“ひきこもり”である。
 19歳の若者である 透は母親と二人暮し。ただ、母親との間には接点が全くない。それは透が引きこもりの生活を送っているからである。母親が働きに出ている夜が彼にとっての活動時間。運河へ出向き、ただ、なんとなく時間を過ごす。そして、自分の気持ちを日々、日記に書き続ける。出口を見つけようとするが、出口まで向かうことが出来ない。そんな彼はあることがきっかけで、外に向かって歩き始めようとする、というのがこの作品のストーリーである。『カタルシス』同様に相当に重い。しかし、『カタルシス』同様に物語へと引き込まれていく作品である。
 坂口監督はテレビディレクターとして様々なニュース番組の特集やドキュメンタリー番組の企画演出を手がけてきている。“拒食症”、“いじめ”、“不登校”などそのテーマの中心となっているのは思春期の若者やその家族たちであり、そういった部分への関心を突き詰めながら、自分なりの表現をするために映画の世界へと入り込んできた監督だ。リアルな部分を描き、伝えるのならドキュメンタリーに勝る手法はない。しかし、そこでは伝えきれない部分があるからこそ、フィクションの映画の世界に入り込み、『カタルシス』やこの作品『青の塔』を製作したのだろう。監督が現場を取材して肌で感じてきたリアリティーと、監督が伝えたいこと、考えて欲しいこと、道筋のひとつが融合したのが、坂口監督の作品といってもいいと思う。
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 今回の作品『青の塔』はひきこもりの生活を続ける若者を描いた前半部分が圧倒的に重く、リアリティーをもって伝わってくる。ぼろぼろの住まい、夜に呼び出しのマッサージの仕事をしている母親、彼女の疲れを通り越した表情、息子と自分のために彼女が用意する食事、ひきこもる生活を続ける若者の夜中の徘徊、彼が思いをしたためる日記など繰り返し、繰り返し描かれていく何も変わらない、コミュニケーションもない日常は「ひきこもりってこんな生活なのかもしれない」と感じさせるとともに、そのペースへと見る側を引き込んでいく。そんな物語も後半には様相をがらりと変えていく。彼がひきこもりから抜け出す方向へと物語が向かっていくのだ。その部分は、正直、前半のリアリティーに比べるとドラマ的でファンタジックな感じもするのだが、坂口監督としては物語の中に監督なりのひとつの出口を設けただけであろう。こういう出口もあるということだ(ただ、出口から先は分からないのだが)。
 主演の青年は引きこもりの経験者であり、劇中で使用される曲は彼がそのひきこもりの間に作曲し続けたものだという。また、母親役は息子がひきこもりであったという経験を持っている。前半の圧倒的なリアリティーはこの二人の経験が生み出している部分が相当に大きい。
 タイトルである『青の塔』は、青という色の持つ憂鬱な沈み込んだ気分(映像全体も青っぽい)と青年が暮らす小さな部屋を彼自身の塔に見立てたことからつけられているのだろう。圧倒的に重いが、ぐいぐいと引き込んでいく力を持った作品でもあるこの作品『青い塔』。ぜひ、劇場で体験してみてください。

ストーリー
「ひきこもり続ける青年の日々」
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 19歳の青年 透。母親と二人暮しの彼は、誰ともコミュニケーションをとらず、自分の部屋にひきこもりを続けている。その部屋の中で彼はミジンコを飼い、顕微鏡で観察し、その絵を描き続けている。部屋の壁や床はそんな絵でいっぱいである。母親が働きに出ている夜中から明け方にかけて、彼は近所の運河などを散策する。そして、そんな日々と自分の気持ちを1冊のノートに記録し続けている。
 彼がひきこもりとなった原因は、幼い頃に崖から転落死した妹だった。その場に居合わせた彼は妹を助けられなかったことに呵責を感じ続けているのだ。
 出口のない日常を漂い続ける透。ある日、そんな彼の日常を打ち破る出来事が起こる。
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