『新鮮な蒼さと深い闇の“チャンプルー・ムービー”。オキナワの新鮮な青い昼と、対照的に腐臭の漂う黒い夜のストライプ・ストーリー。』 生きることに不器用な人々のおろかしくも愛おしい“もがき”が描かれている本作。様々な登場人物の誰に感情移入して見るかによって、それぞれの違ったストーリーが展開する不思議な映画である。ヒロインには、待望の映画進出を果たした椎名へきる。相手役には映画初主演の笠原紳司。共演には葛山信吾が、今までに演じた事がない素朴で強烈なキャラクターを演じている。そして昨年「Iceman」を脱退後、ソロ活動を開始した黒田倫弘がやはり映画初出演。加えて邦画界の重鎮・本郷功次郎が物語に確かな重厚さを与え、さらに加藤登紀子が存在感溢れる演技でポイントを締めている。そしてこのような魅力溢れる出演者にさらにチャンプルーされているのが劇中歌。あのオキナワの伝説的バンド「ISLAND」の名曲『Stay
With Me』。そして加藤登紀子がカバーする名曲『花』や民謡・ロックなどふんだんに、沖縄音楽が盛り込まれている。監督は本土在住ウチナー派で、とにかく沖縄好きで山羊汁好きな倉持健一。
生きることに不器用な人々のおろかしくも愛おしい“もがき”が描かれている本作。様々な登場人物の誰に感情移入して見るかによって、それぞれの違ったストーリーが展開する不思議な映画である。ヒロインには、待望の映画進出を果たした椎名へきる。相手役には映画初主演の笠原紳司。共演には葛山信吾が、今までに演じた事がない素朴で強烈なキャラクターを演じている。そして昨年「Iceman」を脱退後、ソロ活動を開始した黒田倫弘がやはり映画初出演。加えて邦画界の重鎮・本郷功次郎が物語に確かな重厚さを与え、さらに加藤登紀子が存在感溢れる演技でポイントを締めている。そしてこのような魅力溢れる出演者にさらにチャンプルーされているのが劇中歌。あのオキナワの伝説的バンド「ISLAND」の名曲『Stay
With Me』。そして加藤登紀子がカバーする名曲『花』や民謡・ロックなどふんだんに、沖縄音楽が盛り込まれている。監督は本土在住ウチナー派で、とにかく沖縄好きで山羊汁好きな倉持健一。
楽園・オキナワの蒼い海辺にたたずむ山羊料理屋「月子」。そこで好きでもない山羊汁を黙々と作りつづけるおっさん（本郷功次郎）。ある日「月子」のあかりを頼りにおっさんの前にひとりの“男”（笠原紳司）が現れた。その日暮らしに楽しく生きてきた“男”は28才の今自分がわからなくなっていた。男を心から愛し、真正面から向ってくる“女”（椎名へきる）に対し、それに答える自信もなく、現実から逃げるように、以前から好きだった沖縄に東京から「楽園」を求めてやってきたのだ。イキがり勝手にオキナワを楽園と決めこんで逃げてきた男を苦々しく思うオッサン。男もまた過去に縛られている“おっさん”に自分を重ね見てしまい、妙に腹立たしく思う。二人は似ているのだ。そしてまた「月子」のあかりに引き寄せられ、“男”を追って来た“女”。“男”を追ってここまで来たのだ。さらに店の酔っ払い客や謎のヤクザ達も加わり、騒がしくなっていく「月子」。ますます沈黙していく“おっさん”…。
