「人類の月面歩行はただのロケットの話じゃないんだ。それがテレビの映像となって放送されたことで、それを見ていた世界中の人々の精神的な思想がより高いところに置かれるようになったはずだ。こういう人間性を象徴するような映画は皆、好きなんだ」ロブ・シッチ監督は言う。オーストラリアでおこった月面歩行にまつわるこの歴史に残る瞬間を本作はチームワークとテクノロジー、NASAの科学者の情熱、ハニーサックル・クリークとパークスという要素を称えつつ1つの話に集約、完成させた。1969年7月の数日間、オーストラリアの科学者達は自分達がアポロ11号の飛行プログラムとの鍵を握っている重要な立場に置かれたことを知る。彼らの任務とは月面歩行の映像をとらえ、かつて見たことのない歴史的映像を世界中にTV中継することであった。しかも生放送で。しかし、こんな世界的規模のイベントには、必ずといっていいほどいくつかの難関がある…。パークスのパラボラアンテナの責任者クリフを演じるのはオーストラリア出身の世界的なスター、サム・ニール。クリフをサポートするミッチを演じるのはメルボルン・シアター・カンパニーで数々の舞台出演するベテランながら、本作で映画デビューしたケヴィン・ハリントン。若き科学者グレンにはテレビ、舞台で活躍する新進気鋭のトム・ロング。本作のスタッフで特筆すべきは、監督、製作、脚本の担当者がいないことである。ワーキング・ドッグという1つのチームの5人(S・シラウロ、T・グレイスナー、J・ケネディ、R・シッチそして製作のM・ハーシュ)が一緒に作り上げ、日本では未公開ながら、オーストラリアで1,000万ドルの大ヒットとなった『The Castle』に次ぐ第2作が本作だ。