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『素敵な歌と舟はゆく』
Adieu,Plancher des Vaches!
配給:ビターズ・エンド


キャスト スタッフ データ
ニコ・タリエラシュヴィリ
リリー・ラヴィーナ
フィリプ・バ
ステファニー・アンク
ミラベル・カークランド
アミラン・アミラナシュヴィリ
ジョアサン・サランジェ
マニュ・ド・ショヴィニ
監督・脚本:
    オタール・イオセリアーニ
製作:マルティーヌ・マリニャック
撮影:
   ウィリアム・ルプシャンスキー
美術:マニュ・ド・ショヴィニ
衣装:ニコラ・ズラビシュヴィリ  
※1999年ヨーロッパ映画アカデミー国際批評家連盟賞受賞
※1999年ルイ・デリュック賞受賞

1999年/フランス・スイス・イタリア/117分/カラー/35ミリ/1:1.66/ドルビーSR

イントロダクション
 原題の“Adieu,Plancher des Vaches!”は“息苦しい地上にお別れだ!”という意味。「“息苦しい地上(=雌牛どもの床)”という言い回しは、昔の船乗りの言い回しで、狭い地上に対するいくつかの軽蔑が込められて、地上を離れることの幸せが表明されている」こう語るオタール・イオセリアーニは、ヨーロッパではすでに評価を集めているグルジア出身の監督である。一見、フリーハンドのようにみえるこの作品の軽やかさは、決していきあたりばったりではなく、監督は全カットについて細かいストーリー・ボードを作成し、撮影に望む。ストーリーボードには絵コンテに加え、カメラの動き、役者の立ち位置が明示されている。イオセリアーニは知り合いの素人をメインキャストとして映画に登場させることで有名だが、演技経験のない彼らにシナリオではなく、ストーリーボードに台詞を書き込んで渡すのである。ということで、この映画のキャストも映画初出演が多い。俳優希望もいるし、美術デザイナーもいるし、監督の知り合いからご近所さんまでいる。実はその監督も父親役で出演しているのである。パリ郊外に城のような屋敷があり、そこに住んでいる家族。母親(リリー・ラヴィーナ)は少しの時間も惜しんでヘリコプターで忙しく移動し、仕事を片づけるやり手の実業家。派手でパーティが大好き。父親(オタール・イオセリアーニ)はお酒が大好き。お気に入りのものがあふれる部屋で、愛犬のラブラドール・レトリバーと一緒に趣味の鉄道模型を眺めて過ごす。この2人には、まだ小さい3人の娘と、ニコラ(ニコ・タリエラシュヴィリ/声の吹替:マチュー・ドゥミ)という息子がいる。ニコラは色々な才能にあふれていて、好奇心旺盛。身分を隠して、物乞いやアルバイトに明け暮れるうちにカフェの看板娘ポーレット(ステファニー・アンク)に恋してみたり…。でもそんな彼の好奇心が災いして、ついには大きな事件に巻き込まれてしまう。

ストーリー
 淡々としたストーリー進行で、カメラワークも登場人物たちを流れるような画で収めていく。だけど、そこにはフランス現代社会の実情がシビアに描き出されていく。列車の清掃員として働く男はカプセルホテル程度の狭さのアパート(社宅?)に住んでいるが、休みの日には目一杯めかしこんで、デートやナンパをしている。主人公の青年・ニコラは身分を隠してアルバイトしたり(働きが悪くて怒られたりするんだけど、彼は切れたりはしない。逆説的に怖い!)、浮浪者とつきあったり、だけど後半ではちょっとドキッとするような行動をしたりする。だけど、そこにはドラマティックな展開はない。本当に淡々と、川の流れのように描くのである。その客観視する冷静な演出が始めはコメディチックなものとして有効なもののように見えているのだが(ウフフというようなおかしさが随所にある)、実は話が進んでいくにつれて最も残酷な描き方であったとわかるのである。その怖さはジワジワとしか伝わってこないかもしれないが、鑑賞後、確実に残る。忘れられない怖さというべきか。フランスという国には移民がたくさんいて、彼らの待遇は悪いし、ニコラのように内面に問題を抱える若者もたくさんいるだろうし、でもかといってこの映画が悲観的なのではない。それは監督自らが演じる父親の行動に表している。この父親も全ての行動が良いわけではないんだけど、そういう人がいなければ、世の中はつまらないと思うし、将来への希望が見つからないことになってしまうだろう。
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