二重スパイ【映画情報】ムービーネット

『二重スパイ』
2003年/韓国/123分/カラー/シネマスコープサイズ/
ドルビーSRD、ドルビーデジタル
配給：ギャガ・ヒューマックス／東映
オフィシャルサイト：http://www.2-spy.jp/

ハン・ソッキョ
コ・ソヨン
チョン・ホジン
ソン・ジェホ

監督、脚本：キム・ヒョンジョン
製作総指揮：パク・ミンヒ
脚本：シム・ヘウォン
　　　ペク・スンジェ
　　　キム・ジョンヘン
撮影：キム・ソンボク
照明：シン・ハクソン
録音：キム・ウォニョン
編集：キム・サンボム
音楽：ミヤエル・スタウダッハー

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　「北と南の隠された過去を捉えた韓国映画」

　世相というものもあるのだろうが、韓国と北朝鮮をテーマにした韓国映画が二本、ほぼ同時期に日本で公開される。一本は『黒水仙』、そしてもう一本がこの作品『二重スパイ』である。1980年東ベルリンから亡命してきた北朝鮮の男。南の拷問にも耐え、南のために働き、南の中枢にまで入り込んでいた北を捨ててきたはずのその男は実は二重スパイであった。北と南のスパイ活動という歴史の暗部に焦点を当てたこの作品が語るのは、国というものに翻弄されながらも、一人の人間として生きた者たちの物語である。
　主演は『シュリ』、『八月のクリスマス』と主演作は軒並み大ヒットを記録している韓国のトップスターハン・ソッキュとコリアン・ビューティーの代表格コ・ソヨン。3年の沈黙期間を経ての映画出演となるハン・ソッキュはこの作品について「ついに心を揺さぶる脚本に出会えた」と語り、その言葉通りの迫真の演技を披露している。一方、コ･ソヨンはアイドルから演技派女優に脱皮したと絶賛された『エンジェル・スノー』後、初の映画出演となる。監督は本作が劇場長編デビュー作となるキム・ヒョンジョン。進捗著しい韓国の新世代の映画監督のひとりである。
　韓国の二大スターの競演ということで大きな話題となり、公開と同時に記録的なヒットとなった『二重スパイ』。　根っこでは同じテーマを扱っていてる『黒水仙』と比べてみるのも一考。ぜひ、劇場でご覧下さい。

　「北から南へ自由を求めた男の正体と運命」

　1980年東ベルリン。一人の男が西への入国審査の列に並んでいる。パスポートにスタンプを押してもらい、無事に入国出来たその男を追いかけてきた車から放たれた一発の銃弾が男の足に命中する。崩れ落ちる男を救ったのは、その場に現れた別の車だった。その車は韓国政府のものだった。
　自由を求め韓国政府の車に救われた北朝鮮出身の男イム・ビョンホを待っていたのは、韓国の国家安全企画部による容赦のない取調べだった。東ベルリンの北朝鮮大使館に勤めていた彼に対する拷問的取調べは当然の行為であった。拷問を耐え抜いた彼は、国家安全企画部のペク・スンチョルに身柄を一存され、ペクはひとまず、ビョンホを泳がせてみることにする。
　ある舞台で北から自由を求めて南にやって来た人物として紹介されたビョンホは、そこにあった韓国の国旗を振りながら、北のアジテーション的な口調で、韓国万歳的な演説をおこない、観客からやんやの喝采を浴びる。そして、彼は北への武装スパイの軍事訓練教官としての任務へとつく。
　2年後、順調に軍事訓練教官として上層部の信頼を得ていたビョンホは、国家安全企画部に正式採用される。国家安全企画部の一員として、順調に任務をこなしていたビョンホにはお気に入りのラジオ番組があった。そのラジオ番組が最終回を迎えた日、そこから流れていたのは北からのビョンホへの指令であった。指令内容は『ＤＪに接触せよ』。そのＤＪはユン・スミという女性だった。


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