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『アフガン零年』

配給:アップリンク / ムヴィオラ
オフィシャルサイト:http://www.uplink.co.jp/afgan/

キャスト スタッフ データ
マリナ・ゴルバハーリ
モハマド・アリーフ・ヘラーティ
ゾベイダ・サハール
ハミーダ・レファー
モハマド・ナデル・ホジャ
モハマド・ナービ・ナワー
グル・ラハマーン・ゴルバンディ
アリー・ジャン
監督・製作・脚本・編集:セディク・バルマク
製作:上田信
   ジュリア・フレイザー
   ジュリー・ルブロック
撮影:エブラハム・ガフリー
美術:アクバル・メシュキニ
音楽:モハマド・レザ・ダルヴィシ
※2004年ゴールデングローブ賞 外国語映画賞受賞
※2003年カンヌ国際映画祭 カメラドール特別賞・CICAE賞・ジュニア部門審査員最優秀作品賞受賞
※ロンドン映画祭 最優秀作品賞受賞
※釜山国際映画祭ニューカレンツ特別賞・観客賞受賞
ほか各種映画祭で受賞、ノミネート

2003年/アフガニスタン・日本・アイルランド/カラー/35ミリ/1時間22分

イントロダクション
「タリバン政権の蛮行を描く復興後初めてのアフガニスタン映画」
 2001年の9月11日にアメリカで起こった同時多発テロ直後、世界で最も大きな注目を浴びた国はアフガニスタンだった。それ以前もソ連軍による侵攻と内戦の激化、タリバンによるバーミヤンの石仏の破壊などメディアの大きな注目を浴びることはあったが、あの9.11がなければ、これ以上の注目を浴びることなかった国がアフガニスタンである。その理由は、同時多発テロの首謀者とされるオサマ・ビンラディンを匿っていたからであり、それはその後の英米軍による攻撃とタリバン政権の崩壊、暫定政権の樹立に繋がっていく。そして、今ではアフガニスタンの現状というものが大きく取り上げられることはほとんどなくなってきている。今回紹介する作品『アフガン零年』はそんなアフガニスタンのタリバン政権下での女性の過酷な状況を描いた作品である。作品は本年(2004年)のゴールデングローブ賞外国語映画賞、2003年カンヌ国際映画祭カメラドール特別賞をはじめ、数々の映画祭での受賞と絶賛を浴びている。
 父や兄など一家の男性全てを戦争で失った祖母、母親、少女の女性3人の家族。女性に対する弾圧の厳しいタリバン政権下では、男性がいないということは生活できなくなるということを意味していた。そのため、少女は髪を切り、少年の姿となり働かざる得なくなるという物語のこの作品を監督したのは、この作品が劇場長編監督デビューとなるセディク・バルマク。ソ連の傀儡政権下時代にモスクワで映画を学び、短編映画やドキュメンタリー作品などを制作している。北部同盟に属していたため、タリバン郡によるカブール陥落後はパキスタンへ亡命し、タリバン政権崩壊後、再びカブールへと戻ってきている。バルマク監督はタリバン時代を描くことを選択した理由について「“アフガニスタンの悲劇を忘れないこと”こそが世界に悲劇を繰り返させないために必要だ」と語っている。この言葉の裏にあるのは、長きに渡る内戦に疲労困憊し、最終的にタリバンという世界から孤立した政権を認めざる得なかったアフガニスタンの歴史をタリバンという政権による圧政の悲劇を描くことで記憶することである。そういった意味でこの作品は監督から未来へ向けての忘れてはいけないメッセージでもあるのだ。 
 監督自身がパキスタンのペシャワールに亡命生活を送っていたときに読んだ新聞の“女子教育を禁止していたタリバン政権下のアフガニスタンでどうしても学校に行きたいと願った少女が、髪を切り、男の子を装ったという内容などを綴ったアフガニスタンの学校の教師の手紙の記事”からインスピレーションを受け、脚本を書き始めたというこの作品は、偶像崇拝の禁止から映画を作ることも観ることも禁じていたタリバン政権が崩壊後、初めて製作されたアフガニスタン映画であり、その製作には『カンダハール』でアフガン難民、女性の困難と苦悩を描いたイラン映画の巨匠モフセン・マフマルバフが資金や戦争により失われた人材・機材などの全面的なサポートをおこなっている。
 『カンダハール』で描かれていたこと、イランのアフガニスタン難民を描いた『少女の髪どめ』で描かれていたこと、その他の自分の知っていた知識などを超えたあまりにもストレートでショッキングな出来事が展開していくのがこの作品の大きな特徴である。次はどうなってしまうのかというのが恐ろしくてしょうがないというこの状況を描けたのは、タリバン政権下出の経験と卓越した映像表現があるからだと思う。そして観終わった後、ここで起こっていた蛮行は今は本当に終わりを迎えているのか、テロが起きなければ終わることはなかったのか、実際これでいいのだろうかなどと今まで自分が持っていた知識と重ね合わせて、もう一度考えてみるのだ。
 監督自身は当初この映画のタイトルを「虹をくぐれば自由になれる」というアフガンの昔からの言い伝えから『虹』とし、そういうシーンを組み込んでいたが、今のアフガニスタンに自由や希望はあるのかと改めて考え、そういったシーンをカットしてしまったという。世界の目が遠のく中で起こっていた内戦と蛮行。テロにより浴びた注目。そして、再び遠のきつつある世界の目。この映画を観ることで考えることは多いと思う。ぜひ、劇場に足を運んでください。

ストーリー
「稼ぎ手のいない家族のために少年の姿になり働く少女」
 カブールの街頭。多くの未亡人たちによるデモ行進が練り歩く。彼女たちは家庭を支えるための仕事を求めてデモを行っているのだった。タリバン政権下のカブールでは女性は教育や仕事などで抑圧下に置かれていた。タリバンの兵士たちはデモをする女性たちに向かって、放水を始める。そこに偶然巻き込まれてしまった少女と母親がいた。
 少女は母親と祖母の3人暮らし。父親や兄などを戦争で失っている。女性への抑圧が強いタリバン政権下で男手がいないということは、生活の糧を失うことを意味した。母親も看護婦の職を解かれていた。そこで祖母と母親は娘を少年に見立てて、働きに出すことを決意する。「ばれたらタリバンに殺される」と泣き叫ぶ少女をなだめながら、祖母は髪にはさみを入れていく。そして少女は、少年の姿となり、死んだ父親の戦友だったミルク屋のおじさんのもとで働き始める。それは恐怖におびえる日々の始まりだった。
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