映画は観る楽しみと、創る楽しみがある。素晴らしい作品に出会ったあと、「私も、こんな映画を作ってみたい。」と誰もが一度は思ってみたことがあるはず。でも、実際に映画を作るとなると、そんなに簡単にはいかない。お金の問題はもちろん、多くの人間の尽力と、専門の技術・機材が必要で、おいそれとは映画製作などはできるはずもないと思っている人が大多数だろう。ところが、ここ数年で映像を制作する環境が激変している。ある程度の専門技術が必要なことは変わらないが、パソコンが1台あれば、たった一人でも映画が作れる時代になっているのだ。IT先進国アメリカでは数年前から、個人のクリエイターがほんの数分のショート・ムービーながら、ハリウッド顔負けの素晴らしい作品を制作しインターネットで配信(公開)をしている。IT後進国だった日本でもその波は確実に届いていた。この作品は第9回DoGACGAコンテストでグランプリを獲得したロマのフ比嘉氏がPCで制作したCG作品。(ちなみに、ロマノフが全てカタカタではなく、「の」だけ平仮名なのは、比嘉氏が本物のロシア人に間違えられることが多いからとか。閑話休題)邦画ではむずかしいハリウッド映画さながらの設定と展開を、アメリカン・コミック調のCGで描くアクション・ホラーの傑作。
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