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『ベンゴ』
VENGO
配給:日活

キャスト スタッフ データ
アントニオ・カナーレス
オレステス・ビリャサン・ロドリゲス
アントニオ・ペレス・デチェント
ボボーテ
フアン・ルイス・コリエンテス
フェルナンド・ゲレロ・レボリョ
監督・脚本:トニー・ガトリフ
撮影:ティエリー・ブジェ
2000年/スペイン・フランス/89分/カラー/シネマスコープ

※2000年ヴェネチア国際映画祭クロージング作品
※2001年セザール賞最優秀映画音楽賞受賞

イントロダクション
 題名である『ベンゴ』は、“VENGAR =復讐する”と“VENIR=何かがやって来る”を意味するスペイン語である。『モンド』『ガッジョ・ディーロ』と常に自らのルーツであるロマ民族(ジプシー)をテーマに映画を撮り続けてきたトニー・ガトリフ監督はこの作品で「フラメンコの揺籃」と称されるアンダルシア地方を舞台にした情熱のフラメンコを表現した。主役のカコを演じるのは映画初出演のアントニオ・カナーレス。本作では踊らないが、彼の本職はフラメンコ・ダンサーである。カコが息子のように可愛がる甥のディエゴには監督の友人であるオレステス・ビリャサン・ロドリゲス。精神障害者の役を見事に演じている。そして歌い手、奏者とも最高の(本物の)フラメンコ・ミュージシャンが多数、出演。その熱い響きには心を打たれる。

ストーリー
 アンダルシアの男カコ(アントニオ・カナーレス)が年頃の一人娘ペパを亡くした悲しみを紛らわすために開く盛大なフラメンコ・パーティー。カコのそばには、彼を慕いフラメンコを心から愛する甥ディエゴ(オレステス・ビリャサン・ロドリゲス)がいた。不自由な身体一杯で喜びを表すディエゴ。ディエゴの父でありカコの兄であるマリオは、かつては幼なじみであったカラバカ家の長男サンドロを痴話げんかから殺してしまいカラバカ家から追われる身になっていた。兄が行方をくらましているため、その怒りは全てカコ一家に向けられていた。ディエゴの命も狙われていた。しかしディエゴは生きる喜びにあふれフラメンコを心から愛している。そんなディエゴと一緒に過ごす時間の中で、カコは安らぎを感じていた。
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