『24アワー・パーティ・ピープル』
24 HOUR PARTY PEOPLE
2002年/イギリス/115分/カラー/ビスタサイズ/
ドルビーデジタル
配給:
ギャガKシネマ
スティーヴ・クーガン
レニー・ジェームズ
シャーリー・ヘンダーソン
パディ・コンシダイン
アンディ・サーキス
ショーン・ハリス
ジョン・シム
ラルフ・リトル
監督：
マイケル・ウィンターボトム
製作：アンドリュー・イートン
脚本：
フランク・コットレル・ボイル
撮影：ロビー・ミュラー
美術：マーク・ティルズレイ
音楽：リズ・ギャラシャー
衣装：
ナタリー・ウォード
スティーヴン・ノーブル
※2002年カンヌ国際映画祭コンペ部門作品
「マイケル・ウィンターボトム監督の描くリアルな青春映画」
「ひかりのまち」、「GO NOW」などの作品で多くのファンを獲得しているマイケル・ウィンターボトム監督の新作は、先進的インディペンデント・レーベル ファクトリー・レコードとクラブ ハシエンダを中心に捉えたマンチェスター・ムーブメントの一大絵巻だ。１９７６年のセックス・ピストルズのライブ、ファクトリー・レコードの創設、ジョイ・ディヴィジョンからニュー・オーダー、８０年代の終わりから９０年代のはじめに花開いたハッピー・マンディズ、ストーン・ローゼスらによるマンチェスター・ムーブメント、そしてファクトリーレコードの終焉までを描いたこの作品は、この遠い国 日本でこれらの音楽を愛し、触発されてきた奴らや、今現在のクラブで遊びまくる奴ら（偶然にも80sリヴァイバルと言われている）にとって、間違いなく必見の作品である。 そして、何かが生まれるかもしれない場に居合わせ、何かを生み出そうと奔走し、何かを確実に生み、何かを伝えてしまった者たち。一瞬の輝きを多くの人々に与え、誇示しながら消えていったものたちが連なったライン。そういった部分を愛情を持って描いた「２４アワー・パーティ・ピープル」はこれから何かを始めようとしているインディペンデントな精神を持った人たちにとっても必見の作品だろう。ぜひ、映画館へ行って、フィールドを広げてみて欲しい。
「マンチェスター・ムーヴメントの光と影」
１９７６年イギリスのマンチェスターでのセックス・ピストルズのギグ。まだ、イギリスに旋風を巻き起こす前の彼らのギグに集まった観客はたったの４２人。だが、そこに居合わせた観客が今後のマンチェスターのミュージックシーンを作り上げていく核になるとは誰も気付いてはいなかった。その現場には、バズコックス、ワルシャワ（後のジョイ・ディヴィジョン）、マティン･ハネットなどの面々とトニー・ウイルソンがいた。トニー・ウイルソンはマンチェスターのグラナダテレビのレポーターとして生計を立てていた。だが、そのライブでの強烈な体験を境に、彼はバンドのマネージメントをしたいという夢を持つようになった。そして、彼はその夢をあっという間に実現する。ジョイ・デヴィジョンと契約を果たしたのだ。彼がバンドとバンドのマネージャーの前で書いた血判状（契約書の代わりとなった）には「ファクトリーは何も所有せず、アーティストが全てを所有する。アーティストはクリエイティヴに自由で、やめるのも自由。」と記載されていた。アーティストの完全な自由を保障し、新たなムーヴメントを生み出すインディペンデント・レーベル ファクトリー・レコードはこうして誕生した。
ファクトリー・レコードはピーター・サヴィルによる斬新かつ洗練されたデザイン面とミュージシャンの自由なアイデアから生み出されてくる音楽面により、他のインディペンデント・レーベルからは抜きん出た存在となっていった。最初の契約バンド ジョイ・ディヴィジョンもアメリカ・ツアーの決定など上り調子にあったが、そんな時にバンドのカリスマ的キーマン イアン・カーティスが自殺してしまう。しかし、残ったバンドのメンバーはニュー・オーダーというバンドとして復活し、ジョイ・ディヴィジョン時代のサウンドとは全く違う曲、新たなダンス・ミュージックの先駆けとなった「ブルー・マンデー」でイギリスはもちろん、世界中に一大旋風を巻き起こした。それはファクトリー・レコードが地元のマンチェスターに同時期にオープンした大型クラブ ハシエダと共に、世界の目をマンチェスターに向け、あのマンチェスター・ムーヴメントの口火となっていった。そんなファクトリー・レコードの道程は大きく開かれているはずだったのだが・・・。
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「ひかりのまち」、「GO NOW」などの作品で多くのファンを獲得しているマイケル・ウィンターボトム監督の新作は、先進的インディペンデント・レーベル ファクトリー・レコードとクラブ
ハシエンダを中心に捉えたマンチェスター・ムーブメントの一大絵巻だ。１９７６年のセックス・ピストルズのライブ、ファクトリー・レコードの創設、ジョイ・ディヴィジョンからニュー・オーダー、８０年代の終わりから９０年代のはじめに花開いたハッピー・マンディズ、ストーン・ローゼスらによるマンチェスター・ムーブメント、そしてファクトリーレコードの終焉までを描いたこの作品は、この遠い国
日本でこれらの音楽を愛し、触発されてきた奴らや、今現在のクラブで遊びまくる奴ら（偶然にも80sリヴァイバルと言われている）にとって、間違いなく必見の作品である。
そして、何かが生まれるかもしれない場に居合わせ、何かを生み出そうと奔走し、何かを確実に生み、何かを伝えてしまった者たち。一瞬の輝きを多くの人々に与え、誇示しながら消えていったものたちが連なったライン。そういった部分を愛情を持って描いた「２４アワー・パーティ・ピープル」はこれから何かを始めようとしているインディペンデントな精神を持った人たちにとっても必見の作品だろう。ぜひ、映画館へ行って、フィールドを広げてみて欲しい。
