『太陽の雫』
A napfeny ize
配給：エスパース・サロウ
レイフ・ファインズ
ローズマリー・ハリス
レイチェル・ワイズ
ジェニファー・エール
モリー・パーカー
デボラ・カーラ・アンガー
ジェームス・フレイン
ジョン・ネヴィル
ウィリアム・ハート
監督・脚本：イシュトヴァーン・サボー
製作：ロバート・ラントス
アンドラス・ハモリ
脚本：イスラエル・ホロヴィッツ
撮影：ラヨシュ･コルタイ
美術：ジュジャンナ・ボルヴェンデーグ
音楽：モーリス・ジャール
1999年/カナダ・ハンガリー/3時間/ビスタサイズ
20世紀。歴史は怒濤のごとく押し寄せて彼らに栄光を極めさせ、返す波で地獄の底に引きずり込んだ。これはブダペストに生きたユダヤ人ゾネンシャイン一族3代の栄光と受難、愛と戦いを描いた一大叙事詩である。百年にわたるゾネンシャインの男たち3代、イグナツ、アダム、イヴァンの性格の違いを的確に表現し、かつ脈々と流れる血筋の連続をも感じさせる演技を見せたのは『シンドラーのリスト』『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー賞の常連となったレイフ・ファインズ。絵巻物のように現れる豪華共演陣は、ファシスト狩りの陣頭に立ち後に粛正という非業の死を遂げるクノールに『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』『蜘蛛女のキス』のウィリアム・ハート、狂おしい恋に身を焦がすグレタに『ハムナプトラ』シリーズ、『スターリングラード』で人気上昇中のレイチェル・ワイズ、ほかにデボラ・カーラ・アンガー、ジョン・ネヴィルなど。監督は『メフィスト』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞、『コンフィデンス 信頼』の大ヒットで日本でも知られるハンガリー出身の巨匠イシュトヴァーン・サボー。
3時間に及ぶ大作である。しかも何世代にも渡るあるユダヤ人家族を追うものとあっては、見る前は冗長に至る心配をしていたのだが、その不安は幸運にも的中しなかった。最初からテンポの良いストーリー展開を見せ、次々に場面が転換していく。頭の中を整理してそのテンポに慣れるのにちょっとだけ苦労したが、これだと3時間はちっとも長いと感じない。それだけ中身の濃い作品なのだが、それだけ長い時間をかけて描写しないと製作者の言いたいことが伝わらないのである。ユダヤ人と聞いて私たちはナチスの捕虜収容所のことを思い出す。
しかし、ここに出てくるユダヤ人たちはそれ以前からたくさんの差別を受け、それに対して、おおしく生き抜いていく。だけど、それだけでは終らない。不当な差別を受けたことは事実で、彼らを蔑視した人々への恨みもあるだろうけど、それを超えて新しい境地を目指そうではないかとうたっている。レイフ・ファインズはこの家族の3世代分の家長を演じているのだが、彼の熱演がなければここまでの作品にはならなかったであろう。フェンシングをやったり、収容所での過酷な描写など彼の迫力も見逃せない。
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20世紀。歴史は怒濤のごとく押し寄せて彼らに栄光を極めさせ、返す波で地獄の底に引きずり込んだ。これはブダペストに生きたユダヤ人ゾネンシャイン一族3代の栄光と受難、愛と戦いを描いた一大叙事詩である。百年にわたるゾネンシャインの男たち3代、イグナツ、アダム、イヴァンの性格の違いを的確に表現し、かつ脈々と流れる血筋の連続をも感じさせる演技を見せたのは『シンドラーのリスト』『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー賞の常連となったレイフ・ファインズ。絵巻物のように現れる豪華共演陣は、ファシスト狩りの陣頭に立ち後に粛正という非業の死を遂げるクノールに『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』『蜘蛛女のキス』のウィリアム・ハート、狂おしい恋に身を焦がすグレタに『ハムナプトラ』シリーズ、『スターリングラード』で人気上昇中のレイチェル・ワイズ、ほかにデボラ・カーラ・アンガー、ジョン・ネヴィルなど。監督は『メフィスト』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞、『コンフィデンス 信頼』の大ヒットで日本でも知られるハンガリー出身の巨匠イシュトヴァーン・サボー。
3時間に及ぶ大作である。しかも何世代にも渡るあるユダヤ人家族を追うものとあっては、見る前は冗長に至る心配をしていたのだが、その不安は幸運にも的中しなかった。最初からテンポの良いストーリー展開を見せ、次々に場面が転換していく。頭の中を整理してそのテンポに慣れるのにちょっとだけ苦労したが、これだと3時間はちっとも長いと感じない。それだけ中身の濃い作品なのだが、それだけ長い時間をかけて描写しないと製作者の言いたいことが伝わらないのである。ユダヤ人と聞いて私たちはナチスの捕虜収容所のことを思い出す。
しかし、ここに出てくるユダヤ人たちはそれ以前からたくさんの差別を受け、それに対して、おおしく生き抜いていく。だけど、それだけでは終らない。不当な差別を受けたことは事実で、彼らを蔑視した人々への恨みもあるだろうけど、それを超えて新しい境地を目指そうではないかとうたっている。レイフ・ファインズはこの家族の3世代分の家長を演じているのだが、彼の熱演がなければここまでの作品にはならなかったであろう。フェンシングをやったり、収容所での過酷な描写など彼の迫力も見逃せない。
